中小企業の経営幹部クラスだけでなく、大企業の部長クラスも主な対象として、必要な心構えやスキルについて述べている。中小企業ならではの特徴についても折について触れている。
係長や課長クラスと違って、部長クラスは事業の中で担当部門の機能戦略を立案する立場にあり、経営者と等しい心構えやスキルが求められる。
...続きを読む心構えとしては、以下の3つが挙げられている。
・覚悟と責任感を持つ
・常に考え続ける
・会社の最後の良心となる
これらに対して、具体的に16の問いに落とし込んで解説している。実際に尊敬できる部長像と重なる部分が多いと感じた。係長や課長のうちから養っておくべき視点ばかりであると思える。
スキルについても、以下の3つが挙げられている。
・戦略的視点
・マネジメント力
・数字力
これらは実践向けの内容となっている。特にマネジメントの中でPDCAサイクルについて参考となる管理フォームも載せながら丁寧に解説している。フォームは少々細かすぎるようにも思えた。実際の管理職でないと実感はあまり湧かないしすぐに実践で試せるものでもないと思える。しかし、1指示して全て理解し行動できる部下ばかりでもないので、あらゆるタイプの部下を動かし育てていくことになると、きめ細かなフォローが必要になるのだろうし、参考にはなりそう。
本書の冒頭にあるとおり、管理職として下層の係長や課長に対するマネジメントの本は多いが、部長向けの機能戦略+マネジメントの本はあまり無いように思うので、新鮮な部分が結構あった。