G SPIRITSムックvol.17は
「アントニオ猪木を撮り続けた男」こと、カメラマン・
原悦生氏のノンフィクション。
原さんと言えば、伝説の猪木・アリ戦における「猪木の
ハイキックシーン」を押さえたカメラマン。若かりし頃
から一貫して猪木を撮り続け、この本の記述によると猪
木本人から【死に際の
...続きを読む写真】を頼まれているらしい。
この本の中には、僕も足を運び、なんならリングサイド
席で観戦した試合も多々含まれている。にも関わらず、
何故かリングサイドに入っている原さんをイメージ出来
ないのは、原さんがプロフェッショナルである証拠。
猪木の格好いい写真は、おおよそが原悦生撮影の作品な
のが凄い。
いわゆる「猪木本」の類は、これまで何十冊も読んで来
たが、この作品はそのどれとも違う【迫力】、そして
【説得力】がおびただしく溢れている。なにしろ、プロ
レスラーのアントニオ猪木だけでなく、政治家のアント
ニオ猪木の写真を世界中で撮影したカメラマン。元新聞
記者だけに文章も上手く、氏の切り取った“猪木”という
概念が、リアルに届いてくる。
ビックリしたのは、サッカーの写真でも超高名なあの原
さんが、今で言う「カメラ小僧」(^^;)だったこと。
団体の許可を取らずに勝手にリングサイドで撮影を行う
高校生、なんて、今の世では絶対に許されない。そこか
ら今の位置まで上り詰めたのだから、やっぱりこの人も
只者では無い。
考えたくは無いが、おそらく『アントニオ猪木の遺影』
は原さんの写真になると思う。出来ればそんなシーンは
観たく無いけど・・・。