プロでも騙されることがある確率の数学的なややこしさと、実際に起こった事件・事故の数奇性から、この手の本は何度読んでも飽きない。『人間この信じやすきもの』『たまたま』『リスクにあなたは騙される』に続く「確率本」。
1億分の1の確率でも、1億回繰り返されれば「起こって当然」の事になるという、誰でもわか
...続きを読むる話だが、これが当の私/あなた/もしくは身近の誰かに起きたとき、まるで超自然的な力が働いたかのように感じ、その偶然の背後に何掛かるのではないかと説明を考えてしまう。
第2章 気まぐれな宇宙「なぜわが身に?なぜここに?」
0-9の数字を5回適当に抜き出した時に"46984"になる確率と"77777"になる確率は同じである。でも77777が出たら凄いなぁと思ってしまう。また7777と続いたら最後の数は7が出にくいと感じてしまうが、実際は0-9まで確率は等しい。「次こそは」と思ってしまうギャンブラーの錯誤。
また選択の法則にも要注意。いわゆる「後講釈」。事後的に都合のよい事象が選ばれている典型的な「占い」的な手法。ワールドカップで有名になったタコ。だがその背景には有名に"ならなかった"ヤマアラシのレオンやチンパンジーのピノがいるのだ。
暗殺される夢をみて暗殺されたカエサルやリンカーン。だが暗殺される夢を見て"暗殺されなかった"日々の事は無視される。