AI技術が発展した7年後の日本を舞台とした近未来警察・ミリタリー小説。
作者は東大卒のAI研究者出身だけあって、AIに関する技術知識、AIが社会、犯罪捜査、国防などに与える影響の考察は卓越している。
また、3つの全く異なる事件が一つの陰謀事件に収斂していくプロセスも面白い。
しかし、突然アクションものに切り替わるエンディングが唐突で、最後の結末はあまりスッキリしない。
いくつかの謎が未消化のままで残ったし、もう少し救いのある結末だとよかった。
最後は、AIの怖い側面を際立たせようとして、こういう結末にしたのかもしれないが、後味は悪い。