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お座敷遊び
浅草花街の話。
東京では一人前を芸者、半人前を半玉と呼び、京都でいう芸妓、舞妓に相当する。
花柳会への綿密な取材を元にお座敷での遊びの心得を本書でまとめている。
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生涯現役の心。
芸の道に終わりはないというが、齢九十の芸者姐さんのことばがいきでかっこいい。
...続きを読む「今も毎日三味線のお稽古をしているのですか?」
「それをやらなきゃ、ババアになっちゃうからね」
お姐さんであってババアでない。
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粋なからかい
一流の客は同じことは2度としない。無茶振りされて酒を飲んだとして、こいつは飲めるなとわかれば、次回以降は同じことはしない。その代わり、ただの「チビ」から「保名」っていう名前を覚えて贔屓にしてくれる。ただからかうだけじゃない。
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戦時中も遊びは続く。
太平洋戦争時、花札のオイチョカブなどの遊びが座敷で行われており、途中で空襲警報があると、みんな一斉に「じゃあな」と言い残して、ダッーとそれぞれの家に帰ったという。
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若い子だけじゃ、なぜか面白くない。
若い子だけ呼べば楽しいんじゃないかと思いがちだが、不思議とそうでもない。若い子だけじゃどうもしまりがない。そこに存在感のある大きなお姐さんが一人いると、悪ふざけや気の緩みがなくなり、程よい緊張感が出てお座敷は面白くなる。
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花柳会のこだわり。
大塚製薬の接待なら念のため主力のオロナミンCを用意しておく。客がまさか料亭にあるわけないよなと思いつつ冗談半分で「オロナミンCある?」と聞いたときに即座に出せるように。そこまでするのが心地よさを売る花柳会のこだわり。