≪2024年1月合併号≫月刊 書店員すず木

≪2024年1月合併号≫月刊 書店員すず木
この道10年以上のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

今回は合併号として特別に2023年11月と12月に配信された新作マンガからご紹介します!!

※セーフサーチを中またはOFFにすると、すべての作品が表示されます。

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今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • 君と宇宙を歩くために(1)【ブックライブ&ブッコミ限定特典イラスト付き】

        君と宇宙を歩くために(1)【ブックライブ&ブッコミ限定特典イラスト付き】

        勉強もバイトも続かないドロップアウトぎみなヤンキーの小林。ある日彼のクラスに変わり者の宇野が転校してくる。小林が先輩から怪しいバイトに誘われているところを宇野に助けられ、その出来事をきっかけに2人の距離は縮む。宇野のことを知れば知るほど彼の生き方に惹かれ、自分も変わろうと行動する小林だったが…...

        「普通」ができないふたりがそれぞれ壁にぶつかりながらも学校生活をおくる、今の時代を象徴とする青春マンガ!!

        金髪ヤンキーの小林は、みんなが簡単そうにやっていることも間違えてばかり。中々上手くできません。そのためバイトも続かず、勉強もドロップアウトぎみ。
        そんな彼のクラスに宇野啓介が転校生としてやってきます。
        彼はちょっと変わっていて、常に声が大きく、汚れたノートを常に持ち歩き、独り言を言ってずっと笑っています。
        彼は記憶するのは得意だが、同時に複数のことをこなしたり臨機応変が苦手。その他にも苦手なことがいっぱい。
        彼の姿を見て「ヤバイ奴がきた…」と思う小林ですが、ふとした出来事で距離が縮みます。

        そしてある日、小林の幼なじみである朔が宇野をからかう事件が。
        宇野を心配し一緒に下校した小林は、宇野が家で号泣している姿を目の当たりにします。
        彼が常に持ち歩いているノートに「悔しくても泣くのは家に帰ってから」と書かれているのを見た小林はショックを受け、いつもニコニコしている宇野の心の内を知るのです。

        自分をからかったり怒ることもなく普通に接してくれる小林に特別な感情を抱いた宇野。
        宇野のまっすぐな言動に変な奴と思いながらもどこか尊敬している小林。
        苦手なことが多いふたりが送る瑞々しい青春物語です!
        昨今「生きづらさ」という言葉をよく耳にします。
        ですが「生きづらさ」と言っても具体的には人それぞれ。
        実際に「生きづらさ」を感じていても、何がどう生きづらいのか言語化できず、余計にイライラが募りより生きづらくなることもあるのではないでしょうか。
        この物語はそんな言語化できないモヤっとする生きづらさをひとつずつ紐解いてくれるのです。

        物語の中で宇野は自分のことを
        「わからないことがある時は一人で宇宙に浮いているみたい」と表現します。
        そして、「でも宇宙を歩きたい!」と。
        その言葉に衝撃を受けました。確かに宇宙空間に一人になったらもの凄く怖いし混乱しますよね。
        それでも歩きたいと思う宇野の強さに心が震えました。

        「人と同じように生活するのに、工夫が必要な人もいる」ということを知った小林も影響を受け、自分自身としっかりと向き合うように変化していきます。

        優しさと工夫で少しずつでも彼らが楽しく過ごせるようになりますように、そう願わずにはいられません。
        そしてタイトルの通り、ふたりが宇宙のような不安な状況でもしっかりと歩いていけるよう成長する姿を見ていきたいです。
        時代が変化している「今」だからこそ描けた物語をご堪能ください。
      • 思春期姉弟 1巻 <電子版限定特典付き>

        思春期姉弟 1巻 <電子版限定特典付き>

        「精通」したのは気になるあの子のせいなのか、それともあの子の○○のせいなのか…? 中学生男女双子の思春期に、ピュアな天使(フェチ)が訪れた!? 実力派新人・みそくろが贈る健全(?)フェチ覚醒コメディ第1巻! 「オレってなんだろう…」 一人称を“ぼく”から“オレ”に変えるタイミングを悩む中学生...

        自分の変化を感じる思春期。己のアイデンティティの確立と共に訪れる、性癖の覚醒!双子の男女によるフェティッシュコメディ!!

