作品一覧

  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った
    4.4
    1巻770円 (税込)
    日本人にとって最もメジャーかつ“伝統的”な年中行事「初詣」は、意外にも新しい行事だった……?! そしてその誕生の裏には、近代化のなかで変化する人々の生活スタイルと、鉄道の開業・発展、そして熾烈な集客競争があった――“社寺参詣のために敷設された鉄道は多い"という語り方で語られてきた「鉄道と社寺参詣」の関係に一石を投じ、綿密な資料調査をもとに通事的に解き明かす、鉄道史・民俗学を結ぶ画期的な一冊。 平山 昇(ひらやまのぼる) 1977年長崎県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在は同大学院学術研究員、立教大学経済学部兼任講師。主な論文に「明治期東京における『初詣』の形成過程」(『日本歴史』691号、2005年)、「明治・大正期の西宮神社十日戎」(『国立歴史民俗博物館研究報告』155集、2010年、第2回鉄道史学学会住田奨励賞受賞)などがある。 ※電子書籍の仕様による紙版と異なる図版・表・写真の移動、本文中の参照指示の変更、ほか一部修正・訂正を行っている箇所があります。予めご了承ください。
  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った

    Posted by ブクログ

    初詣が習慣化したのは明治時代中期。それも鉄道会社の戦略!
    第1章 「初詣」の誕生
    第2章 「何事も競争の世の中なり」
    第3章 競争がもたらしたもの(1)
    第4章 競争がもたらしたもの(2)
    第5章 鉄道と神社の協調と駆け引き
    終章
    社寺一覧、鉄道会社一覧、参考文献・新聞史料・史料、有り。
    江戸時代、江戸からの成田詣は3泊4日の旅だった。
    それが明治時代の鉄道路線の誕生により、
    日帰りで参拝出来るようになった。
    江戸時代は、初縁日に基づく参拝や氏神様、
    その年の恵方にあたる社寺への参拝が主であったが、
    日曜週休制と年頭三が日の慣習の浸透により、
    珍しい鉄道で遠方への旅が可能になり、信心から行楽へ

    0
    2022年06月19日
  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った

    Posted by ブクログ

    「社寺参詣」という”伝統的風習”と捉えられがちなものが、「鉄道」という”近代文明”によってどれだけ影響されてきたのかをまとめた一冊。明治~昭和初期の関東・関西を主な対象として話がまとめられている。

    学術的な鉄道研究として、最近は新聞記事・広告や社寺史料を丹念に研究するのがトレンドらしく。この著書もそういう書籍の一冊。こういう学術畑からの一般書は、情報量にまみれてしまい全体像を掴みにくい本が多いのですが、この本はその豊富な情報量の割には話の流れがわかりやすく読みやすい。古い鉄道会社名が鉄道ファン以外には理解しにくい点を除けば、一般者も普通に手に取れる一冊だと思う。

    詳細は読んでいただいた方が

    0
    2014年07月02日
  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    恵方参りや初縁日と異なり、元日に寺社にお参りする「初詣」という習慣は、明治以降に鉄道ができてから、まだ珍しかった汽車に乗って郊外の寺社に出かけて散策を楽しむ行事として生まれたんだって。勉強になりました。

    伊勢詣りの隆盛も、その裏に鉄道会社の競争あり。
    明治30年代の官営の東海道線と関西鉄道(今のJR関西本線)との間での大阪-名古屋間のサービス競争の影響が起こり、関西鉄道が参宮鉄道(今のJR参宮線)との連携で伊勢詣りがPRされ参詣客が増え、さらに、昭和になり大阪電気軌道&参宮急行(今の近鉄)が参入し、国鉄とサービス競争を繰り広げたことで、さらに参詣客の増加に至った。そして、一生に一度の伊勢詣り

    0
    2013年05月26日
  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った

    Posted by ブクログ

    正月の社寺参詣の変遷を、鉄道網の発展から解き明かしている。著者の史料の読み込みがすごい。立派な研究書だと思う。
    関東では成田山・川崎大師、関西では伊勢神宮といった郊外の社寺は、複数路線の競合による増便・運賃値下げにより、さらに人気を博したとのこと。競争による市場の創出・拡大がここまではっきりと現れた事例も珍しいのではないか。

    0
    2022年06月20日
  • 鉄道が変えた社寺参詣 初詣は鉄道とともに生まれ育った

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (130ページ)「初詣はもともと恵方だの初縁日だのといっや細かいことにこだわらずにお詣りするという、きわめてアバウトな行事として成立し、そのアバウトさに利用価値を見出した鉄道会社のPRによって社会に定着していったものなのである。それにもかかわらず、誕生からわずか100年あまりで、あたかも「初詣の正しい伝統」などといったものが古来からあるかのように説明する語り方が定着しているわけである。(中略)初詣の近代史を研究してきた筆者は、「『伝統』というものは、ずいぶんインスタントに定着するものなのだなぁ」という感想を抱いてしまう。」
    「伝統」とか言い出したら眉唾モノだなと思った方が良いという思いを新たに

    0
    2017年12月16日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!