【感想・ネタバレ】影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのかのレビュー

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人は影響力の力によって人の何倍も本質を引き出せることを本書は心理学の観点から八つの章でまとめてある。これから社会人になる方、仕事や人間関係で悩んでる方に是非読んでアウトプットして欲しい、そして資本主義には欠かせない内容だ。

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2024年05月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

和訳特有の言い回しが気になる部分があったが、内容は非常に勉強になった。要点を家族に積極的に伝えていきたい。なんならこの本を読ませたい。

私の体験談。最近、お店でエアコンを見ていた際、「その製品は明日には売り切れてしまいますよ」と店員に言われた。この本を読む前だったら、すぐに購入を決めていたと思う。「今日は決めません」と言って帰ろうとしたとき、「実は、この値段は今だけの特別価格です」「お客様のお名前はなんですか?明日も来てくれますよね?」と何度も引き止められた。あまりにもしつこいから怪しく思え、そこには暫く行かないことにした。




ーーーーーーーーーーーー以下、自分メモ



【第1章 影響力の武器】

・固定的動作パターン
→規則的で盲目的な、機械的な行動パターン。

(例)七面鳥はヒナが鳴くとお世話する。鳴かないとお世話しない。実験で、イタチの剥製の中にヒナの声を録音したものを埋め込み、七面鳥に近づけると、お世話をするような動きを見せた。録音を止めると、イタチの剥製を攻撃し始めた。

・人間の自動的反応(カチッサー)
→自動的な行動パターンは、状況内の関連情報のなかの、たった一つの特徴(信号刺激)によって引き起こされている。

(例)理由を添えると頼み事が成功しやすくなる。「ので」という単語が発せられただけで、理由らしい理由がなくても、自動的に頼み事を聞いてしまう。

(例)手頃な値段で売られていたターコイズが、誤って2倍の値段がつけられたときにたくさん売れた。商品の善し悪しを決める信号刺激が価格しかなかったため、価格の上昇だけが、客の購買意欲を刺激した。

→ターコイズの価値を見分ける技術を修得する代わりに、たいていの品質を言い当ててくれるたったひとつの特徴(価格)に頼った。

・人間の行動の多くは自動的で紋切り型。なぜなら、複雑に入り組んだ環境では、思考の近道を用いることが必要だから。

・判断のヒューリスティック
→少ない時間と労力で判断する方法。「高価なもの=良質なもの」「専門家が言うなら正しいに違いない」

・コントロールされた反応
→すべての情報を十分に分析した上で反応する傾向

・重要な問題を前にした場合、カチッサーは使わない。よく考えたうえで行動するのは、欲求とともに能力を合わせ持っているときだけ。

・機長症候群
→多くの航空機事故は、機長が犯した明白なミスをほかの乗員が正さなかったために発生している。

・コントラストの原理
→2番目に提示されるものが最初に提示されたものとかなり異なっている場合、それが実際以上に最初のものと異なっていると感じる傾向にある。

(例)紳士服の店員は、高い品物を先に買わせるように誘導する。スーツを先に買わせてからセーターや付属品をすすめる。セーターがいくら高いものでも、スーツの値段の後だと安く感じるため。

(例)不動産会社では、高い価格に設定したボロ屋を数件見せたあとに、売りたい物件をすすめる。ボロ屋を見たあとだと、普通の物件でも立派に見える。

(例)自動車の購入時、ディーラーは新しい車の売値を決めてからオプションを次から次へとすすめる。何万ドルという取引のあとなら、最新型CDプレーヤーなどの付属品に払う100ドルなど取るに足らない額に思えるため。