        一人称を“ぼく”から“オレ”に変えるタイミングを悩む中学生・日野陽介(ひのようすけ)には双子の姉・みかげがいます。
        自分の思春期の変化をみかげには絶対気づかれたくない陽介。
        変わりたいけど、気づかれたくない…そんな相反する感情にモヤモヤする毎日を送っていました。
        そんな陽介の前に現れた、ぽっちゃり女子の転校生・望月恵(もちづきめぐみ)
        彼女のお尻に“ムチンっ”と手を踏まれてしまった陽介は、その感触が頭から離れなくなり、ついには精通という大人の階段をのぼることに…!!
        大人の体への変化と自分のフェチの覚醒に戸惑う彼を尻目に、みかげは双子で入れ替わって学校に行こうと提案してきますが…!?
        男子には負けたくないと思っていたみかげ。
        そんな彼女もふとした出来事で教師の間 晃平(はざま こうへい)に恋をし、彼の手にえも言えぬ感情を抱くのです。

        更に、陽介が気になっている望月さんも、男女の双子の姿を見てなにやらフェティシズムの扉が開いた模様…。

        この物語の凄いところは、ただのフェチをテーマにしたエロを描いている訳ではなく、あくまで思春期を迎えた少年・少女たちが、どういった性癖に目覚め・自覚し・受け入れ・開花させていくのかを描いているところです!!

        描くのは新人作家のみそくろ先生。
        新人とは思えぬ描写力とキャラクターの表情の豊かさです。
        またフェティシズムの表現も非常に個性的。
        登場人物それぞれが思春期を迎え、心と体が大人になっていく中で覚醒するフェティッシュの世界が瑞々しく、かつ大胆に描かれています。

        彼ら彼女らの成長と共に、開花していくフェティシズムをじっくり味わってください。

        そして、思い出してください。
        あなたのフェチが目覚めたキッカケは何でしたか?

少女・女性マンガ

      • 火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています 1

        火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています 1

        絢爛豪華な大正結婚溺愛ファンタジー! 強い異能を用いて神々を喜ばせる巫(かんなぎ)の家に生まれた令嬢・小夜。 だが、その能力は弱く、義理の母や姉に迫害され、 やがて異界の猩々(しょうじょう)に売り飛ばされてしまう。 売られた先で、小夜は醜く忌み嫌われている神・鬼灯(ほおずき)と出会うが、 ...

        虐げられ令嬢系ファンタジーの新星!!大正ロマンあふれる神様と人間とのキラキラ溺愛DAYS!!

        強い異能を用いて神々を喜ばせる巫(かんなぎ)の名家に生まれた令嬢・小夜(さよ)。
        父の再婚をキッカケに優秀な異能をもつ異母妹や継母に使用人のように虐げられていました。
        ある日、小夜は濡れ衣を着せられ異界へと売り飛ばされてしまいますが、ひょんなことから火の神である鬼灯(ほおずき)のもとへ、花嫁という名の掃除人として嫁ぐことに。
        特別な異能を持たない小夜でしたが、唯一物の声を聞くことができる「蝶の耳」の力で鬼灯の役に立てるよう頑張りますが、あくまで自分は「掃除人」。しかし鬼灯は掃除人としてではなく「花嫁」として接したいようで…!?

        呪われたワケあり神様と、虐げられ令嬢の溺愛生活スタートです。
        浅木伊都先生によるラノベ『火の神さまの掃除人ですが、いつの間にか花嫁として溺愛されています』を原作とし、『君がブルーバード』や『恋人は旦那さま』の山田こもも先生がコミカライズ!!

        とにかくどのページも絵が華麗!!
        ページをめくる度にうっとりしてしまいます。
        大正時代の世界観にファンタジー要素が加わり、画面からキラキラが溢れ出てきそうです。

        小夜を娶ることになった鬼灯は周りから「醜い」「穢れている」と忌み嫌われていますが、小夜の目には美しい男性にしか見えません…。
        「俺の顔は醜いだろう?」と顔面アップで迫る鬼灯に、「そんなワケあるかーい!!」とツッコミを入れてしまったのは私だけではないハズ。
        しかし彼の本当の姿はどうも違うようで…。そのあたりは今後少しずつわかってくるようですが、気になります!!

