とても面白かったです。
反恋愛至上主義と恋愛至上主義の衝突というテーマは、極端な世界を演出しつつも同時に物語をシンプルにしていて、勢いのよい展開で癖になりました。しかし魅せる部分は流さずしっかり魅せていて、おかげで続きが気になりぐんぐん読めました。もしかしたら、読んだ人の中には色々な落差に逆に冷
...続きを読むめてしまう人もいるかもしれませんが、私は、それも含めて雰囲気を盛り上げる要素で良いと思います。
作中では帯の宣伝通り恋愛という主題が扱われるのですが、扱われる思想は自分が普段考えないようなもので「なるほど、そんな考え方もあるのか」と勉強にもなりました。
そして、キャラクターも魅力的でした。キャラが抱える鬱憤、葛藤、恋愛をテンポよく感じさせてくれて、キャラ同士のやりとりも面白かったです。私は特に領家さんが可愛いと感じました。続刊ではもっとキャラの深い精神部分に触れていくことになるのかなと思うと、今後の展開と共に、とても楽しみです。
軽い気分で読みながらも、深いなぁと思える小説でおすすめだと思います。
【以下ネタバレあり感想】
正直、二人がとてももどかしいです。
領家さん言ってるのに!
確かに、この作品のテーマからしたら二人が結ばれることは許されないけれど、自分としてはもっと領家さんのデレが、そして二人のイチャラブが見たいです。
この先、二人の仲がどうなるのか気になります。安易に恋愛の道に外れてしまえば、ああまでして高砂が断った、反恋愛至上主義というキャラの信念、そして作品のテーマをひっくり返すことになります。正直、それはよっぽどじゃない限り納得できない気がします。しかし、外れなければ二人の想いは結ばれないし、二人のラブも見れなくてジレンマです。世界から恋愛がなくなってから愛し合うなんて、待ちきれない……。あぁ……。
これからの反恋愛主義青年同盟部の活動と共に、二人の関係の先がとても気になります。
出会えてよい本でした。続刊が読みたいです。