作品一覧

  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男
    4.4
    1巻1,800円 (税込)
    トヨタ最大の秘密を知る男の「告白」 企業人の“業”を描く児玉博さんの今作は、トヨタの中国事務所総代表だった服部悦雄氏が主人公です。服部氏は、「低迷していたトヨタの中国市場を大転換させた立役者」であり、「トヨタを世界一にした社長、奥田碩を誰よりも知る男」であり、何より「豊田家の御曹司、豊田章男を社長にした男」として、自動車業界では知る人ぞ知る人物。トヨタをモデルにしたベストセラー小説『トヨトミの野望』の作中にも、服部氏は「中国の怪人」として仮名で登場します。 服部氏は戦争中に生まれ、27歳まで家族とともに中国にとどまりました。文化大革命では、原生林での強制労働など、日本人ならではの苦難を体験します。 帰国後、トヨタに入社。アジア地域の担当を命じられ、トヨタ中興の祖である豊田英二と上司の奥田碩の目に留まり、服部氏はみるみる頭角を現します。 実はトヨタは、中国への進出が遅れたために中国政府から自動車生産の許可が下りず、90年代に世界の他メーカーに大きく引き離され、ドン底の状態に陥っていました。奥田碩会長は、創業家御曹司の豊田章男を中国本部本部長に据え、中国市場の建て直しを命じるのですが、そこには章男が失敗すれば、豊田家をトヨタの経営から外すことができる、という奥田の深謀遠慮がありました。そこで、豊田章男が頭を下げたのが服部氏でした。奥田の最側近でもあった服部氏は、トヨタ中国事務所総代表としていかなる決断を下したのか……。 服部氏の初のロングインタビューを元に、トヨタの中国進出と、豊田家世襲の内幕を赤裸々に描いた圧巻のノンフィクションです。
  • 堤清二 罪と業最後の「告白」
    3.6
    1巻770円 (税込)
    第47回大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)受賞作。月刊「文藝春秋」の連載『堤清二の「肉声」』に大幅に加筆したもので、セゾングループの総帥だった堤清二氏が死の一年前、父・康次郎氏そして弟の義明氏との関係をじっくり振り返った一族の物語です。 清二氏が、著者の児玉さんに10時間以上も語った堤家の物語は、愛憎と確執に満ちた肉親相食む世界でした。 康次郎氏は西武グループの礎を築いた実業家であると同時に、強引な手法で「ピストル堤」の異名をとり、異常な好色でも知られていました。清二氏ら七人の兄弟姉妹の母親だけで四人、そのうち二人とは入籍をしませんでした。関係を持った女性はお手伝いから看護士まで相手選ばず、清二氏の母・操さんの姉妹とも関係を持ちそれを操さんも承知していたといいます。その異常な環境で、清二氏・義明氏兄弟は静かな“狂気”を身の内に育まざるをえませんでした。 フォーブス誌の世界長者番付で世界一位に輝いた義明氏と、セゾン文化で一世を風靡した清二氏は、一転して凋落し、軌を一にするように堤家も衰退の一途を辿ります。 西武王国について書かれた本は数多くありますが、清二氏が初めて明かした一族の内幕は、堤家崩壊の歴史であると同時に、悲しい愛と怨念の物語であり、どうしようもない定めに向き合わなければならなかった堤家の人々の壮大な物語です。 ※この電子書籍は2016年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 堕ちたバンカー ~國重惇史の告白~
    3.6
    1巻1,782円 (税込)
    住友銀行の救世主はなぜ“追放”されたのか。 住友銀行元取締役、國重惇史。若手行員時代から「伝説のMOF担」として名を馳せ、平和相互銀行事件での活躍で「将来の頭取候補」と目される。そしてイトマン事件を内部告発し、「住友銀行の救世主」に。だが、あることから銀行を追われ、「楽天副会長」に転身。スキャンダルで辞任し、『住友銀行秘史』を著す。これは、ある天才バンカーの半生を通して、日本のバブル時代の熱狂とその終焉を描くビジネスノンフィクションである。 〈ある意味、國重は時代の寵児だったのかもしれない。バブル経済の勃興期に起きた平和相互銀行事件、そしてバブル経済真っ只中のイトマン事件とまさに日本中が狂乱の渦の中にあったとき、國重はもっとも異彩を放った。しかし、時代は虚ろだ。かつて日本中が、そして國重が身を任せた圧倒的な熱量は、日本社会から見事なまでに消え去った。それとともに、國重の輝きは失せていった。〉(本文より)
