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  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学
    4.2
    1巻2,090円 (税込)
    あなたが「思っている」と思っていることは、全部でっちあげだった! 「心の奥底には何かが隠されている」と、誰もが思いたがる。 心理学者や精神分析学者たちは、暗がりに潜むものを暴き出そうと奮闘してきた。 だが、神経科学や行動心理学の驚くべき新発見の数々は、隠された深みなどそもそも存在しないことを明らかにしている。 「無意識の思考」などというのは、神話にすぎなかったのだ。 わたしたちの脳は、思考や感情や欲望を「その瞬間に」生み出している……行動の理由も、政治的信念も、そして恋心さえも。 本書が紹介する数々の驚くべき実験結果を目にしたとき、そのことを疑うことはもはや不可能になる。 世界はどのように存在し、自分はどんな人間であるのか―それも、脳がもつ途方もない即興能力によって創り出されるフィクションなのだ。 認知科学をリードする世界的研究者が"脳と心"の秘密を解き明かす、超刺激的論考! ※原題は、The Mind is Flat: The Illusion of Mental Depth and The Improvised Mind (Penguin, 2019) 【本書「訳者解説」より】 本書の最終結論である「心には表面しかない」ということは序章から明記されており、深みという錯覚で私たちを騙している犯人は脳であるということが、あたかも最初から犯人がわかっている倒叙ミステリーのごとく、はじめから述べられている。そして、心理学実験を紹介しながら進められる論証は、章を追うごとに説得力を増していくことが、一読してわかるだろう。 ・ チェイター教授は、オークスフォード教授との推論心理学(人間はどのように推論するのか)の共同研究を続けつつ、意思決定や判断、言語や社会的相互作用へと研究領域を拡げ、また自ら会社を共同創業したりイギリス政府へ協力したりと、認知科学のビジネスや政策への応用にも取り組んでいる。 ・ 「心は実体というよりは、外界と接する接触面(インターフェイス)における即興演奏の ”手癖” である」という捉え方を展開する本書の見方の射程はかなり広い。 【本書の内容】 序章 文学の深さ、心の浅さ 第一部 心の深みという錯覚  でっち上げる力/現実という実感/インチキの解剖学/移り気な想像力/感情の創作/選んだ理由の捏造 第二部 即興が「心」を作る  思考のサイクル/意識の経路の狭さ/無意識的思考という神話/意識の境界/原理ではなく前例/知性の秘密 終章 自分を創り直す
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    Posted by ブクログ

    就活中に考えた「人生の目的」とか、流行中のMBTI診断とか、Strength Finderとか、本当の自分(の強み)を見つけよう、とか、全部疑わしく思えてきた。
    本書に照らして言うならば、個性とかアイデンティティとか言うものは、今日まで生きた過程で得た経験の解釈(意味の押し付け)の中で最も馴染んだもの、程度のものであって、実際にはそれらに基づいて行動がされるわけではないんだな、と感じた。
    にも関わらず、就活や転職活動で「あなたの軸は?」とか過去から今、これからやりたいことへの一貫性を問われるのは、都度都度の解釈で生きている、と言うことの説明を他人へすることの難しさからきているような気もした。

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    2024年05月03日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    Posted by ブクログ

    「なんじゃこの即興芝居人生」と思いながら生きてきたので「てか他の人も皆んなそうだよ Don’t worry ひとつずつ解説していくねー」と言われた気がして好き。この本。オススメ本。

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    2023年07月27日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    Posted by ブクログ

    直観的な理解とそぐわないことが、例えば物理学とか諸々とあり、人間の心に関する理解も同じ。視覚の例がわかりやすいが、人間が知覚してるのはほんの一部分で、あとは脳がさもいろいろなものを同時に見てるかのように補正している。心は平坦で探るべき深みなどなく、人間の内面世界は脳が都度即興しているものに過ぎない。
    自分の感情も、生理的状態をその時の文脈で解釈したもので、好みですらごとに臨んだその時に捏造している。脳の働きは原理原則ではなく前例に基づくもので、思考のサイクルの残した痕跡の積み重ねである。

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    2022年08月10日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    Posted by ブクログ

    「深層心理」とか「本当の自分」とかなんてない、という主張の本。

    今までの自分を振り返ってみると、「心は脳の即興」という筆者の主張がわかる気がするけど、だからこそ信念を持たなきゃならない、本当の自分に気づかなきゃならないと考えてきたので、信念までも脳の即興だって言われて、共感半分、疑い半分の気持ちで読み進めた。
    第11章までは、要は脳は一度に1つのことしか処理できないよね〜ってことと、だから「深層心理」なんてあるわけないよね〜ってことが多くの実験結果を引用して何度も書かれていた。実験の話はたまに「その実験結果からその結論にいくの…?」と思うところがあったけど、筆者の主張は理解。
    でもずーっと

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    2024年05月06日
  • 心はこうして創られる 「即興する脳」の心理学

    Posted by ブクログ

    原題の「Mind is flat」のほうが内容を過不足なく表現している気もするが、まあ楽しい本だった。先に読んだ「言語は~」のほうは、言語のルールが即興ジェスチャーの伝統でしかないという話だったが、心もまた経験から判断される即興の場繋ぎでしかないとは。
    部分しか把握できない人間が、意識できないレベルでの視点移動で全体を把握しようとし、そうしたトリックを意識それ自体は把握できず、ただ入力される感覚情報に頼るしかないなどなど、得心が行くとともに実に興味深い話ばかりだった。

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    2024年01月18日

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