日本経済の現状について、「わかりやすく」「説得力」がある本は数少ないが、本書はその少ない本の一つと思えた。
経済の短期の動きの「サイクル」と長期の動きの「トレンド」。「輸出重視」と「内需重視」の視点。「労働市場」と「非正規」の取り上げ方。
どれをとってもわかりやすいし、昨今において安部政権が「
...続きを読む賃上げ」を経済界に異例の要請をするなどの状況を踏まえると、「輸出」で「種火」に火をつけて「内需」で「所得から消費という経済の第二段階に火をつける」という本書の視点には実に説得力がある。
しかし、経済とは本当にこんなにわかりやすいものなのだろうか。
だとしたならば、「円安」で輸出を増やし、非正規などなくす「労働市場の改革」をおこない、消費を増やせばいいだけの話なのだが…。
それが実は難しいということなのだろうか。本書は、昨今よんだどの本よりも興味深かった。