細見和之の作品一覧
「細見和之」の「アイデンティティ/他者性」「家族の午後」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
「アウシュヴィッツのあとで詩を書くことは野蛮である」というアドルノの名言。それくらいにも、ナチスドイツの怪我が痛かったと見える。
フランクフルト学派、というよりは、ハーバーマスを知りたくて読んだ。英米の分析哲学、フランスのポストモダンには、慣れ親しんできたが、ドイツはビミョーだった。ニーチェ、フッサール、ハイデガーに見られる強者の哲学には馴染みがあったが、今回のフランクフルト学派はユダヤ系、つまり、弱者の哲学であった。その存在には少し気づいてはいたが、今まで触れることもなかった。
フランクフルト学派という、梁山泊みたいなのがあって、そこに集う人たちで、もり立てていく話だなと思った。アドルノ
Posted by ブクログ
ベンヤミン『パサージュ論』の最終巻だが、そもそも未完の書物なので完結編という訳ではない。
だが、この書物は、未完の断章形式であるということそのものによって、永く生き延びるのではないだろうか。
一つのストーリーによって、全ての断章が論理的に並べられ、不要なものは刈り込まれ、首尾一貫した一冊の書物としての完成をみていたとしたら、あるいはこの書物は、とっくに古びて打ち棄てられていたかも知れない。
断章であるが故に、その一つ一つが、様々な角度からの光線に、いつまでも七色に煌めいているのではないだろうか?/
ここでも、想起されるのはタイムラプス撮影で撮影した雲の映像だ。
丘の上に固定されたカメラから
Posted by ブクログ
ベンヤミン『パサージュ論』とのそもそもの出会いは、笠井潔の『群衆の悪魔―デュパン第四の事件』だ。
それは、パリの街を舞台に探偵オーギュスト・デュパン、ボードレール、バルザック、ブランキなどのビッグネームが活躍するミステリーで、その中でベンヤミンと『パサージュ論』について触れられていたのだ。
この巻は、先日、『悪の花』、『ボードレール パリの憂鬱』の二冊の詩集を読んでもあまりピンと来なかったボードレールがテーマの巻ということで、案の定取り付く島もない感じではあったが、かろうじて心に残った断章を引用しておきたい。
《一八四〇年ころのユゴーについて。「同じころ、彼は、人間が孤独を好む動物だとすれ