【第2章 返報性】

・返報性のルール
→他人がこちらに何らかの恩恵を施したら、自分は似たような形でそのお返しをしなくてはならないというルール。

⚠︎︎相手に借りがあるという気持ちがなければまず断るような要求でさえ、受け入れさせてしまう。

⚠︎︎頼み事をしてくる相手への好感度は関係ない。

(例)寄付を求める前にプレゼント(本や雑誌、花)を渡すことで、成功する。

(例)郵送調査用紙ととも金銭的な謝礼を同封したときのほうが、「記入して返送してくれれば同額の謝礼を送る」と約束した場合より、断然回収率が高くなる。

(例)レストランでも、伝票にキャンディやミントを添えて客に渡すだけで、チップの額がかなり増える。

・「あなたは賄賂を受け取ってはならない。賄賂は、目のあいている者の目を見えなくし、正しい人の言い分を歪めるからである」

⚠︎︎返報性のルールは強く、相手が見知らぬ人や嫌いな相手でも効果は出る。

⚠︎︎余計なお世話をされた場合でも恩義の感情が生まれるように出来ている。

・例えこちらが望んだものでなくても贈り物をもらったらお返しをするべきという強い文化的圧力がある一方で、欲しくない商品を買うべきという圧力は存在しない。

・はじめに1つ小さな親切をするだけで、かなり大きな恩返しをする義務感を相手に生じさせることができる。このルールを使う人は相手に恩義を感じさせる最初の親切の性質だけでなく、そのお返しの性質も選べるため、このルールを悪用する人が相手では、不公平な交換を余儀なくされてしまう。

→親切を受けたままにしているときの明らかに不愉快な気分と関係がある。また、他者の親切を受け取るばかりの人は嫌われる。

⚠︎︎恩義を受けっぱなしにしてしているという不快な感情を取り除こうとして、人は受けた親切のお返しに、それよりもかなり大きな頼みを聞いてしまうことが多い。

・心の中の不快感と外聞が悪くなる危険性、この2つが組み合わさるととても大きな心理的負担になる。

・恩返しの義務感は最初に手助けを受けた人だけが感じるわけではなく、その人が属する集団の構成員も同様に感じる。

・自分に譲歩してくれた相手に対して譲歩を返す義務も生じる。相手が譲歩してくれた(カチッ)、今度は私の番だ(サー)。

・「拒否したら譲歩法」(譲歩的要請法)
→まず確実に拒否されるような大きな要求を相手に出す。相手がそれを拒否した後、それよりも小さな、もともと受け入れてほしいと思っていた要求を出す。

(例)労使交渉

(例)5ドルを借りたいと思ったとき、先に相手に10ドル貸してほしいと頼んでおけば、目的の5ドルが実際よりもささやかな金額に思わせる。
→「返報性のルール」(返報されるべき譲歩と見られる)と「コントラストの原理」が同時に働き、強力な力が生まれる。

・「些細なことによる効果が常に些細であるとは限らない。特にそれが、返報性のような人生の大きなルールに結びついているときは」

・「拒否したら譲歩法」を使うと、相手はこちらの要求を飲むばかりか、それを実行し、さらなる要求にも応じようとする。

→譲歩には「より大きな責任感」と「より強い満足感」という2つの副産物がある。

・「拒否したら譲歩法」は、最終的な合意を「取りまとめた」と思わせ、より強い責任感を植え付ける。

・自分の値段交渉がうまくいったおかげで、いい買い物ができたと思う人は、買い物への満足感が上がり、その製品をまた購入する可能性も高くなる。

■返報性への対処法

・最初の好意や譲歩を拒絶する。ただし、軋轢や孤独が生み出される可能性あり。

・人からの申し出は受け入れるが、その申し出がどのような体裁をとっているかではなく、根本的に何であるかを判断して受け入れる。

・最初の申し出が厚意から出たものでなく、こちらを丸め込むための策略だと判断したら、それ相応の対応をすればよい。厚意には厚意で返すが、策略に対しては厚意を返さなくてもよい。

・状況を定義し直す。受け取ったものを贈り物ではなく、販売の手練手管だと考えると、厚意を返さなくてもよい。

・返報性のルールを逆手に取ることもできる。搾取の試みには搾取でお返しすべき。


【第3章 コミットメントと一貫性】

・ひとたび決定したり、ある立場をとると、自分の内からも外からもそのコミットメントと一貫した行動を取るように圧力がかかる。

→一貫性を持つと、その問題について真剣に考える必要がなくなり、楽に生きることができる。

・1度、自分の立場を明確にすると、行動をその立場と一貫させようとする強い力が自然と生じる。情報が少ない段階で行った予備的な判断にも影響を受け、最終段階の決定をその予備的な判断と一貫させようとする。

