作品一覧

  • 今朝太郎渡世旅
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    1巻660円 (税込)
    奥州の片田舎の上杉藩関村で、水呑百姓として一生を終わるはずだった今朝市は、江戸の商人・信吉のために渡世人・今朝太郎となって、裏街道を歩くことになる。同行するは、デブで醜女だが気立てのよい初体験の相手である飯盛女・おさん、体力も意気地もないイカサマ博奕師の壺振り仙八。奥州街道を江戸へ向って世をはばかる逃避行をする3人の、おもしろおかしい裏街道の道行を描く。奇妙な偶然に翻弄される、快心の異色股旅ユーモア小説。
  • プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選
    3.5
    1巻1,353円 (税込)
    「生きていればこんなめにもあう」。理不尽なことも呑み込まなければ「普通の人間」は生きていかれない。22歳で召集、フィリピン、ビルマ、カンボジアなどを転戦、ラオスの俘虜収容所に転属され敗戦となり戦犯容疑で拘留。著者の冷徹な眼が見た人間のありようは、苛烈な体験を核に、清澄なユーモアと哀感で描かれた。芥川賞受賞の表題作ほか「白い田圃」「蟻の自由」「七ヶ宿村」など代表作9篇。
  • 編集者冥利の生活
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    1巻1,100円 (税込)
    編集者冥利とは人との出会いの冥利です――。安岡章太郎「悪い仲間」のモデル、雑誌『季刊藝術』の編集同人、そして戦争文学の最終走者として知られた芥川賞作家の自伝的エッセイ&交友録。表題作をはじめ単行本未収録作品を多数含む文庫オリジナル編集。
  • P+D BOOKS プレオー8の夜明け
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    1巻990円 (税込)
    兵士の日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学。 第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。 他に筆者処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのか――今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。
  • プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    感想を書くまでにすこし時間が空いてしまった。9篇あるなかで、どれも戦争を題材にし、フィリピン、ビルマ、カンボジア等の戦場での戦いの様子や戦犯容疑で拘留されたという自分の経験を書いている。作品のうち経験の重なっているものがあり、実体験を小説に落とし込むときの取捨選択というものを、九作品を読んだからこそ見れた気がした。戦争当時に自分の見た戦場の風景をこんな風に整理して書けたのはすごい。
    プレオー8の夜明けがやはり一番よかったように思われる。戦犯容疑で拘留されている主人公たちの監獄での様子を描いたもので、戦争を古山高麗雄が描こうとするときに一番適した枠組みだった気がする。
    結婚して四十年経った妻との

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    2021年05月03日
  • プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選

    Posted by ブクログ

    安岡章太郎さんの『悪い仲間』に出てくる藤井高麗彦が古山高麗雄さんのことだと知り、古山さんを読んでみたくなった。

    そして古山さんを読み終わってから、もう一度『悪い仲間』も読んでみた。

    古山さんの作品を読んでから『悪い仲間』を読んでみると、
    最初に読んだ時の「藤井」は、棘と毒気と高慢みたいな感じを多めに感じたのだが、
    今回の「藤井」は、弱くて真面目なところが強く引き出されているように感じた。

    それは、古山さんの作品を読んで、古山さんが弱くて真面目で人のために尽くす人に思えたからだ。
    もちろん、そもそもそういう風にして描かれている作品なのだと思う。私が間違って捉えていたのだ。


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    2013年02月20日

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