≪2023年7月号≫月刊 書店員すず木

≪2023年7月号≫月刊 書店員すず木
この道10年以上のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

※セーフサーチを中またはOFFにすると、すべての作品が表示されます。

新規会員限定半額クーポンプレゼント

今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • 私刑執行人~殺人弁護士とテミスの天秤~【電子単行本】 1

        私刑執行人~殺人弁護士とテミスの天秤~【電子単行本】 1

        あなたは、裁判を信じますか? 凄惨な事件の前で、なすすべなく被害者は泣き崩れる。裁かれない加害者。報われない遺族。人権とは?正義とは?公平性とは? 法を司る一人の悪魔が、暴虐と異常性の限りを尽くし裁きの鉄槌はくだされる! 「半グレ」「ごくちゅう」草下シンヤと「黒羽白書」内田康平、強力タッグ結成...

        本当の贖罪とは何か…!?法で裁ききれない罪人達に鉄槌を下す新たなダークヒーロー登場!!

        殺人鬼の物語はお好きですか?

        この物語の主人公 霧島司(きりしま つかさ)は無罪仕事人と呼ばれるほどの敏腕弁護士。
        世間が注目する残虐極まりない“自白なき物証なき事件”の犯人である青木雅人(あおき まさと)の弁護を行い、見事無罪を勝ち取ります。
        霧島弁護士は世間や被害者遺族によるバッシングに対しても「自分の仕事は青木さんの無罪を証明すること。自分の仕事をしただけ」とまるで人の心がないかのような発言をするのですが…。
        彼には裏の顔があったのです。
        実は遺族から依頼された、法で裁ききれない悪人に対し私刑裁判を行う殺人鬼!
        無罪にした青木も、無期懲役が確定したら死刑にできないという理由で無罪にしていたのです…!!
        登場する罪人たちはどれも、どうしてこんな奴がのうのうと生きているのか!!と思ってしまう中々の悪人ぶり。
        法の裁きとは一体…裁判とは誰のための制度なのか!?と思ってしまいます。
        やはり悪人には法で裁きを下すのではなく、目には目をの理論で立ち向かうしかないのでしょうか。

        霧島は彼自身も被害者遺族ということが明かされていますが、そんな彼が何故弁護士という職になってまでも私刑殺人を行うようになってしまったのか…!?
        法という正義を見てきたからこそ、そこに限界を感じてしまったのか…気になるところです。

        霧島に憧れる新人弁護士 益田航太(ますだ こうた)も気になる存在。
        彼は弁護士としての霧島を尊敬しており、思いが高じて霧島法律事務所で働くことに。
        正義感溢れる益田ですが、彼もまた被害者遺族。
        もしかすると私刑殺人を行う前の霧島的存在として益田がいるのかもしれません。
        霧島の裏の顔を知らない彼が真実を知ったらどうするのか!?
        益田の今後にも注目です!

        原作を担当しているのは『半グレ―六本木 摩天楼のレクイエム―』(秋田書店)・『ハスリンボーイ』(小学館)・『ごくちゅう!』(講談社)でマンガ原作を務め、『地元最高!』(彩図社)の担当編集者でもある草下シンヤ先生。
        裏社会のことはこの人に聞け!というくらい、色々な情報を発信されていらっしゃる方ですが、今作では今までの裏社会作品とはまた違った世界観を打ち出されている気がします。

        マンガを担当するのは『黒羽白書』(秋田書店)・『東京傭兵株式会社』(講談社)の内田康平先生。
        報復シーンなど残虐な場面をただグロく描くのではなくドラマティックかつ読みやすく描かれています。

        今作は、無差別殺人ではなくどちらかと言えばシリアルキラーがお好きな方におすすめです。
        また復讐代行といったテーマがお好きな方には是非読んでいただきたい作品です!

少女・女性マンガ

      • ホタルの嫁入り 1

        ホタルの嫁入り 1

        愛が重い殺し屋×華族令嬢…命がけ結婚物語 時は明治。 家名にも美貌にも恵まれるも、余命わずかと言われている伯爵令嬢・紗都子の夢は、家の利益になる結婚をすることだけ。 突如、謎の殺し屋に命を狙われた紗都子は、その場を生き延びるために殺し屋・後藤進平に提案をする。 「私と結婚してください――...

        『プロミス・シンデレラ』の橘オレコ先生が描く、愛が重い殺し屋×華族令嬢の契約結婚ラブサスペンス!!

        家名にも美貌にも恵まれるも、余命わずかと言われている伯爵令嬢・桐ヶ谷 紗都子(きりがや さとこ)。
        家の重荷となっている自分のことを愛してくれている父親のためにも、家の利益になる結婚をしなければと思っていました。
        そんなある日、出かけた町で見知らぬ男たちに攫われ殺し屋に命を狙われてしまいます!!
        紗都子はその場を生き延びるために殺し屋・後藤進平(ごとう しんぺい)に自分との結婚を提案します。
        自分のことを恐れない紗都子に興味を持った進平は、彼女を連れ脱走を図りますが…。
        紗都子は無事逃げおおせるのか?進平と本当に結婚するのか!?
        ドキドキの契約結婚ラブサスペンスです!
        『プロミス・シンデレラ』の橘オレコ先生最新作は、明治を舞台にした命がけの契約結婚!!
        物語展開のテンポのよさや、シリアスとコミカルのバランスが絶妙です。

        そしてなによりもキャラクターが魅力的!!!
        主人公の紗都子は体が弱い上に伯爵令嬢という立場のため今までは安全な環境で守られてきました。
        それなのに突然命を狙われ、自分の身は自分で守らなければならないという過酷な状況に陥ったにも関わらず、諦めることなく心が折れることもなく悲観せずに必死に考え実行する芯の強さがあります。
        努力ができて努力することを誇りにできる人に惹かれがちな私、紗都子の強さに魅了されました。

        殺し屋の進平には、登場シーンで心を鷲摑みにされました。
        闇が広がる目!虚ろな笑顔!性癖にぶっ刺さりました。最高です。
        更に内面もかなり歪んでいて、容赦なく人を斬り殺すのにどこか精神的な幼さを感じるアンバランスさ。たまりません
        紗都子の愛情を確かめるようなことを言ったり、紗都子が怒るとすぐ機嫌をとろうとするところなど、まるで幼子のよう。
        人として何かが欠落している感じがとても良いです。

        ラブストーリーとしてのきゅんきゅん感はもちろんのこと、紗都子の命を狙うのは誰なのか?というミステリーとしてもスリリングですし、殺し屋との契約結婚が今後どうなるのか?二人は逃げきれるのか?というサスペンス要素も見逃せない、様々な切り口で楽しめる作品です!!

        WEB広告も話題になっており、一度は目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
        読んで損はない作品です!是非いまのうちから読み始めてください。

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:伏黒甚爾が好きです。

新規会員限定半額クーポンプレゼント