ひとつひとつが整っていなくていびつでもそこには作家の思いがある。大量生産には絶対にない「モノへの思い」が熱く、厚く詰まっている。子供の頃、父が焼き物好きで、ドライブとか旅行と称して、関東だと益子、関西だと信楽、備前、九州なら唐津と焼き物の産地に連れて行かれることが多かった。その後、何の因果か、美濃に
...続きを読むも住んだことがある。本の中のカラーに、良い姿の器にいかにもおいしそうな料理がのせられているものがある。器自体の良さを失わすことなく、むしろ、器を引き立たせている。遠い昔、父に言われた言葉を思い出した。「その器に合う料理が思い浮かんだのなら買ってもいいぞ。」