短編集2
ていうか、英語として同じタイトルなのに「夕暮れをすぎて」と「夜がはじまるとき」っていうタイトルにしちゃうところとか、作者後書きが「サンセット・ノート」てタイトルなところとか、全部好き。どれも面白かったです。
「N」…という患者が強迫神経症で精神が壊れて行く過程を記述した医療記録、医師の手
...続きを読む記、妹の手紙、新聞記事。小説と言う体裁をとらずに、何か不可思議なものによる世界の浸食とそれによって精神が壊れて行く人々の様子。怖い。でも面白い。
「魔性の猫」…とにかく怖くてヤバイ猫の話。殺し屋に猫は殺せるか。
「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」…飛行機事故で死んだはずの夫からの電話。悲しくて切迫していて切ない短編。いい。
「聾唖者」…であるヒッチハイカーを乗せた男は、とんでもない妻についての愚痴をこぼす。どうせ聞いていないのだからと…。
「アヤーナ」…グリーンマイルを思い出したのは私だけじゃないはず。
「どんづまりの窮地」…これはひどい。とんでもない狂人を隣人に持ってしまった男。誰も来ない工事現場の仮設トイレに閉じ込められてしまった。ドアを下に閉じ込められ、まさしくタイトル通りの状況。手に汗ってやつです。うまい。でも、怖い。ドキドキした。