前書「ドーハ以後」は名前の通り、ドーハの敗戦後の日本代表と海外のサッカーについて、杉山氏の布陣という視点から分析した名著だと思う。この本が杉山氏の最初の著書の本だったとは知らなかった。
当時の日本のレベルでは3バック=守備的、4バック=攻撃的 という簡単な区分けしかなかったが、4バックにもベンゲル
...続きを読むの名古屋の4バックの布陣があったり、加茂日本代表のブラジルの布陣の違いなど、当時のナンバーなどへの文章で個人的には理解したことを懐かしく思う。
今はサッカーを布陣だけで語ると問題もありF川崎の監督になった風間氏は、布陣をホワイトボードのマグネットサッカーなどと言って批判もすることもあるが、「布陣だけ(で)語る問題もあれど、布陣(も)語る必要があると考えたい。」と個人的には思う。
その意味で、本書の「ドーハ以後 ふたたび」は、上記の内容を受けて、この20年間のサッカーの(布陣)の変化が分かるには良い本だと思う。多少、布陣を語ることが日本で一般的になったことと、最近の著者の本が次々と出版されて、少し金儲けの安売りし過ぎやしないかと思っていたけれど、本書は久しぶりに渾身の1冊だと思う。
日本代表や当時のヨーロッパで流行っていたシステムなどが気になる人は、一読しておいて損はないと思う。