(例)クリスマスプレゼントを約束した親

(例)寄付依頼の電話をかける人達が、まず、気分や体調を聞いてくる。

(例)朝鮮戦争の間のアメリカ兵捕虜

・段階的要請法
→最初に小さな要求を飲ませ、それから関連するもっと大きな要求を通す。

⚠︎︎小さなコミットメントは、種類の異なるもっと大きな行動をさせる。なぜなら、自分自身を見る目が変わるから。

(例)安全運転の看板

(例)州の美化に関する嘆願書→安全運転の看板

・他者の自己イメージを操作するために、小さなコミットメントを利用出来る。それを使えば、市民を「公僕」に、見込み客を「顧客」に、捕虜を「協力者」に変えることができる。ひとたび、望むような形に自己イメージを変えることが出来れば、そのイメージと一貫したあらゆる範囲の要求を自然と受けれるようになる。

・コミットメントが影響を及ぼす条件
→「行動を含むこと」「公表されること」「努力を要すること」「自分の意志で選ぶこと」

・自分自身がどのような人間かを判断するとき、自分自身の行動を使って判断している。自分の信念や価値や態度についての主な情報源は自分の行動。

・人は、書かれた意見は書いた人の本心を反映しているとみなす生来の傾向がある。文章の作者が自由に意見を書いたわけではないと知っていても、そう考え続ける。

・他人に見えるような形で自分の立場を明確にすると、一貫した人間に見られたいばかりに、その立場を維持しようとする強い気持ちが生じる。自分の意見が広く知れ渡っているほど、体裁を気にしてしまい、意見を変えにくくなる。一貫性よりも正確さが重視される状況であっても、生じる。

・人間は、苦労して手に入れたものにより好意を持ち、またその価値をより信じるようになる生き物。

(例)チケットの値段を聞くために電話をかける

(例)南アフリカのツォンガという部族の謎の庭

(例)大学のキャンパスで行われる地獄週間

→死人が出るような過酷なものにも関わらず、通過儀礼がなくならないのは、「何かを得るために大変な困難や苦痛を経験した人は、苦労なく得た人よりも、得たものの価値を高く見積もる」から。

・自己イメージや将来の行動を変化させるのに最も効果的なのは、なんらかの行動を含み、人前で行われ、努力を要するコミットメント。

・人は自分が外部からの強い圧力なしに、ある行為をする選択を行ったと考えるときに、その行為の責任が自分にあると認めるようになる。

・自らを補強するコミットメントは、理由を新たに付け加えながら成長する。

・自己補強するコミットメントの悪用(承諾先取り法)
→相手に有利な誘いをかけ、決定を下させた後、最初に相手を誘った条件を取り除く。最初の柱(条件)を取り除いても、相手が下した決定は新しく建てられた支柱によって支えられると分かっているから。

→最初に提示された誘いによって、ある選択にコミットし、その誘いが除かれたあとも、それまで以上の熱心さで、その選択にコミットし続ける。

■防御法

・胃から送られるサイン
→自分でやりたくないとわかってることをやらされそうになると、胃がかたくなる。

・心の奥底からのサイン
→「今知っていることはそのままにして時間を溯ることができるとしたら、私は同じ選択をしただろうか」

・人が行う知的判断に先立って、感情的な反応が生じる。注意深く訓練すれば、認知判断を行う器官が働きはじめるほんの少し前に、その感情に気付けるようになるはず。

・一貫性へのこだわりは年を重ねるにつれて強まり、50歳を超えた人たちが最も強く、以前にしたコミットメントとの一貫性を保とうとする傾向がある。


【第4章 社会的証明】

・社会証明の原理
→人はほかの人たちが何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断する、というもの。特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、人はそれが正しい行動だと判断する。

・社会的証拠に対してあまりに無意識的、反射的に反応しているため、不完全な証拠やまやかしの証拠にだまされてしまう。

(例)テレビの演出で使われる録音された笑い声。偽物の笑い声と分かっていても反応してしまう。

・「自分で何を買うか決められる人は全体のわずか5%、残りの95%は他人のやり方を真似する人たちです。ですから、私たちがあらゆる証拠を提供して人びとを説得しようとしても、他人の行動にはかなわないのです」

