前著的な位置づけになるだろうか「攻め切る―指揮官西野朗の覚悟」では、フォトブックのような形であったが、本書は西野氏の執筆となっている(もちろんGwかもしれないが)
内容は4章構成で、1章は監督に3つの必要な能力として、洞察力、コミュニケーション力、想像力を挙げている。2章では、監督の采配とフロント
...続きを読むを含めたチームマネージメントについて、3章では主にG大阪監督時代の采配、補強などがメインだが、オリンピック監督時代、柏監督時代などを含めてコンセプトの大切さを説いている。4章は、神戸監督のシーズン途中就任、解雇、日本代表についての考えを述べている。
西野氏と言えば、オリンピックドン引きサッカー、柏時代のこれからというときの解任、G大阪の攻撃サッカーなどがあげられると思うが、本書では意外にいろいろとバランスをとろうとしている姿が興味深かった。しかし、神戸でカウンターサッカーが払拭できなかったように、伝統や選手の癖はなかなか抜けないのも事実だと思う。その意味では、G大阪時代は相思相愛のよい時代だったとも感じた。
また、いろいろと練習メニュー等を変化させるよりも、変化させないことのルーティーン化によって、安定化を求めていることもわかった。この仕事は結果がすべてなので、何がよいかは結果がすべてを物語るのだろうが、いろいろ考えての西野スタイルだったんだと思った。
2014年は、久しぶりに久米GMと名古屋の監督としてタッグを組む。西野式のスタイルがどのようになるのか、注目していきたい。