お堅くなりがちな「デザイン史」を、可愛らしいイラストと簡潔な文章で紹介したもの。本文2色刷り。年代順に、興った美術様式やデザイン運動などが見開きでまとめられていて、やわらかな雰囲気でとても読みやすい。
インターネットがなかったり、今より気軽に海外に行けなかった時代は「万博」が本当に重要なイベントで
...続きを読む、一つのデザイン様式を世界に広める格好のチャンスだったということがわかった。
1800年代までは色々な様式があっても、受ける印象は皆クラシカルで壮麗な似通った感じだったのに、1900年代になってから「キュビズム」「未来派」「ロシア・アヴァンギャルド」「ダダイズム」など自由な発想で本当に様々な方向性のスタイルが生まれている。「騒音芸術」や既成の便器などを作品として発表するのは、今でさえ奇抜な感じがするのに、100年以上前の当時としたらどれだけ大衆は度肝を抜かれたことだろうと思った。
1964年の東京オリンピックがピクトグラムが導入された初の国際イベントだったというのは知らなかった。亀倉雄策がデザインしたシンボルマークとポスターはやはり今見てもめちゃくちゃかっこいい。2021年の成果物は果たしてこの時のように後世に残っていくだろうか...
大学でデザインを専攻していたけど、そういえば「デザイン史」という授業はなかったな。何かに絡めて軽く説明があったくらいで、正直な所ここに載っているものも全ては把握しきれていなかった。学び直しに良い。手元に置いておきたい本。