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惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。人間以外の理性との接触は可能か?――知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版
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Posted by ブクログ
すごい。 ハードSFで全編走るのかと思ったら、想像以上に多層的なスルメ小説だった。 学術的な科学の知見をフルに使ってSFの「リアリズム」を構築している。 愛の物語ではあるが、ノスタルジックに埋没していることを本人が自覚してるゆえのヤバさがある。
SF文学の偉大な傑作。伝え聞いていたよりはるかに首尾一貫とした話で、コンタクトというテーマを様々な角度から見事に描き出し、安易な解決を決してつけず、何よりその奥行きの深い掘り下げに、完全に圧倒されました。素晴らしい作品と出会えて幸せです。
ファーストコンタクト三部作『ソラリス』『砂漠の惑星(インヴィンシブル)』『エデン』 原作を読んだのは中学生の時で細部は覚えていないものの、私の価値観に稲妻の一撃を与えた一作。 この本のお陰で宗教や不可知論に傾倒していったので間違いなく個人的インパクトファクター。 緻密に練られた設定、惑星ソラリス...続きを読むの謎、終盤で提示される新たな神と奇蹟。 人間的な物差しで推し量れない「究極的他者」(ソラリス)とは、人間至上主義に対するアンチテーゼであり、地球上の枠組みを超越した存在である。 人類(地球)の延長線上における生や死、愛といった人間的概念をこの銀河に当てはめる試みは果たして可能なのだろうか?
本作を読む前にタルコフスキーとソダーバーグの映画どっちも観ていて別に特別好きな作品というわけではなかったのだが(というかあまり覚えていない)原作のほうはかなりおもしろかった。タルコフスキーの映画の方は映像は綺麗だったけど全体的にセリフが少なくてケルヴィンらにあまり人間味を感じないような印象があった ...続きを読む本作で好きな部分はステーション内の人間模様とソラリス学のところで映画版はそこがどちらも削ぎ落とされているから(仕方ないが)そこまで刺さらなかったのだろう。名前を忘れたがヘリコプター運転手のソラリスがでかい子供やら庭を作り出したって話はとても不気味で良かった 現代のCGかなにかで対象体の映像でもみてみたいものだ。でも想像だからいいのかもしれないね
ソラリスという惑星。 この惑星は、二つの太陽のまわりを回っているそう。 太陽が2つ…⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅ )⁝ 『ソラリス』には、意思を持った知的生命である『海』が広がっています。 私達が想像している人型の知的生命体のイメージとは異なりますね(^▽^;) 『ソラリスの海』は...続きを読む水ではありません。 流動生をもったひとつの細胞のようなものだそうです。 ゼリー状で、惑星全体を覆っています。 そのソラリスを周っている『ソラリス・ステーション』に、心理学者の主人公ケルヴィンが到着する所から話が始まります。 簡単に言うと、この話は「知的生命体とのコンタクトの様子」の話です。 派手なアクションはありません。 コンタクトと、ソラリスという惑星と、ソラリスの海について非常に細かく描かれています。 SF、哲学、愛…といったところでしょうか。 特にソラリスの歴史と探査記録を記した書と『ソラリス学』については難しくて、私の頭ではついていけない…(-_-;) ですが『ソラリスの海』についての色々な説があり、人間が認知している範囲はこの程度、という指標を表してもいるのではないかと解釈しています。 この星に関しての細かな前提ありきで話が進んでいくのですが、ケルヴィンが体験する想像を絶する体験と並行に、人の心とは。概念とは。という哲学的な話が非常に深く、目の当たりにし病んでいくケルヴィンの様子も頷けます。 『ソラリスの海』が彼の頭の中を覗き、元妻を彼の元へ作り出すのですが…。 ここからが、色々な意味でホラーです(^▽^;) 急な彼女の出現に戸惑うケルヴィン。 ソラリスの海が起こした事象が、ケルヴィン達を悩ませます。 元々いた乗組員に起きた出来事が段々と明らかになってきます…。 人により異なるとは思いますが、私の足りない頭ではこれが精一杯の解釈でして…。 