ユーザーレビュー 日本の音 小泉文夫 日本語を母国語に持ち、日本列島に生まれ育った自分が、音楽について考えるにあたって、限りなく視野を広げてくれた一冊。食生活や生活環境、その土地の風土、言葉など、人が生きるにあたって身の回りにあるものが音楽にどれほどの影響を、具体的に与えているのかということを示してくれる。 音楽家の伊福部昭が「民族の...続きを読む特殊性というものを通過して、共通の人間性に到達しなければならない」という信念を持ち、「真のインターナショナルはローカルを通してでないと到達できない」と語っていたように、人間本来の根源的な何かに触れるものをとらえようとするなら、この国の民俗性について注意深く目を向けなければならないわけで、この本はそのために必要なさまざまな知見と示唆を与えてくれる。 ポピュラー音楽を見つめるにあたって、何度でもここに立ち返らなければならないように思う。音楽について考えたいのであれば、中村とうよう『ポピュラー音楽の世紀』と並んで必読。 Posted by ブクログ 日本の音 小泉文夫 日本文化を「音楽」の視点から取り上げ、日本音楽を民族音楽の一つとして捉え、その普遍性と特徴、世界の音楽との関係など、様々な観点から世界の中での位置付けを探るもの。 Posted by ブクログ 日本の音 小泉文夫 改めて、日本の音楽教育は片手落ちだと思わされる。明治維新、戦後と伝統文化軽視の風潮のなかで疎かにされたもの。こないだテレビで見た唐招提寺の番組とも重なるが、音楽には建築と異なる点もある。また、日本の音楽や楽器の伝統を踏まえながら、現在の状況と展望について語る内容は、70年代の空気を差し引く必要はある...続きを読むかもしれないが、ほぼ現代に通じる。自分の周りの音楽を見渡し、その特徴や他の音楽との関わりなどを考えるきっかけになる、視野を拡げてくれる一冊。 Posted by ブクログ 日本の音 小泉文夫 老若男女問わず、いろんな人に読んでもらいたい1冊。 ホントに1970年代の本? と思わずにはいられないほど、現代の感覚を持った小泉文夫さんの本です。 この本と出逢って、また違う世界が開けました。 Posted by ブクログ 日本の音 小泉文夫 学生時代の坂本龍一が最もインパクトを受けた講義が小泉氏のものだったという。そして彼が音楽に向き合う態度を決定付けたと言われる小泉音楽論の決定版 Posted by ブクログ 小泉文夫のレビューをもっと見る