        さらに注目シーンは1巻で鬼灯が着替えをするシーン。どう見ても「ムー●・プリズムパワー・メイクアップ!」状態。キラキラが迸っております。
        何を着ても似合う鬼灯。今のところほぼ和装ですが、洋装も見てみたい…!!

        鬼灯がいかにカッコイイかを語ってしまいましたが、小夜の健気さと可愛らしさも是非お伝えしたいところ。
        主人公の小夜は虐げられてきた令嬢のため自己評価が低いのですが、それでも自分にできることを…と一生懸命掃除をしたり料理をしたりする姿を、応援せずにはいられません。
        「私なんて…」となりがちな彼女ゆえ、鬼灯が小夜を溺愛していることも気づいていません。
        鬼灯の思いが空回りしている姿も可愛いし、無意識に振り回している小夜も可愛い!!

        “可愛い”と“キラキラ”と“きゅん”が詰まった虐げられ令嬢の大正ファンタジー作品の新星誕生です!!
      • 推しは自分です。

        推しは自分です。

        VOCEウェブサイトの大人気の連載が書籍化! 主人公は、3人のアラサー女性。死に物狂いの努力で垢抜けて初恋をやり直す美容女子、彼氏からモラハラを受けて過激なダイエットに走るぽっちゃり女子、美容系インフルエンサーとして活躍するバリキャリ女子……。それぞれが美容を通じて変化していく様子を、SNSを...

        自分磨きは誰のため?人のためではなく自分が楽しく生きるため!!美容を通じて変化していく女性たちを描く共感度120%作品!!

        主人公は、3人の女性。
        死に物狂いの努力で垢抜けて初恋をやり直す美容女子、彼氏からモラハラを受けて過激なダイエットに走るぽっちゃり女子、美容系インフルエンサーとして活躍するバリキャリ女子。
        一人目の主人公、馬場 茜(ばば あかね)は、高校時代の初恋の人ノアくんを未だに想う23歳OL。
        ですが、高校時代の彼女は「バケモンの馬場さん」と呼ばれていました。
        それが悔しかった彼女は死に物狂いでお金を貯め、ダイエットや歯列矯正、肌治療、メイク、美容医療とできる限りの努力をし、見事誰から見ても美しいと言われるまでになりました。
        そしてノアくんと再会するのですが、高校時代の同級生であることを隠し初対面として接するのです。
        しかし、ふとしたキッカケで彼女が「バケモノの馬場さん」であることがバレてしまい…。
        VOCEウェブサイトで連載され大人気となった今作。
        描くのは山科ティナ先生。
        女性の心の些細な機微を鮮烈に描きます。

        「バケモノの馬場さん」であることが周りにバレ、「整形した?」と揶揄された時に茜が言った
        「化粧して課金して綺麗になる努力をして ようやくマイナスを0に戻していってるの」
        「わたしの容姿をとやかく言う筋合いはない!」
        というセリフに、よく言った!!!と思わずにはいられませんでした。

        他にも茜の友達のブリちゃんは、モラハラ彼氏のせいでダイエット沼へ…。
        ノアくんのビジネス繋がりで茜と知り合った白鳥 エレナは美容インフルエンサーとして活躍する女社長。あらぬ噂により中傷を受けることに…。


        登場する女性陣が、女性が憧れる女性でありつつも、自分と照らし合わせて「ありえる…」と思うシチュエーションばかり。
        そんな彼女たちが必死に生き、幸せを掴もうとする姿に励まされます。

        エレナの「誰もが自分自身を愛せる世界にしたかった」というセリフは、全女性に贈りたい言葉です。
        この作品を読んで救われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
        美しくあることが全てではありませんが、自己評価を他者にゆだねないことの大切さを教えてくれる作品です。

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

最近の書店員すず木:12月号更新できず申し訳ありませんでした…。
その分大ボリュームで1月号をお届けします!
2024年もよろしくお願いいたします!!

そして来月はブックライブの周年記念月間!!
色々な企画に向けて奔走しておりますのでお楽しみに。

新規会員限定半額クーポンプレゼント