本書は題名から推測出来る様に、これからのテレビ・IT業界がメディアと言う側面においてどの様に変わっていくのかをテーマにした本です。
構成は4部からなり、第1部でサムソン、LG、Lenovo、ソニー、パナソニックの各社が開発に取り組んでいる次世代テレビの紹介や各社の狙いなどを解説している他、アメリカ
...続きを読む、ヨーロッパ、韓国、中国、日本の動画ビジネスの動向についても簡単に紹介。
第2部ではアメリカ、イギリス、フランス、韓国、中国の各動画サイトとその運営体等について簡単に列挙し、第3部では(第2部同様に)日本の動画サイトとその運営体等について簡単に紹介しています。
また、最終の第4部では関連資料として、モールスが電信を発明した1837年から2012年4月にIKEAが家具一体型スマートテレビを発表した時まで、欧米の動きを列挙した年表と、日本初のラジオ放送が行われた1925年から2012年5月ドワンゴが新サービス発表とともにサービス名称を変更した時まで、日本の動きを列挙した年表の2つの年表が記載されています。
この様にメディアビジネスを取り巻く世界各国の動向を簡潔に紹介した内容がメインの本となっており、グラフや表など客観データを用いた著者自身の手による業界の将来予測と言った内容はなく、代わりに未だ推測の域を出ないアップルのTVへのアプローチに対してやや断定的な推測が載っています。
本書の利用方法としては、今後の動画ビジネスやテレビ業界の行方等についてのレポートなどを書く時の参考資料としての利用や、あるいは本書を露払い的に使って重点的に調査する対象を絞り込むと言った使い方が出来るかも知れません。
#もちろん、世界のメディアビジネスの動きを俯瞰的に把握したい場合や単純に好奇心を満たしたいと言った場合でも充分役に立つのではないかと思います。
メディア業界に対して俯瞰的な視点で簡潔に記述したと言った感じの一冊です。