"平日は東京で勤務して、週末は南房総で里山に囲まれて過ごす一家の成長物語。
きっかけはご自身の子どもの好奇心に刺激されて、希望にかなった物件探しから始まる。
夫婦共働き、お子さんが3人。ご夫婦お二人は企業に勤務しているようだ(この本の主題は週末の田舎暮らしなので勤務先についてはあまり語られていない)
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田舎暮らしにあこがれている人は必見の書。自然との共存は地域ぐるみの協力が大切で、田舎ではそれが当たり前で濃厚な近所付き合いとなっている。そこで暮らすにはある意味覚悟が必要。
本書はこうした苦労話にもふれるが、多くは母と子の成長物語のようなもの。その時々に感じた心の動きや子どもたちの行動が語られる。
都会のマンション暮らしから見比べると、広大な土地を維持することになる。土地を維持することとは、草刈り、田畑の管理(簡単にサラリーマンが農地を購入することはできない。諸条件を整えながら数年単位での取得になる。)、竹林や里山の管理、水の管理などなど、体力が必要な作業がある。必ず毎週南房総に行けない。子どもの行事や仕事の関係で東京で過ごす場合もある。最低でも隔週でと決めているようだ。2週間経つと家の周りは草だらけ。自然の中で暮らすこととは、人間と自然で折り合いをつけながら暮らすこと。草刈りしないとすぐに廃墟のような場所になってしまう。草木だけではなく、自然に生きる昆虫や動物とも折り合いをつけながら暮らすことになる。コンクリートに囲まれていると想像もしえない作業が無限にあるのだろう。
それでも、私は里山で暮らすことの魅力は尽きないと感じている。
房総半島のどこかで、いつかは・・と漠然と考えていたが、そろそろ重い腰をあげても良いころか?
著者の馬場さんに勇気をもらった気がする。良書をありがとう。"