作品一覧
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-“親愛なる読者諸君、人生とは、単調な出来事の連続である。そこには、予想外の出来事というものは存在しない”(クラリムンド・ロッショ) 20世紀初頭のブラジル、南部の州都ポルト・アレグレ。そこは、実に様々な人間が行き交う人生の“十字路”である。そこで生きる誰もが例外なく、各人生の主人公であり、“不平等”に生まれ、“平等”に死んで行く。 僅か5日間の生活の中で、人々は大なり、小なり、その“十字路”で交差する。それは我々、読者も同様に、物語を通して、登場人物、ひいては作者と交差していることに他ならない。 人間愛溢れる作家エリコ・ヴェリッシモによる、“人間シンフォニー”、“人生カリカチュア”が今、幕を切って落とされる。
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-アルブケルケ家の家長であり、クラリッサの父親であるジョアン・ジ・デウスの死で幕が開ける、“クラリッサ連作”の第三弾。全ての忌まわしき過去を打ち捨てるべく、生まれ故郷ジャカレカンガを離れ、州都ポルト・アレグレへと旅立つクラリッサとその母親クレメンシィア、それに従兄のヴァスコ。 大きな夢と希望を胸に抱いて、新たな地に身を置くも、そこでの生活は想像を絶する過酷なものであった。若きクラリッサとヴァスコは、醜悪とも言える現代社会を生きる、実に個性的な面々との出会いを通じて、成熟した大人へと成長して行く。 作家エリコ・ヴェリッシモが常々、「この世に不要な人間など存在しない」と声を大にして叫んでいた、全ての人間に対する愛情、同情溢れるメッセージが込められ、その人間模様を見事に描き切った“クラリッサ交響詩”の最終楽章のタクトが、今、振り下ろされる。