作品一覧

  • 夜はやさし(上)
    4.0
    1~2巻594~638円 (税込)
    若き優秀な精神科医ディックは、富豪の美しい娘ニコルと出会う。医師と患者という垣根を越えて、恋に落ち、結婚した二人。富も名声も持ち、人を惹きつけて止まないこの夫婦は、多くの友人から敬われ慕われていた。二人の子に恵まれ結婚生活も順調に思われたリヴィエラでの夏、若き女優ローズマリーが現れディックに激しい恋をしたことから、彼らの運命が大きく揺さぶられ始める――。自伝的色彩を強く放つ、著者最大の長篇傑作。
  • 夜はやさし(下)

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    かつてのエイブのようにアルコールに溺れ転落していく主人公のディック。田舎の貧乏牧師の息子が一流大学を出て、優秀な医師・研究者として身を立てるはずが、ニコルと出会って金持ちになり、アメリカを離れてヨーロッパをさ迷い、道を外れていく様子が怒涛の後半で描かれる。しかしディックが道を誤るきっかけになるスイスも、ローズマリーも、リヴィエラも、パリも、崩壊する妻のニコルでさえも、フィッツジェラルドの目に映ったそのままのように生き生きと描写され、対岸の光や遠くの窓の灯のように眩しく美しい。ディックの結末は胸が締め付けられるような思いで読んだ。

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    2012年06月25日
  • 夜はやさし(上)

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    妻の狂気、友人のアルコール依存、女優の世界などが描かれる。他の作品とはまた違うフィッツジェラルドならではの世界。チューリッヒ、リヴィエラ、パリなど作品を彩る土地の空気、狂人や心の傷痕についてのフィッツジェラルドならではの描写に引き込まれる。下巻も楽しみ。

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    2012年06月25日
  • 夜はやさし(下)

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    前半の好感度抜群のディックがアルコールで身体も人格も破綻していく様が非常にリアルに描かれていた。ディックとニコル夫妻が行く先々で事件が起こり、それが物語を二転三転させて面白くしている。その辺のもって行き方も上手いなと感心した。

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    2022年12月10日
  • 夜はやさし(下)

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    10年積ん読やったのを思い立って読んでみました。いや、10年置いといて良かった気がする。10年前、もしくは初めてフィッツジェラルドを読んだ20年前やったらハマらんかった。気がつけばオイラもフィッツジェラルドが死んだ年に近い。前半はどうってことないんやけど後半が刺さる。海でダンナが若い頃みたいにムチャしようとして失敗するのを嫁さんが冷ややかに見てるシーン、ツラすぎる。酒で身を持ち崩す展開、身につまされ過ぎる。
    あと、解説で狂ったとか発狂したとか書いててすげーなと思ったけど昭和三十五年刊行の復刊か。時代やなぁ。

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    2018年12月18日
  • 夜はやさし(上)

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    ある若き夫妻の、出会いから夫婦関係の崩壊、そして別れまでを描いた長編小説。
    上下巻を全て読み終えた後、寂しくも暖かな気持ちとともに、不思議とこの表紙の絵が思い出されて来たが、それらはやがて渾然一体となって、大きな感動に変わっていった。
    本書では物語に大きな変化が訪れる場面が全部で4箇所ある。そう、主人公の妻ニコルと、女優のローズマリーのそれぞれが主人公に惹かれ、やがて気持ちが遠ざかっていく(本書の内容に即した言葉で表現すると、彼女たちが『目覚める』)場面である。
    本書の表紙は、まさに、この物語の全てを象徴しているように見えてならない。

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    2016年11月23日

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