(例)犬をこわがる子どもたちに、犬と小さな男の子が遊んでいる様子を見せると、その子どもたちは犬を可愛がるようになった。

・物理的証明によって、唯一の真実だと受け入れていた信念が否定されてしまったら、信念の正当性を支持する別の証明、すなわち、社会的証明を打ち立てるしかない。

(例)洪水の予言。秘密主義を貫いていた宗教団体が、予言が外れたことをきっかけに、熱心な布教活動を行うようになった。メンバーは、お金を使い果たしたり、後戻りできない状況にあった。

・どんな考えでも、それを正しいと思う人が多ければ多いほど、人はその考えを正しいと見ることになる。

・自分自身に確信がもてないとき、状況の意味が不明確あるいは曖昧なとき、そして不確かさが蔓延しているときに、人間は他者の行動を正しいものと期待し、またそれを受け入れる。

・曖昧な状況では、周囲の人たちが何をしているのかを知ろうとする傾向を皆が持つことにより、「集合的無知」と呼ばれる現象が生じる。

・多くの傍観者がいるときには、誰かが緊急事態に陥ってる場面に遭遇しても、人助けをしなくなる傾向が生じやすい。理由は、助けられそうな人がほかに何人かいれば、一人ひとりの個人的な責任は少なくなるから。

・不誠実さがあるときには、周囲を見渡して、ほかの人びとの行動のなかに手がかりを求めるのが、自然な傾向。ほかの目撃者がどう反応しているかによって、その出来事が緊急事態であるのか、そうでないのかを知ることができる。ただし、その出来事を見ているほかの人びとも、やはり社会的証拠を探し求めている場合が多い。

・都会だと援助されにくい
①都市のほうが騒々しく、注意が散逸されやすく、変化が著しい。
→自分が遭遇した出来事の性質を確かめるのは難しい。
②都市環境のほうが多くの人がいる。
→緊急かもしれない状況を目撃したときに、ほかの人がそばにいる可能性が高い。
③都市の住民のほうが、小さな町に住む人よりも、知り合いの住民の割合がずっと少ない。
→都市の住民のほうが、緊急事態を目撃したときに、見知らぬ人のなかにいることが多い。

⚠︎︎居合わせ「人たち」が忙しかったから誰も助けなかった?その出来事が起きた「通り」が混雑していたから、誰も助けなかった?

→人が集団になると援助をしなくなるのは、彼等が不親切だからではなく、確信が持てないから。

→助けを求めるときは、群衆から1人の人間を分離すること。

・社会的証明の原理は、自分と似ている人の行動を見ているときに最も強く作用する。

(例)浮き輪なしでは泳げなかった子どもが、同い歳の友達が泳ぐ姿を見て、同じように泳げるようになった。

(例)自殺報道には自殺した人と類似した人びとの自殺を促す傾向がある。(記事を読むことで自殺という考えがより合理的に思えるようになってしまう)

・人は、不確かな状況にいると、自分と似た人の行動を自分の行動の指針とする。

(例)ガイアナのジョーズタウンでの集団自殺。サンフランシスコの都会から赤道に近い南米の僻地へ移動したことで、「不確かさ」と「極度の類似性」という条件がそろった。

■防衛法

・状況のなかにあるほかの証拠(客観的な事実、自分が以前に体験したこと、自分自身の判断)にそぐわない反応をしていないかどうか確かめる必要がある。ちょっとまわりを見渡すだけで十分。

→多くの人々が同じことをしていると、自分が知らない何かを彼らが知っているに違いないと思ってしまう。特に自分で確信が持てないときは、群衆の集合的知識を過度に信用している。

→群衆の示す行動は誤りであることが多い。なぜなら彼らの行動はなんらかの優れた情報に基づいているわけではなく、彼ら自身もまた社会的原理の証明に反応しているだけ。

(例)バス会社のストライキが決行されたため、銀行の前のバス停には大きな人だかりができた。通りがかりに見た人々は、倒産しそうな銀行からお金を引き出そうとしていると勘違いし、その列に並んだ。それを見た別の通行人が慌てて列に並んだ。


【第5章 好意】

・ハロー効果
→ある人が望ましい特徴を1つ持っていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受ける。

