作品一覧

  • 後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす
    4.3
    1~3巻715~770円 (税込)
    暴虐な先帝の死後、帝国・剋の後宮は毒疫に覆われた。毒疫を唯一治療できるのは、特別な食医・慧玲。あらゆる毒を解す白澤一族最後の末裔であり、先帝の廃姫だった。 処刑を免れる代わりに、慧玲は後宮食医として、貴妃達の治療を命じられる。鱗が生える側妃、脚に梅の花が咲く妃嬪……先帝の呪いと恐れられ、典医さえも匙を投げる奇病を次々と治していき――。 だが、謎めいた美貌の風水師・鴆との出会いから、慧玲は不審な最期を遂げた父の死の真相に迫ることに。 ◆◆◆登場人物◆◆◆ 【慧玲(フェイリン)】 暴虐を尽くした先帝の廃姫であり、毒を熟知する白澤一族の叡智を受け継ぐ最後の末裔。助命と引き換えに、皇帝から毒疫の治療を命じられる。 【鴆(ヂェン)】 怪しげな翳をもつ美貌の青年。宮廷で活躍する風水師だが、その正体は毒を操る暗殺者。毒の効かない慧玲を気に入り、なにかと揺さぶりをかけてくる。
  • 後宮の女官占い師は心を読んで謎を解く
    -
    後宮の女官として働きながら占い師をしている易妙。ある日、妃妾たちに占いを披露していると、見目麗しい男から「俺の素性を当てられたら大月餅をやる」と持ちかけられ、第一皇子の命累紳であることを言い当てる。大好きな大月餅を受け取った妙が帰り支度をしていると、先日占った妃妾の縊死した報せが入る。すぐさま現場に駆けつけた妙は自害ではなく殺害されたことを見抜き、持ち前の《推理力》と《心理》で事件を解決に導くのだが、数日後、彼女の活躍の一部始終を見ていた累紳から「俺と組まないか。俺は、あんたが欲しい」と提案されることに。累紳が妙を欲しがる狙いとは……!?
  • 死者殺しのメメント・モリア
    4.5
    1巻715円 (税込)
     死は平等である。富める者にも貧しき者にも。だが時に異形となる哀れな魂があり、それを葬る少女がいた。  モリア=メメント。かつて術師の血を継ぐ王族の姫だった娘。特別な力をもち、今は刻渡りの死神シヤンとともに、あるものを捜して旅をしていた。  シヤンのもつテンプス・フギトの時計に導かれ、あらゆる時と場に彼らは出向く。現代ニューヨーク、17世紀パリ、時代と場所が変わっても、そこには必ず、死してなお悪夢を見続ける悲しい亡霊たちがいた――。  死は等しく安らかに――祈りをこめてモリアは死者を葬る。永遠を生きる時の旅人がつむぐ、祈りと葬送の幻想譚。 【登場人物】 ◆モリア=メメント  青い喪服を着た美少女。術師の血をひく王家の娘だったが、過酷な運命にもまれ、死神と契約をして永遠の命を得る。あるものを探すため、死者を弔いながら旅をする。 ◆シヤン=ラウエレウム  美形の死神。「時」をつかさどり、テンプス・フギトの懐中時計を操って時空を移動する。強大な力を持つ存在だが、モリアの従者に。人間を哀れみ、時に面白がっている。
  • 後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす

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    ネタバレ

     ただの疫病ではなく、五行思想が絡み人が木になったり鉱石になったりする毒疫が出てきて、その世界観に引き込まれました。

     薬膳と言いつつ毒を使って毒を打ち消していたり、自身の事を薬と形容しながらも内に毒を宿していたりと、相反するはずの毒と薬が同じものとして出ており、綺麗なだけではないからこそ惹かれる気がします。

     一見、正反対に見えつつ似たところのある慧玲と鴆の関係がどうなっていくのか、楽しみです。

    0
    2023年11月14日
  • 後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす

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    美味しくなければ、たとえ薬といえども身体が受け付けない。
    どんなに苦くとも、身体が欲すれば甘くうまく感じる。

    五行の観点から、毒にさらされた人々のありえない病を治していく主人公は、自分の役目に押しつぶされることなく忠実であり、健気に頑張ります。
    博識で、竹簡を解いていくあたり、映像化されたらなあと思ったりします。

    仇?役の風水師も、捻れていていい感じです。二人がどうなっていくのか、続刊が楽しみです。

    0
    2023年08月24日
  • 後宮食医の薬膳帖 廃姫は毒を喰らいて薬となす

    Posted by ブクログ

    巧みな文章で描かれた中華ファンタジーの良作。
    展開のテンポも早いので飽きることなく、なにより主人公とバディ役となる相手の距離感が堪らない。

    渾沌と称された先帝の忘れ形見フェイリンと毒を操る暗殺者ヂェン。薬と毒、この恋愛恋慕とも異なる二人の絶妙な関係性がかなりツボ(当方うしとら好きなので笑)。

    また中国の五行思想を取り入れわかりやすく噛み砕いて表現されてるのも個人的に◎。

    そこにテーマである食事を持ってきてさらにミステリ風味な味付けも。続巻にも期待。

    0
    2023年08月03日
  • 死者殺しのメメント・モリア

    Posted by ブクログ

    死とは何かを追求していく物語だったように感じます。作中でも記されている通り、生は不平等でも、死は平等という価値観に納得します。時代や国を越えて死者を葬っていくモリアが、死に触れることで、様々な形の愛を知っていく物語で、とても面白かったです。エンタメとして派手なバトルシーンを追求するのではなく、死の切なさや悲しさを伝えることに全力を注いでいたのが良い味を出していたと思います。世界観はとても暗く、救いようのない現実の非常さが描かれる中で、もがき続けた先にある一筋の光明が、温かく尊いものであると教えてくれるような作品でした。
    私の好きな台詞は「わたしたちは何処からでもあらわれ、何処にでも向かいます。

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    2022年12月11日
  • 死者殺しのメメント・モリア

    Posted by ブクログ

    死について、とても繊細に丁寧に描写された作品。しっとりと湿った雰囲気をさせながらも、どこか神秘的で美しい世界観にどっぷりとハマりました。

    世界は平等じゃない。けれど、死は誰にでも平等に訪れるべきである、と。死を踏みにじられた少女が、死にきれない死者を殺し、平等な死へと導く物語。
    従者である悪魔が、最後まで悪魔らしかったのが良かった。

    とにかく言葉選びが素敵な作品でした。物語性だけではなく、文章力も高く、芸術的な作品です。
    遅読の私が、たった8時間ほどで読み終わってしまいました。

    幻想的な、けれども残酷で生々しい世界観がお好きな方は是非読んで欲しい作品です。

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    2022年03月11日

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