医者でもない、管理栄養士でもない著者が、
どういう観点(立場)で、この著作を書いたのか、非常に気になりました。
専門家と呼ばれない人達が、自身の経験を、どう一般化して伝えるのか、個人的に興味があり、この本を購入しました。
この著作を読んで、この松井氏の印象は、非常によく(誠実さが伝わってきます)
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内容は非常に丁寧で論理構成もしっかりしていて、
かつ入念に関連する資料を読み込んで、書かれているだなと思いました。
体験記を越える内容であると思います。
この本は、
慢性疲労症候群を患った松井氏が、
甲田先生の健康法(1日2食健康法)と出会うことで、
みるみるうちに回復をした。
では、その1日2食の健康とは何か?
なぜ、1日2食健康法を実践すると、健康になるかを、
わかりやすくエビデンスを散りばめながら説明しています。
この本で一番面白かった文章は(著作から抜粋すると)、
「理想の食事をするために、人といっしょに食べなくなりました。それでも幸せだったのです。ところが、だんだん雲行きが怪しくなってきました。人と食卓を囲めないのがさびしい。健康になった。でも今の自分は他に何があるだろう?」(中略)健康そのものが目的では絶対に続きません。「自分は何のために健康になるのか?」そんな、人生の目的がはっきりしていなければなりません。
本音だなと思います。
これは、専門家には、なかなか書けないことです。
Aという方法を行い、Bという結果になる。
だから、Aをやりましょう!、続けましょう!
が一般的な健康本のやり方です。
つまり、健康になることを目的している。
著者は、健康を目的にしたら、
続きませんでしたと言っている。
健康はあくまで、手段であって、
人生の目的(ワクワクすることでしょうか)がなければ、
寂しいよって、わかってしまった。
健康に関心がある人は多いと思いますが、
自分の人生の目的に関心がある人は意外と少ない。
つまり、いつまでたっても、真に健康になれないということです。
健康オタクになってはいけない、健康を手段として、自分の人生を描かないと、
真の健康は手に入れることはできない。
結局、著者が言いたいことは、
「甲田先生の健康法に出会って、健康になった。
しかし、健康になっても、人生の目的が、
はっきりしていなければ、真に健康にはなれない」。
ではないでしょうか。なかなか、面白い本なので、是非、一読を。