  • 起業家の勇気 USEN宇野康秀とベンチャーの興亡
    4.3
    1巻1,500円 (税込)
    堀江貴文、藤田晋ら“ヒルズ族の兄貴分”と呼ばれた男。 ネットベンチャーが続々花開いた時代に、USENの宇野康秀社長は、フジテレビからホリエモンのライブドア株を購入したり、プロ野球の新規参入問題などで、メディアの脚光を浴びました。2001年には、平井堅、米倉涼子らとともにベストドレッサー賞も受賞しています。 しかし華やかに見えるその半生は、挫折と試練の連続でした。 父親の元忠は大阪ミナミで有線放送の会社を興し、裸一貫、全国を制覇した立志伝中の人物です。ところが無断で電柱に有線のケーブルを引いたり、ライバル会社のケーブルを切ったりという悪どいやり方は、息子である康秀に巨大な負債となってのしかかります。 やっとのことで有線放送の会社をブロードバンド事業へと導いた宇野の手腕。しかしこれからという時に、リーマンショックによって経営は暗転し、融資を受けた銀行団との壮絶なバトルが始まるのでした。 起業家の資質とは何か、起業精神の本質はどこにあるのか。 壮大な事業に挑んだ宇野元忠、康秀父子の生き方を軸に、若き日の孫正義、三木谷浩史、藤田晋、村上世彰ら、錚々たるベンチャー創業者たちの興亡の歴史を鮮やかに描きます。
  • テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅
    3.9
    1巻1,485円 (税込)
    “戦犯”と呼ばれた男が全告白。 イランで現地採用され、社長に成り上がるや、米原子力事業を6400億円で買った男は、いつ、どこで、何を、どう、間違え、東芝を “奈落の底”に突き落としたのか。 大宅賞作家が第15代東芝社長、西田厚聰の肉声を交えながら描いた企業崩壊ドキュメント。 ――東日本大震災、そして原発事故がなければ、東芝はどうなっていたんでしょうか。 「事故が起きなくても同じような問題が起きたんじゃないでしょうか。先延ばしされただけじゃないかな。すべては経営の問題だから」 2017年10月初旬、最後のインタビューは行われた。実は、西田は9時間を超える大手術、3ヶ月に及ぶ入院生活を経て、ようやく退院したところだった。存亡の危機に立たされていた古巣と同様、この男もまた死線をさまよっていた。 【ご注意】※この作品は一部カラーを含みます。
  • 日本株式会社の顧問弁護士 村瀬二郎の「二つの祖国」
    3.0
    2016年末、米国新大統領に当選したトランプ氏と安倍総理がニューヨークのトランプ・タワーで電撃会見し、大きなニュースとなった。この会見で安倍総理をアテンドしたのが、安倍家と親しい米国弁護士の村瀬悟氏。悟氏は、米国の有名弁護士事務所のパートナーを務める日系人3世だ。 村瀬家は、米国の日系人サークルの中でも特別な地位を占める。そのルーツは、悟氏の祖父に遡る。悟氏の祖父は、軍医として日露戦争で活躍するも、日本の医学のレベルの低さを知り、米ニューヨークのメディカル・スクールに留学。現地で開業する。ここから、日系人・村瀬家が始まる。 そしてニューヨークで誕生したのが、本書の主人公、村瀬二郎氏だ。二郎氏は、日系2世として米国で育つが、「大和魂を忘れるな」という父の方針で中学のとき日本に帰国。しかし、旧制芦屋中学在学中に太平洋戦争が始まる。立派な軍国少年へと成長した二郎氏だが、国籍の問題は常に二郎氏を悩ませる。そして戦争が終わり、米国に戻ると、今度は米国陸軍への徴兵が待っていた……。 青春時代に戦争にぶつかり、「二つの祖国」の狭間で悩み、苦しんだ二郎氏は、その後、アメリカで弁護士になるが、こんどは日米貿易摩擦の矢面に立たされる。「戦争前夜」とまでいわれた日米関係の悪化。そのとき、二郎氏は日本のために、摩擦解消に陰に日向に尽力する。 激動の20世紀に「二つの祖国」を生き抜いた男は、「大和魂」と「アメリカンスピリッツ」の狭間で何を考え、どう行動したのか。 「堤清二『最後の肉声』」(「文藝春秋」掲載)で2016年(第47回)大宅壮一ノンフィクション賞(雑誌部門)を受賞した筆者の受賞第一作の大型評伝!
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男

