作品一覧
-
4.21巻2,090円 (税込)・「中国産」が「イタリア産」になる流通の謎 ・「添加物69%」の現場 ・腐ったトマトの再商品化「ブラック・インク」とは すべてはトマト缶をめぐる真実だ。 …それでもトマト缶を買いますか? トマトは170カ国で生産され、トマト加工業界の年間売上高は100億ドルにのぼる。だがトマト缶がどのように生産・加工されているかはほとんど知られていない。 中国、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカを舞台に、業界のトップ経営者から生産者、労働者までトマト加工産業に関わる人々に徹底取材。世界中で行われている産地偽装、大量の添加物や劣化した原料による健康被害、奴隷的に働かされる労働者などさまざまな問題を暴く。 世界中で身近な食品であるトマト缶の生産と流通の裏側を初めて明らかにし、 フランスでも話題沸騰の、衝撃的ノンフィクション。
ユーザーレビュー
-
Posted by ブクログ
トマト缶にまつわる真実の話。
世界的な産地はおよそ三カ所。
南欧、中国、アメリカ。
このうち、中国とイタリアに焦点を当てている。
①中国
元々国内でのトマト加工品の消費はほとんどなかった。余った土地と労働力でトマトの生産と濃縮をして、ほぼ全量を輸出していた。安かったことから、シェアが急速に拡大する。
この濃縮トマト生産は利益率が低かったので、世界の主要メーカーは自社生産をやめて中国の濃縮トマトを加工して自社製品を作るようになっている。中国の3倍濃縮トマトを輸入して水を足し、イタリアの工場で2倍に変えてイタリア産として売られている。世界のイタリア産トマトは実は中国産という実態や、ラベルを変える -
Posted by ブクログ
食料品はついついまとめ買いをしてしまっています。
トマト缶は以前は200円くらいしたと思うのですが最近は100円で売っているし、まとめ買いすれば1缶70円ぐらいにもなっています。
こんなに安くていいの?という疑問もあったのですが、安いのはありがたいのでやっぱり買っていました。
そんなところにこの本を見かけたので読んでみました。
フランスのジャーナリストによる、トマト缶生産過程と流通のルポタージュですが、その問題点として資本主義の問題点、労働者搾取問題などの根本に話が及んでいます。
まずは原材料であるトマトの収穫。
トマト加工品と言うと、八百屋で売られる赤く丸く瑞々しい姿を思い浮かべるが、 -
Posted by ブクログ
トマト缶の原料は、いつも見ている丸いトマトではなく、加工用の濃縮トマトかも知れない。
2倍濃縮というのは、煮詰めて濃縮したのではなく、3倍濃縮に品種改良されたものを薄めたものかも知れない。
原料のトマトは、貧困地域(新疆ウイグル自治区とか)で低賃金労働によって搾取されて栽培されたものかも知れない。
何も気にしなければ、こうしたものを購入している可能性はありますね。需要があれば、供給もある。コーヒーのフェアトレードというのは認知されてきたと思いますが、トマト缶の世界にも同じような話があるのですね。
スーパーで何気なく手に取るトマト缶の値段の差は、こうした背景があるということを知ること、行動を変