凄くいい本でした。
宇野弘蔵という人の印象が変わった。もっととっつき難くいかつい人かと思っていたが全く違った。
社会主義とは労働力の商品化の廃絶のことであるという。実に面白い。社会主義の主張は大体正しいと思っていたのは本当とのこと。
僕は基本的に学問は帰納としてあると思っている。自省・反
...続きを読む省から帰納として世界を見て取る学問は唯物論と言えると思う。宇野弘蔵が自己批判と不可知論について触れているところがあるが、自己批判とは帰納のことであり唯物論としてある。それに対し不可知論をいう人がいるだろう。不可知論は客観的として演繹として体系を建てるだろう。しかし帰納は決して不可知論にはならない。真理が蓋然的なものとしてあるかもしれないがそれは不可知論では決してない。本質的に違うものである。そこを知ることが大きい。帰納の学問があることを知ることで世界は変わっていく変革の可能性の中心である。
実に面白かった。この本で宇野弘蔵の印象はガラッと変わったね。親しみを覚えた。著作集など読む気がわいてきた。