≪2021年12月号≫月刊 書店員すず木

≪2021年12月号≫月刊 書店員すず木
この道10年のプロ書店員・すず木です!
前月に配信された新作マンガで実際に読んで面白かったものの中から<少年・青年マンガ><少女・女性マンガ>それぞれ1作品を勝手に「今月の書店員すず木賞」としてご紹介!

※セーフサーチを中またはOFFにすると、すべての作品が表示されます。

新規会員限定半額クーポンプレゼント

今月の書店員すず木賞

少年・青年マンガ

      • 降り積もれ孤独な死よ(1)

        降り積もれ孤独な死よ(1)

        累計100万部超の大ヒットクライムサスペンス『親愛なる僕へ殺意をこめて』コンビ最新作。富字山南警察署の刑事・冴木仁は空き巣の通報を受けて、とある屋敷へ。ところが、調べを進めていく中で、衝撃の事実が判明。捜査陣に戦慄が走る。血塗られた狂気と対峙する刑事を描く、激情と慟哭のノワールサスペンス、開幕。

        サスペンスマンガ好きにオススメしたいノワールサスペンス、開幕!!

        物語は自称エリート刑事・冴木仁(さえき じん)が窃盗の通報を受け訪れた豪邸で、地下室に監禁され餓死した子供たちの遺体13体をみつけることから始まります。
        屋敷の中にあるのは贋作の絵に造花など、偽物だけ。
        そんな豪邸の持ち主は灰川十三(はいかわ じゅうぞう)という男ですが、現在は行方不明。
        警察は灰川が犯人とみて全国指名手配します。
        すると、そのニュースを見て灰川の娘と名乗る女性が現れます。
        彼女の話では、灰川は育児放棄や虐待を受けている子供たちに生きる術を教え、一緒に生活をしてくれる良き父代わりであったので犯人なはずがないと言うのです。
        彼女以外にも灰川が育てていた19人の子供たちの内5人が生きていることがわかり、(収監されている1人を除き)各々に事情聴取するもその子供たち全員「灰川十三は犯人ではありません」と言います。

        事件を調べていく内に発覚する様々な事象に、冴木は子供たちを殺したのは本当に灰川なのか解らなくなっていきます。

        描くのは『親愛なる僕へ殺意をこめて』の井龍一先生と伊藤翔太先生のコンビ!!
        前作に続き、今回も極上のサスペンスとなっております。
        マンガでありながら、まるで映画を見ているかのようなシーン展開になっており、物語を俯瞰の視点で見せつつも登場キャラクターの視点を織り交ぜることで、グイグイと物語に惹きこまれます。

        屋敷にあった調度品も偽物、住人達も偽物の家族ということで、今のところ全て“偽物”で成り立っている第一容疑者の灰川。一体何が“本物”なのか…。
        物語が進むほど謎が謎を呼ぶノワールサスペンスとなっており、今後の展開が気になって仕方ありません。

少女・女性マンガ

      • ジーンブライド(1)【電子限定特典付】

        ジーンブライド(1)【電子限定特典付】

        【電子限定!描き下ろし特典ペーパー&雑誌掲載時のカラー扉収録】 [私の少年]の高野ひと深最新作! ヤマシタトモコ氏推薦!!! 【一緒に戦おう。クソみたいな世界でもがく私たちのクソみたいな毎日を知っている「私たち」がこの中にいる。】 女であるゆえの生きづらさに、日々新鮮に絶望する諫早依知(3...

        生きづらさがテーマの物語と思って読むと、予想を裏切られる展開に…!!

        主人公は、毎日生きづらさに絶望している諫早依知(いさはや いち)。
        ある日彼女の前に同級生を名乗る正木蒔人(まさき まくひと)が学生時代のお礼を言いに現れます。
        ですが依知には全く心当たりがなく…。
        女性ならではの生きづらさエピソードとして、仕事でインタビューをした男性の映画監督と上映会で再会した際、一緒にいた蒔人が依知と同じことを言っているにも関わらず反応が全く違っていたり、依知に対しては服装のことしか覚えてもらっていなかったというものがあります。
        その他にも女性にとって“あたりまえ”となっている“生きづらさ”で依知は少しずつダメージを負っていきます。
        マイペースな蒔人に対しイライラをぶつけてしまう依知ですが、彼も生きづらさを抱えている人だったのです。

        女性としての生きづらさと戦っている依知や、イレギュラーな事態に弱い蒔人など、多様性が叫ばれる現代にマッチしているキャラクター達に注目いただきたいですが、そんな生きづらさを感じている人たちのライフスタイルマンガと思って読み進めると衝撃の展開が待ち受けています。

        ラブストーリー・お仕事マンガ・トレンディな物語・ミステリと、色々な切り口から楽しめる作品です。

こちらもオススメ!!

惜しくも今月の書店員すず木賞からは漏れたものの、オススメの作品をご紹介!!

書店員すず木

2005年より電子書籍サイトの仕事に携わる、この道10年以上のプロ書店員。
年間に読むマンガの冊数は2000冊以上。
「面白いマンガを多くの人に読んで欲しい」をモットーに、オススメのマンガをご紹介します。

最近の書店員すず木:年末は数の子の塩抜きに勤しみます!!お節は作らないのですが、数の子だけは…!!

2021年最後の「月刊 書店員すず木」です!
今年も1年数々の作品をご紹介してきましたが、新たな作品と出会えましたでしょうか。
「年刊 書店員すず木2022」も公開しておりますので、是非チェックしてください!!
来年もよろしくお願い致します!!

新規会員限定半額クーポンプレゼント