お金の問題を抜きにして、介護は語れない。
その面からのタイトルだと思うが、気持ちから言えば、
「親が死ぬか、自分がストレスで先に死ぬか、それが問題だ」
ということになるのではないか。
自分の経験から、そう思う。
小説ではないので、「起承転結」があるわけではないが、ある意味、全編クライマックスで、「
...続きを読む起」の後は「承、転、承、転、承、転、承、転・・・」とどこまでも続き、「結」だけが来ない。
いつか筆者に、幸せな「結」が静かに訪れますようにと願わずにいられない。
とはいえ、真っ暗な話でもどん底でもなく、延々と不毛なイライラが続く介護の様子を冷静につづって、どこか可笑しみさえ感じられる体験談。
1970年の日本の平均寿命は、男性が69歳、女性が74歳だった。
2022年の発表では、男性が81.49歳、女性が87.60歳。
この50年での平均寿命の延びは驚異的としか言いようがない。
長く生きることは、果たして幸せなのだろうか、ということは一時置いても、
あまりに急な変化に、制度も、人の認識も、追い付かなくて当たり前かもしれない。
介護される側の老人たちは、今まで生きてきた結果がすでに出てしまった状態だけど、これから老いる私たちはやるべき事を何か発見できるはず。
読んでみて下さい。