総合格闘家の筆者が、日々何を考えながら練習や試合をしているのか、今までの格闘家人生を振り返りながら教えてくれる。
筆者のモチベーションの源泉は、優勝や数字と言った結果にあるのではなく、自分が思う「強さ」を追い求めること。
それは、昨日の自分より向上すること。
40歳になった今でも、練習をする中で日
...続きを読む々考え、向上するのが楽しく、練習の中に試合があるとまで言い切る。
(普通に考えると逆ではないだろうか。)
筆者が練習に取り組む姿勢を読むと、いわゆる「守破離」が創造力を生むのだということがよく分かる。
難しい課題を前にして、まずはなんとなく全体を模倣し、そうするうちに対象を細分化して捉えることができるようになる。
そして、それら細分化した要素を自分のものにするために、一つ一つに対して自分なりに練習の道筋を考え、実践することで習得していく。
そうすることで自分なりの味、創造力が生まれてくる。
そして、その過程はとても楽しいのだという。
またその上で、プロとしてお客さんを楽しませること、つまりイベント全体での自分の商品価値、ということも強く意識しているという。
一見、自分の中の強さを追い求めることとは矛盾するようであるが、やはり、自分のやっていることと、社会との接点を考えないことには、真の喜びは生まれないということであろう。
(第一そうしないと食えないしね。)
お客さんの盛り上がりを考えた上で、あえて得意な寝技でなく殴り合いを選ぶなど、ちょっと客に媚びすぎじゃないの・・・と思わないでもなかったが、
そうした折り合いも、自分なりの基準をしっかり持った上で判断するのが肝要だと思った。