分けて繋ぐ、見立てる、巡る、奥へ、くずすずらす、組む、間をとる、透ける、光と闇、水を生かす、生けどる、墨絵の世界。
12のキーワードで建築家の目線で解説された京都本。
自分がよく知った場所が出ていたので、著者の言うことをイメージすることはできたが、キーワードによっては、「?」となってしまった。
目
...続きを読む線が自分とは異なるせいだろうか?
ただ、読み終わって、当たり前だったが、今まで気づかなかったことに気づいた。
それは、今、自分が見ているものは、時代を重ねた結果のものであること。
つまり、作られた時に意図されたものではないかもしれないということ。
西芳寺(苔寺)の解説で、「この苔は当初からの意図であったわけではなく、捨て置かれた庭か風化していくうちにできた(抜粋)」とあり、そのサブタイトルが『崩れてゆく中の美』だった。
それを読んで、改めて、自分が見ているものが、当時のものではないことを改めて思い知らされたとともに、朽ちて行く中でしか味わえない美を味わうことができるということに、ジーンとした。
改めて、再び西芳寺に行きたくなった。
私にとっては、リズミカルな文体ではないのか?結構読むのに時間がかかった。
でも、違う解釈を得ることができ、次回、その場に立つ時に自身が感じる感覚も、新たになっているだろうと思えたので、結構面白かったかも。