作品一覧

  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)
    4.3
    腹に水がたまって妊婦のように膨らみ、やがて動けなくなって死に至る――古来より日本各地で発生した「謎の病」。原因も治療法も分からず、その地に嫁ぐときは「棺桶を背負って行け」といわれるほどだった。この病を克服するため医師たちが立ち上がる。そして未知の寄生虫が原因ではないかと疑われ始め……。のちに「日本住血吸虫症」と呼ばれる病との闘いを記録した傑作ノンフィクション。(解説・飯島渉)
  • 車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる
    3.5
    大宅賞作家の書き下ろしノンフィクション。 鹿児島県・徳之島で車いすの犬「ラッキー」の介護をしながら暮らす一人の初老の男性を主人公に、伝統や自然、人間模様を織り交ぜながら、犬と人の心あたたまる交流を描く。 殺処分寸前の犬をひきとり、不慮の事故のため下肢不随になっても飼い続ける姿は島の名物となっている。これまでペットに縁のなかった男が、不遇な犬を飼うことによって、筋金入りの愛犬家になっていく。 日本では年間20万匹以上の犬猫が殺処分されており、この問題への関心はいまだに高い。無名の人々のドラマを通じて、伴侶としてともに生きる大切さを訴える、「ドリームボックス」に続く“命の讃歌”。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 犬と猫 ペットたちの昭和・平成・令和
    4.0
    殺処分ゼロの日はいつ!? 「大量に殺していた時代に戻るのか」 人間のエゴと命のはざまで苦闘する人々―― コロナ禍の中、多くの動物保護施設では犬猫譲渡会が開催できず、新しい飼い主さんを待つ犬猫たちの行く先が決まらない。不況の影響が大きくなれば、ペットを飼えなくなる人が増えるかもしれない。順調に減少を続けてきた日本の犬猫殺処分数はこれからどうなってゆくのか。 『ドリームボックス 殺されてゆくペットたち』(2006年)、『車いす犬ラッキー 捨てられた命と生きる』(2017年)などで、人とペットの関係を問い続けてきた著者が、動物愛護管理センターで所長をつとめる一人の公衆衛生獣医師を主人公に描く、壮絶な<犬猫殺処分>クロニクル。
  • 検疫官 ウイルスを水際で食い止める女医の物語
    3.7
    1巻726円 (税込)
    新型インフルエンザ対策の第一人者・岩崎惠美子。その最前線の攻防を描いた本格医学ノンフィクション! 日本人で初めてエボラ出血熱を間近で治療した惠美子。50歳を過ぎて熱帯医学を志し、安穏な医師生活を捨て去ってウガンダやインド、タイ、パラグアイなどで現場治療にあたる。日本検疫史上初の女性検疫所長とまでなった彼女は、生物・化学テロ、感染症、ウイルスの脅威から日本を守ってきた。その活躍を大宅賞作家が描く。
  • ひめゆり 沖縄からのメッセージ
    3.0
    1巻924円 (税込)
    かつて、沖縄の美ら海は血に染まっていた。1945年3月26日からおよそ90日間。非戦闘員であるはずの「ひめゆり学園」の320余名は日米両軍が激突する戦場へ動員され、13歳から19歳までの227名が死亡した。“人間が人間でなくなっていく”戦場での体験を語り続ける宮城喜久子。記録映像を通じて沖縄戦の実相を伝えていく中村文子。2人のひめゆりの半生から沖縄戦、そして“戦後日本と沖縄”の実態に大宅賞作家が迫る!! カバー写真(C)NOBUAKI SUMIDA/SEBUN PHOTO/amanaimages
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間
    4.4
    「向いてないからやめます」。国政史上、前代未聞の理由で政界を去った元代議士・久野統一郎。竹下派、小渕派を経て「将来、大臣間違いなし」といわれたエリート2世議員である。しかし、本人は“政治家にはなりたくなかった”。不本意ながら政界に入ってしまった男がカネと選挙に翻弄され、奔走した10年間。政治とは? 政治家とは?そして有権者とは? その実態を大宅賞作家が赤裸々に描く必読の政治ドキュメント! カバー写真(C)FUJIO WADA/SEBUN PHOTO/amanaimages
  • 海人(UMINCHU)
    5.0
    石垣島、沖縄本島で、70年近く漁を続ける海人(ウミンチュ)・照屋規正。 赤銅色の上半身には、少年の頃サメに襲われた歯列が大きく刻まれている。 1936年、9歳の時、親に売られて海人になった規正。 2003年3月、規正は初めて「魚が一匹も釣れない日」を体験する。 規正の現在の漁場は、沖縄本島北部、沖縄で最も“ジャラン(豊富)”といわれる辺野古(へのこ)の海。 この海には特別天然記念物の「ジュゴン」が生息し、一方、海上基地「米軍普天間飛行場代替施設」の建設が予定されている。 美しく豊かな沖縄の海に、いま何が起きているのか? 一人の海人の鋼のごとき半生を追い、海から見た沖縄の歴史を描き出す、書き下ろしノンフィクション。
  • 政治家やめます。―ある自民党代議士の十年間
    4.0
    1巻880円 (税込)
    向いてないのでやめます ―2000年6月、国政史上、前代未聞の理由で政界を去った元自民党代議士・久野統一郎(愛知8区)。 竹下派、小渕派を経たエリート二世議員の苦悩の日々、戦後政治の“失われた10年”を、最年少大宅賞作家が描く。
  • 闘牛
    -
    鹿児島県徳之島。 闘牛の盛んな島でいまも語り継がれるのは史上最強の「実能牛」伝説。 その手に汗握る物語!大宅賞作家の名著を増補復刊。
  • 朱鷺の遺言
    4.7
    ニッポニア・ニッポン──日本国を象徴する学名をもつ、哀しいまでに美しい鳥、トキ。かつては日本全土に生息したが、2003年に最後の1羽が死亡、純日本種は絶滅した。トキの保護に立ち上がった人々の軌跡を追った本書は、人間と自然の相克を問い、いのちをいとおしむ心の大切さを説いた不朽の名作であり、記録性の高い貴重なドキュメントである。第30回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
  • パンデミック―感染爆発から生き残るために―
    3.3
    全世界で数億人、日本で64万人以上が死亡! 性別や年齢を越え、世界中に同時流行し、悶死への恐怖に苛まれる強毒性の感染症「新型インフルエンザH5N1型」。密かにしのびよる「見えない悪魔」と私たちは闘えるのか? そして、もし罹患してしまったら……? 恐ろしい感染症の歴史と数々の病状。その対策の最前線に迫り、人類が生き残る可能性を探る警鐘レポート。