とても友好的で静かな惑星にコンタクトを試みるも、彼らの価値観(多数の人間が持つ概念)との相違により、互いは相入れられる生物なのかどうか。 ということを非常〜に深く考えた話かな…と。 だからこんな悲劇が! とか、 だからこんなに戦って…! とか、ナンセンスなんです。 そこに、それがあって、何か問題でも? というとてもクールな考えの話なのかな…と笑 そうであったら素敵です…(〃´-`〃) って言うか、むしろそうであって欲しい♡ 私の足りない頭では、こいつ全く分かっていない!と言われるのかもしれませんが…(*´艸`)それもまた、仕方ない。 難しいと感じたので、もう一度読み返しました。 味わい深い作品という感じです。 ソラリスの海だけに、深い……! (……ごめん、どうしても言いたかった) 動きに…ではなく、感情面で変化が大きい話です。 最後の「訳者の解説」が全体の8%を占めています。 それによると映画に関しては、著者が批判していたので、観るのはやめてみました(^▽^;) きっと内容が全然違うんだろうなぁ…。 でも気になるからいつか観ちゃうかも笑 一般的な映画もそうなんですが、いわゆる『見せ場』のような盛り上がりを作らなくてはいけない以上、映画化には向き不向きがあります。 しない方が良いと思われる作品は、しないで欲しい…。(ファンの心理) 感想、意味わからなかったらすみません( ̄▽ ̄;) 解釈は人それぞれ。 とても味わい深い作品でした(*´˘`*) 惑星ソラリス、行ってみたいなぁ…。 私に何もしなくていいから、そこで最期を迎えたい(º﹃º ) 何度も読み返したらその度に違う面からの発見がありそう…(*´艸`) 細部を熟考しながら読み返したい作品。 興味のある方、是非!!
知的探究心のむなしさを描いている 誰かを知りたいというのは、その人との未来を予見したいという欲求である それは本当に美しいものか? ・海から生まれた過去のないハリーS ・ハリーではなくハリーSを愛した主人公 二人はお互いに情報を出し合い完全理解しあい、会話すら必要なくなった その結果二人には何の未...続きを読む来もなくなってしまった 「どうでもいい」と言えるだけの勇気が人類にはずっとない なぞの現象や生命体を解き明かし、なにかを手に入れて、なにかの予言や恩恵を掲げなくては生きていけない
昔からハヤカワ文庫のリストで最後に載っていて、名作の評判も高く気になっていたものの、なんか難しげな書評とかみると中々手が出なかった。新装版で、カバーも変わったので年末にエイヤと取り付いた。 異星人が出てきて、コミュニケーションがとれないで・・・なぞと勝手に思っていたのとは全然違う筋立てで、何が何やら...続きを読むって感じだったのが後半になって霧が晴れて来て…スッキリ晴れるまで行かないが… SF好きなら読むべき作品ですね。
1961年刊行、ポーランドSFの名作。冒頭からめっちゃホラー。宇宙ステーションで起こる奇怪な出来事が恐怖をよび、惑星そのものが抱える謎がミステリアスで興味を引く。次第にラブロマンスな展開にもなっていき、一貫してハードSFな世界観もあいまって哲学的な問いかけを迫る。何十年か前に読んだことがあり、新旧の...続きを読む映画も視聴済みだが、物語の面白さと個人的な思索へと誘われる深みに、改めて傑作だと実感した。本作が元ネタと思われる宇宙戦艦ヤマトIIIの惑星ファンタムを思い出す。
この本はエイリアンそのものだ、という意見は納得できる。 読む人によって未知との遭遇であり、記憶と人間性の話であり、ラブロマンスに映る。 そのようにして人を惑わすソラリスの所作は、ほんの戯れに過ぎないのかもしれない。 最後まで、起こったことの訳はわからない。 理解を越えたものとの出会いはどのようなもの...続きを読むかを描こうとしたのだと思う。
『その神は苦しんでも、罪を贖うわけではないし、何も救わないし、何にも奉仕しない。ただ存在するだけ』 この言葉が、深く印象に残りました。私達自身も何故生まれてきたのか分かりません。この宇宙に存在するものすべてがそんなものなのかなと…。 たとえそうだとしても、よくわからない相手とあったとき、相手に明確な...続きを読む敵意がなければコンタクトを取り続けることはとても大切だなと思いました。相手が何を考えているのか(そもそも何かを考えているのか)を確実に知ることは不可能ですが、相手と関わることで必ず何かしらの出来事が起こり、それが新しい何かを生み出すのは確かなのかなと思います。
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ソラリス
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