熱かった!面白かった!
ヒーロー打倒を目指す悪の戦闘員の物語、堂々完結。
もう少し読みたい部分は多いんだけど、作者として書きたいことは全て書き切ったのでしょう。
ダラダラと引き伸ばしが目立つ作品も多い中、しっかり終わることができるのもいい作品の証。
全巻ラストで捕まったニーイチの救出等いくつかの
...続きを読むイベントはあるものの、メインはやはりヒーローの打倒。
味付けは違うとはいえ、やっていることは1巻から変わっていない。
改めて思うと、飽きさせずに3巻連続で同じことをやるのって凄いね。
だからこそ3巻で完結なのかもしれないけど・・・。
今回も見どころが戦闘シーンなのは言わずもがな。
特にヒーローの登場シーン等、お約束を外さずしっかり盛り上げるのは見事としか言いようがない。
これでデビュー作のだからよっぽと文章力があるのかヒーローものへの愛があるのか。
「正義の味方の条件を知っているか?」
「悪よりも強いことさ。俺たちはずっとそうあり続けてきたし、これからもそれは変わらない。たとえ何があっても、最後には正義が勝つ。そうじゃないといけないだろう?だから俺は―」
「負けるわけにはいかないっ!」
「じゃあ悪者の条件は正義より弱いことかよ?」
「・・・最後には正義が勝つ?その最後を変えるために戦ってるんだろうが!くだらねぇ条件なんかどうだっていい!オレは勝ちてぇんだよ!!」
このあたりはすごく燃えたなー。
桜についても少しだけ。
黒野双一と話す桜。戦闘員21号と相対する桜。
きっと葛藤もあったのでしょう。
しかし、しっかりと自分の道を進んだ桜には拍手を送りたい。
1つだけ不満を挙げるならば。
エピローグはなー。なんか安っぽい寸劇のような気がした。もう少し何とかならなかったものか。
尺の問題ならその一つ前のシーンで終わらせてもよかったんじゃないか。
蛇足というか…もう少し何とかならなかったものか。
それでも、この作品が名作であることに変わりはない。
萌えや恋愛、コメディが流行っているこのご時世でここまで熱くなれる作品もなかなかないよね。
次回作も期待!