2008年に開始した長谷川裕一ネーム原作、女性作家作画の作品。途中で連載が中断して10年後の2019年に同人誌で完結した作品の商業出版ver。間違いなく、長谷川裕一の漫画だとひと目でわかる作劇の構成。「ヒーロークロスライン」という1つの世界観を複数人で構築するという共通世界観作品の1作品でもある。
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話としては、長谷川漫画が好きな人には水にあうと思うけど万人受けするかと聞かれたら結構とっちらかってる。途中で掲載誌などの都合で中断した作品をちゃんと完結させたのは最高に立派だと思う。・・・ダイソードもそうだったんだっけか。
で、肝心の話としては
「セミの能力を持つヒロイン」が「セミだから歌を歌う」「セミだから羽化したら1年で死亡する短命の存在」「セミのような羽の美少女」という形にして、望まぬ殺しをし続けているという作劇。そこにラブストーリーを絡めている。総合的には傑作とは呼びがたいものの、長谷川裕一を語る上で欠かせない作品の1つではあると思う。最後のシーンに心を打たれたので、積み重ねる事に意味はあったと感じる。