ロボットに携わるエンジニアには非常に興味深い内容。似せることから始まったロボット研究。その構造は力学的と幾何学の制約に支配され、結局は生物と同じような機構をとらざるを得ない。しかし・・・。生物、つまり神がつくったものを真似るのではなく、それを超えることができることに気付く。例えばモータの存在。生物が
...続きを読むもっていない(バクテリアの鞭毛モータがあるが)回転機構は、例えばジェットエンジンの様に生物の力を超えるものができる。生物は38億年の歴史の中で進化し現在の機構に変化してきたが、四肢系と六肢系に分かれた以降はマイナーチェンジである。材料も細胞分裂という現地生産が基本のため、不安定な材料を使わざるを得ない。馬の骨は速く走るために強度を高めた結果、再生ができない。生物がロボット化した場合のわかりやすい例であろう。一方でロボットは、フルモデルチェンジが可能な点で、生物と大きく異なるのである。我々は神の作った生物から謙虚に学ばせて頂く一方で、ロボットの独自の方向性を考えていく必要があるだろう。結果的に生物と同じ進化に行きつくのかもしれないが・・。部分的には神を超えたロボットがこの世にどのように存在していくのか。生物はカンブリア紀(5億4200万年~5億3000万年前)の間に突如多様化した。科学技術はひとつの発見や発明がきっかけで大きく展開するもの。ロボット工学も一挙にカンブリア紀に突入するかもしれない。将来どのようなロボットとの社会が待っているのか楽しみでなりません。