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Posted by ブクログ
実兄が死ぬ間際に残した「三年坂で転んでね」という言葉、その三年坂について調べていたらしい父の後を追い、受験生の主人公が密かに調査を開始する。読んでいて自分も二十世紀初頭の東京を探索している気分になる。タイムスリップ感満点で時代考証も確からしく、なかなか楽しい。もう一人予備校の講師が、江戸・東京で次々に起こった大火には<発火点>が関係しているという面白い説を元に調査を始める。
二つの物語は、それぞれの目的の元進み、物語の端々で物凄く自然に謎が少しずつ深まっていく。
後半になって、数々の謎がどんどん繋がっていき解き明かされていくが、その進行の仕方が素晴らしく淀みない。ページを捲る手が止められな