・外見のいい人は才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると自動的に考えてしまう傾向がある。 さらに、決断を下すとき、身体的魅力が果たしている役割を意識していない。

(例)面接官、裁判官

・私たちは、自分に似ている人を好む。

→私たちから好意を獲得し、言うことを聞かせようとする人は、さまざまな方法で私たちと似ているように見せかけ、その目的を達する。

・わずかな類似性でさえ他者に対する望ましい反応を作り出すのに効果があり、見せかけの類似は簡単にでっちあげられる。「似たもの同士ですね」と近づいてくる相手には特に注意。

・肯定的なコメント(お世辞)は、それが真実であろうとなかろうと、そのお世辞を言う人に対して、等しく好意を生じさせた。

・多くの場合、馴染みのあるものに対して好意を感じる。

・ほとんど意識していないが、ある対象に対して私たちが取る態度は過去にその対象と接した回数から影響を受けている。

・繰り返し接触することで、なにかに馴染みをもつようになることは、必ずしもそれに対する好意を高めることには繋がらない。逆に、失望や対立、競争などが生じる不快な状況の下で、繰り返しある人やものに接触すると、好意は減少していく。

・不和を作るのに手間はかからない。グループに分け、しばらくグループごとに活動させる。それから双方を一緒にさせ、競争心が持続するように煽り立てる。これだけで、2つのグループの敵対心は煮えたぎるほどにまで高まる。

・共通の目標に向かって力を合わせ、首尾よくそれに成功することが溝を埋める。

(例)「優しい刑事・怖い刑事」

・連合の原理
→悪い出来事やよい出来事と、ただ関係があるだけで、人々によくも悪くも思われてしまう。

・悪い知らせを伝える者は疎まれる。人間には、不快な情報をもたらす人を嫌う傾向がある。たとえ、その人が悪い知らせの原因でなくても。

(例)古代ペルシャの皇帝の勅使

(例)天気予報士

・連合の原理は非常に強く(しかもまったく無意識のうちに)働くので、企業はいつも必死になって、自社製品と最新の文化的流行を結びつけようとする。

・悪い出来事やよい出来事と、ただ関連があるだけで、人びとによくも悪くも思われる。

(例)親が子どもに「悪い子とは遊ぶな」と言いつける。人は実際に友人と同じ特性を持っていると見なす。

(例)クレジットカードのマークがあるとより多くのお金を使う。

(例)「セール」という看板を出すだけで、値引きしていなくても売上が上がる。

→企業がプロのスポーツ選手にお金をかけるのは、彼らの役割に直接関係した商品や全く無関係な商品と彼らを結びつけるため。大事なのは、とにかく結びつきを作ることであって、論理的である必要はない。

・ランチョン・テクニック
→食事中に関わりのあった人や物をより好きになる。

(例)パブロフの犬

・他のすべての条件が等しければ、人は自分と同じ性別、同じ文化、同じ地方の人を応援する。その人が証明したいと思っているのは、自分が他の人より優れているということ。応援する相手が誰であれ、その相手は自分の代理になる。そして、その人の勝利は自分の勝利も同然である。

(例)スポーツ暴動

(例)サッカーファンによる選手や審判の殺害

(例)地元チームが勝利するとファンは「俺たちがナンバーワン」と叫び、自分自身と成功を結びつけるような表現をした。地元チームが敗北すると「彼らは負けた」と自分とチームのあいだに一線を引くような表現をする。

■防衛法

・「この人を知ってから、予期していた以上にその人を好きになってはいないだろうか」と自問することが大切。

・何か承諾の決定をする場合、承諾する内容とその相手に対する感情を分離する。何かの理由でその相手が気に入らないという場合なら、分離しなくてもそう悪いことにはならない。大きな間違いを犯しやすいのは、その相手に好意を感じているとき。

