麻生圭子の『京都早起き案内』を読む。早起きすると京都は面白いという話です。旅先での早起きは大変です。東山に住んでいる著者が調べた早起きの効能が13章で70箇所以上が取り上げられています。特段珍しい場所というか穴場はありません。早起きすると、例えば冬の三十三間堂なら「わずかな開口部から差し込む自然光。
...続きを読む雲のせいで、途切れたり、強くなったり、それに合わせて、観音さまたちは、ぽーっと浮かび、ふっと消える」。エッセイ風の観光案内です。しかし、早起きしてもダメなところも書いてあります。渡月橋へ「誰もいないときにと、錦秋の頃、早朝の七時に訪れたことがあります。それでもだめでした。一眼のカメラを持った人たちで蟻塚ができていました」。そうなるとどんな人が読むのがいいのか。中途半端な場所の説明は省いて、ワンカットに徹した方が良かったと思う。落柿舎については「ここはやはり柿の実がなる頃の、夕方に訪れるのがいちばんかと思います」なんて言ってます。早起きせんでも済むわ。