自動車部品メーカーのIT部門を舞台にした小説です。
この組織では以下のような問題を抱えていて、自分の職場状況と照らし合わせても他人事とは思えません。
・5分で済む変更のために20分かけて登録するのはアホ臭いと誰も使わなくなった変更管理システム
→何かを誰かが変えて何かが起こっても誰も状況を把握でき
...続きを読むない
・優秀な生き字引1人しか知らない部分の多いシステム
→開発でも運用でも生き字引に仕事が集中してボトルネックに
・障害など予定外の割り込み仕事に振り回されるスケジュール
→忙しさに追われ対処療法を繰り返した結果さらなる障害を引き起こす悪循環
・ただでさえ忙しいところに面倒を持ち込むセキュリティおじさん
→本当に必要悪なのか
・etcetc
抽象的で不文律な面が多い仕事というものを分割し、並べなおし、再定義することでコントロール可能なものとし、最終的には自動化により効率面でのブレイクスルーを果たす。。
職場では運用しつつ開発しているのでDevOpsと言われてもイマイチピンときませんが、会社の経営目的とITとの関係を整理するシーンを読んでいて、Devを弊社、Opsを顧客に置き換えると出来ることがあるかも…と感じました。(Opsって保守運用ではなくビジネスの方だったのね…って今更ながら)
小説なので小難しいことはなく、純粋に読み物として楽しめます。
年次を問わずお勧めできる(得られるものは異なると思いますが)本でした。