やくざ人口の約半数を占める巨大組織・山口組は改正暴対法によって苛烈な取り締まりを受ける中、六代目司忍組長のもとで原点回帰への体制刷新をはかっている。
原点回帰を志向する六代目山口組の現在を知るためには、司組長が信奉する中興の祖・田岡一雄三代目および三代目を生むに至った山口組前史を紐解くことが欠かせな
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田岡三代目が引き継いだ「組員各自に正業を持たせる」「事業に縄張りはない」という山口組の組織原理はやくざ組織として絶大な力を持つに至った理由でもあり、また山口組が受け入れてきた『やくざになるしかない』人々の存在を私たちの社会がいかに切り捨ててしまったかを浮き彫りにする。
そして苛烈な暴力団排除の動きは、既存組織のアングラ化と、任侠道から外れた統制のきかない犯罪者集団を生み出してしまっている。