作品一覧

  • 日本の外交 ──「戦後」を読みとく
    5.0
    1巻935円 (税込)
    戦後日本の驚異的な復興と経済成長を支えたのは、軽武装・日米基軸主義の基礎を築いた吉田茂の外交路線であった。だが、憲法九条を堅持したまま日米安保条約を結ぶことでねじれを抱えた吉田路線は、左右の政治勢力からの攻撃にさらされる。その様は、日本の国家像が左右に分裂したことを意味していた。そこに潜む「戦後」の呪縛を解き、外交戦略を再設計するには、吉田による「中庸」の選択の意味を深く問いなおすことが不可欠だ。こうした視座から戦後日本の歩みに新たな光をあて話題を呼んだ『日本の「ミドルパワー」外交』を、刊行後十余年の展開をふまえ全面改訂した決定版。
  • 安全保障を問いなおす 「九条-安保体制」を越えて
    4.0
    1巻1,309円 (税込)
    日本の安全保障をめぐる議論がふたたび盛んになりつつある。だが右派と左派の議論はいつも噛み合わないし、実は中身もない。なぜか? 本書は、真の戦略をめぐる議論の実現を阻んできたのは「九条と日米安保の組合せ」だったとみる視点から戦後史をたどり、可能性のあった唯一の例として九十年代の日本の経験に着目する。 そこではリベラルな対外関係と憲法観の変化が生じていた――。 安全保障議論の不毛、左右の反目、過度の対米依存を脱するため、九十年代を参照し、戦争への反省に立った改憲を視野に入れつつ、近隣国との協力について明快で具体的な将来像を示す提言の書。
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想
    4.1
    1巻715円 (税込)
    戦後の日本外交は、憲法九条を維持したまま日米安保条約を結ぶという吉田茂の「中庸」の選択によって規定されてきた。しかしこの外交路線は左右両政治勢力から攻撃され、「平和国家日本」と「大国日本」という国家像の分裂をもたらし、時にそれが日本外交の足枷となってきた。本書は吉田路線の上を歩んできた戦後日本外交の主体性を「ミドルパワー外交」の視座から掘りおこす。ミドルパワー外交とは、大国との全面的対立を放棄しつつ、紛争防止や多国間協力などに力点をおく外交である。国際政治および戦後日本外交への深い洞察によって導き出された、等身大の日本外交を考えるための必読書。
  • 日本の外交 ──「戦後」を読みとく

    Posted by ブクログ

    日本の外交の特徴は異なるバックグラウンドを持って成立した憲法9条と日米安保のねじれの元で成り立っているということであり、そのねじれを所与として右派左派問わず実際の外交は吉田ドクトリンの延長に帰着する。
    本書を読んで日本外交の実態と認識の間の差異に関する著者の意見が明瞭に分かりました。著者の提案する、ミドルパワー外交という概念についても納得のいく結論に思われます。
    戦後外交史を概観できる本ですが、著者のミドルパワー外交論のサポートを念頭に入れた外交史解釈とも見えるので、あくまで一論として受け取るべきでしょう。

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    2018年01月18日
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想

    Posted by ブクログ

    「この本(日本のミドルパワー外交)読まざるもの、添谷ゼミ生にあらず」と言う名言があるほど、添谷ゼミに所属する学生としては必読の一冊。
    添谷研究会を志す方は、是非読んでみてください。

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    2013年06月30日
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想

    Posted by ブクログ

    ▼自ら「ミドル・パワー」などと称して恥ずかしくないのか、と言う人もいるだろう。だが、身の丈をわきまえた身の振り方を心掛けることは、国際社会を巧く生き抜いていく上で賢明な判断でもある。
    ▼吉田茂の現実主義的な視座から編み出された軽武装・経済重視路線こそ、戦後日本外交の根底にある思想である。「最小限の」軍事力に抑えることなしに、戦後復興、高度経済成長は迎えられなかったことだろう。
    ▼しかし、その原動力の両輪を担った戦力の保持を謳う憲法9条と日米安保は互いに相反する存在である。そして、日本という国が自信を取り戻していく中、日本人は「独立心」を実感できずにいる。
    ▼果たして私たちはどこへ向かいたいのか

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    2011年08月12日
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想

    Posted by ブクログ

     本書の言うミドルパワー外交とは、大国外交とは異なる選択肢のことを指す。もちろん、これは対義語ではない。

     戦後日本は、占領-独立期に選択した吉田路線が、55年体制によって定着していった。しかし、現実主義的な外交感覚から発したとはいえ、吉田が採った日米安保の路線は左右両派からの反発を招き、そして日本国民に健全な独立心を根付かせることに失敗した。
     極めて妥当な選択であるはずの日米安保が、55年体制の中で、いつも違和感を覚えなければならなかったところに吉田路線のねじれが存在すると著者は言う。

     1960年代における吉田路線の定着→吉田ドクトリンの醸成は、ニクソンショック以降の外交関係の大転換

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    2010年02月08日
  • 日本の「ミドルパワー」外交 ――戦後日本の選択と構想

    Posted by ブクログ

    ミドルパワーとは、ハードパワーでもソフトパワーでもない外交のあり方(=具体的には国際協力)であって、日本は戦後ミドルパワー外交を推進していくような方向にずっと向かっていったのではないか、というのが本書の議論である。
    その基本路線として、日本にはずっと吉田茂が規定した外交基準、つまり、日本国憲法と日米安全保障があった、というものである。
    そして、日本は伝統的主権国家を論じる人や、平和主義路線という、極端な意見の対立ばかりが露呈し、正当な中立主義が生まれにくかったとするものである。
    その流れから言えば、現代の日本外交はある程度適切な方向へ向かっていると言える。日本にぴったりなのは平和外交なのか?平

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    2009年10月04日

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