ある若き夫妻の、出会いから夫婦関係の崩壊、そして別れまでを描いた長編小説。
上下巻を全て読み終えた後、寂しくも暖かな気持ちとともに、不思議とこの表紙の絵が思い出されて来たが、それらはやがて渾然一体となって、大きな感動に変わっていった。
本書では物語に大きな変化が訪れる場面が全部で4箇所ある。そう、主人公の妻ニコルと、女優のローズマリーのそれぞれが主人公に惹かれ、やがて気持ちが遠ざかっていく(本書の内容に即した言葉で表現すると、彼女たちが『目覚める』)場面である。
本書の表紙は、まさに、この物語の全てを象徴しているように見えてならない。