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  • 熟年恋愛講座 高齢社会の性を考える
    4.0
    年をとったら自分の性欲も枯れる、そう信じていませんか? 老人の性や恋愛はいまだに「年甲斐もなく」とタブー視されるのが現状。でも、老人ホームの赤裸々な恋愛実態、<40歳未満お断り>の性風俗店の大盛況、風俗嬢たちの証言、雑誌記事に寄せられる真摯な返信用切手つきの手紙、恋をしている老人たちへのインタビューなど、この本を読むと、性欲は枯れない!と分かります。『熟年性革命報告』の著者による、性とは生きることと実感できる一冊。
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    Wikipedia三大文学があるという。
    八甲田山雪中行軍遭難事件、三毛別羆事件と並んで日本住血吸虫症。
    本書は題材からも内容からも「八甲田山死の彷徨」「羆嵐」と共に屈指のノンフィクション。

    原因不明の地方病、山梨県、岡山県など一定の地域にだけ見られ、治療法もない不知の病。
    現代医学から病の原因を探り、また病を根絶していく医師たちの戦い。

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    2024年05月05日
  • 死の貝―日本住血吸虫症との闘い―(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大部分が引用されていたWikipediaで読んだものの、当たり前だがこの本によってより詳細を知ることができた。文庫化にあたって筆者による解説が加わったが、そこにコロナの流行の件も書かれており、自分が体験したことと重ねて当時の苦しみや必死さを想像することができた。

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    2024年05月03日
  • 朱鷺の遺言

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    ネタバレ

    とても感動して、後半はウルウルした。特に、木に止まるキンちゃんの写真を見た時は、奇跡を感じた。
    1.佐藤さん高野さん宇治さんの感動秘話があったこと
    2.朱鷺絶滅の詳細な話を知らなかったこと
    3.作者の詳細な調査と取材そして、引き込まれていく文章

    この本を読む機会があったことに感謝したい。

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    2017年12月23日
  • 朱鷺の遺言

    Posted by ブクログ

    [艶やかなるその遺志]かつては空に羽ばたく様子が多く見られた朱鷺(トキ)。昭和前期、その名前だけは耳にしたことがあった佐藤春雄は、ある日実物を見かけ、その美しさに惚れ込み、仕事の傍ら日々の観察を欠かさないようになる。朱鷺の生活環境が年々進む開発で厳しさを増すことを憂いた佐藤は、独力ながらもその保護のために活動を続けるのだが、時代の流れと重なり、その活動は思いがけない展開を見せることに......。朱鷺と人間の知られざる交流を描いた作品です。著者は、本書で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した小林照幸。


    とにかく美しい一冊でした。佐藤氏を始めとして献身的な朱鷺の保護活動に勤しむ方々の姿

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    2014年08月13日
  • 政治家やめます。 ある国会議員の十年間

    Posted by ブクログ

    「政治家に向いていない」という理由で政界を引退した自民党の元国会議員の久野統一郎氏の選挙出馬から引退までを描いている。
    統一郎氏の父は郵政大臣を務めた国会議員の久野忠治。
    統一郎氏は父の跡を継ぐ気はなかったが外堀を埋められ、立候補した。
    この本では国会議員の日常が描かれたいる。昨今世襲議員への非難が高まっているが世襲議員と言えども自分の本意とは逆のことを有権者にアピールしなければならないなど様々な苦悩がある。ただ、統一郎氏が認めているように地盤のない新人は一からすべてを用意しなければならないので世襲議員がこれからも増えることは十分に有り得る。

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    2013年09月07日

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