    Posted by ブクログ

    面白い
    世界の自動車メーカー トヨタ
    その世界戦略の中で重要な中国
    低迷していた中国でのトヨタを
    トップに押し上げたのは
    27年間中国で育ち
    小鬼と蔑まれ 文革も経験し
    厳寒の中労働し生き延びた男 服部

    トヨタに中途採用から入社し
    奥田という トヨタでは異才の上司に
    見出され
    才覚を現し中国でのてトヨタの礎を
    造り
    そして創業家の章男を社長にした男と
    言われる
    しかしその辣腕から
    会社からは浮いた存在に
    会長から感謝され伝えられた役員にも
    遇されず
    自家用ジェットも届かなかった  

    しかしトヨタの中にも
    社長のポストに実力で異義を唱える
    などした人物もいたんだ

    これからこのマンモス企業が

    0
    2024年05月24日
  • テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅

    Posted by ブクログ

    取材力が素晴らしい。
    聡明な西田氏と、手術後の西田氏の対比が、作者の同氏への愛情と落胆を感じた。
    なぜ聡明な東芝の社員が、社長になるとみなおかしくなるのか?結論はでないが、国、政治、国際情勢に翻弄され、サラリーマンとの乖離に変わらずを得ないことが理由だろうか。
    国策会社、政商会社の呪いを感じた。
    本来は、欧州だと貴族、日本だと旧華族が社長をやった方が良い会社なんだろうな。

    0
    2024年05月23日
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男

    Posted by ブクログ

    中国で終戦を迎え大躍進政策や文化大革命を生き抜き、トヨタ中国の総責任者まで努めた服部氏のインタービューを基にしたドキュメンタリー。氏の生い立ちたどる中で、インタービューで引き出される凄惨な実体験の数々。中国の近代史から戦後史のリアルな実態が非情にも炙り出されている。中国建国の英雄とされている毛沢東は日本の歴史の教科書でもそのような紹介がされているが実態は大躍進政策や文化大革命といった失政によって1億人近い人民を死に追いやった虐殺者でもある。全土で雀を徹底的に駆除する事を推奨された結果、害虫が発生して作物が育たなくなり飢饉が発生し4〜7千万人もの餓死者を生んだといあれているが、同じ事を書いた体験

    1
    2024年04月28日
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男

    Posted by ブクログ

    これは面白い。
    トヨタ自動車の中国市場を取り巻く歴史とそこに関わる歴代の社長陣を、服部悦雄という中国育ちの日本人で中国トヨタの立役者となった人物への対話から描いている。
    ストーリー展開が秀逸で、あっという間に読み終えてしまった。
    服部さんの生い立ちにも関わる、かつ、中国市場を語る上で欠かせないポイントが多いため、本の前半は満洲国解散〜近代における激動の中国近代史が記載されている。
    その中で、中国人はどんな思いでどんな生活をしていたのかを服部さんが見た世界も含め記載されている。
    何度も中国史は読んで来たがこんなにわかりやすく、イメージしやすく理解できるものは初めてだった。

    後半ではトヨタ自動車

    0
    2024年02月26日
  • トヨタ 中国の怪物 豊田章男を社長にした男

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     これは面白いです! 自動車版『大地の子』で、タイトルとしては「中国の近現代史と自動車産業」のほうが正確かと思います(これだと売れないと思いますが…)。

     中国で生まれ育った服部悦雄という元・トヨタ中国事務所総代表のインタビュー録です。「服部悦雄」は、『トヨトミの野望』では「八田高雄」で登場しますが、その『トヨトミの野望』も織り交ぜながら展開します。但し、こちらの本では全て実名。氏の経歴に合わせて、満州国解散から習近平時代までが描かれ、これを読むだけで中国の近現代史がわかります。

     氏は、中国人の本質は「好死不如懶活(きれいに死ぬより、惨めに生きたほうがまし)」と言い切ります。毛沢東の大躍

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    2024年02月12日

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