・取引のメリットと販売者を分けて考えて、判断材料には取引の中身だけを使う。買ったあと、家に持ち帰るのは販売者ではなく商品。


【第6章 権威】

・ある行為が正しいかどうかは、外見上の非常識さや有害性、不公平、あるいは常識的な道徳的基準ではなく、より高い権威の命令によってのみ決まる。

(例)ミルグラムの実験

(例)旧約聖書のアブラハム

・権威と認められた人からの情報は、ある状況でどのように行動すべきかを決定するための思考の近道を提供してくれる。

・盲目的な服従の場合、考えているのではなく、単に反応しているだけなので、明らかに不適切な行動をとってしまう場合も出てくる。

・医師が明らかな間違いを犯したときでも、階層構造のなかで、その医師より地位の低い人は誰も医師の判断を疑問に思うことはない。なぜなら、一度正当な権威者が命令を下すと、部下はその状況において考えることを停止し、単に反応するだけになってしまうから。

・「いかなるケースでも、患者や看護師、薬剤師、担当医以外の医師たちは、処方箋に疑問を持つことはない」

(例)「直腸の耳痛」(医師が感染症で痛みを訴えている患者の右耳に耳の薬を出すよう指示した。その医師は処方箋に「Right ear」と書かずRightを省略して「place in R ear」と書いた。処方箋を受け取った看護師は、耳の薬を患者の肛門にさした)

・カチッサー方式で反応するときには、しばしば権威の実体と同じくらい、その権威を表すシンボルにも影響されやすくなっている。

(例)長年医学博士のキャラクターを演じた俳優がカフェインの危険を警告し、ノンカフェインコーヒーを勧めるCMに出演。そのCMは好評を博し、コーヒーは売上を伸ばした。

・3種類の権威のシンボル「肩書き」「服装」「装飾品」

①肩書き

(例)高名な肩書きを持っていると、実際よりも身長が高く知覚される。

→「教授」として紹介されたときには、「学生」として紹介された場合よりも6センチも高く知覚されていた。

⚠︎︎個体の地位が支配力・優位性に基づいて決まる動物の社会では、個体の身体の大きさが集団内での地位を決定する重要な要因になる。

(例)病院の医師と名乗る人が看護師に電話をかけ、患者にある薬を投与するよう指示した。
①電話で処方が指示された(規定違反)
②その薬は認可されていなかった
③薬の量は1日の最大服用量の半分だった
④その看護師は電話の相手と話したことも見かけたこともなかった
にも関わらず、ほとんどの看護師が指示に従おうとした。

→看護師の自動的服従が、本当の権威ではなく、最も簡単に偽造できるシンボル(単なる肩書き)に反応して間違いを犯すほど徹底的に反応する。

〇服装

(例)詐欺師は権威を表す2種類の服装「警備員の制服」と「スーツ」を利用している。

・装飾品

(例)信号が青に変わってもすぐ前にいる車がなかなか発進しない場合、それが新型の高級車であるときには、旧型の大衆車であるときと比べて、ドライバーがクラクションを鳴らすまでの時間が長かった。

■防衛法

・権威をもつ力を十分に意識すること。また、権威のシンボルは簡単に捏造できると理解すること。

「この権威者は本当に専門家だろうか」
→権威者の資格
→その資格と当該の問題との関連性

・意味がないかもしれないシンボルに向かいがちな注意を自然とそこからそらして、権威の本当の資格について考えられるようになる。

→当該の問題と関係のある権威者と関係のない権威者を区別せざるを得なくなる。

・「この専門家は、どの程度誠実なのだろうか」

→言うことを聞くと、専門家にどのくらいの利益が入るのか、ちょっと考えることによって不適当で自動的な影響力に対抗する安全弁がひとつ増える。

→ただし、専門家の信頼性について自問するときに留意すべき点がある。自らの誠実性は、納得させるために使う戦術になる。

→些細な欠点を認めて自らの誠実さを印象づけ、それによってもっと肝心な論点を強調するときに、相手からより強い信頼を勝ち取れるようにしている。

(例)レストランのウェイター


【第7章 希少性】

・それ自体には本来ほとんど魅力を感じていなかったものが、ただ、それを見られる可能性が急速になくなりつつあるというだけで、あきらかにずっと魅力的になる。

・少ないものがベスト 失うことはワースト

・一般に、ある品物の数が少ないか、少なくなりつつあるなら、それだけその品には価値があることになる。

・普通は廃棄される理由となる欠点が、希少性と結びついたときには、価値を生む美点となる。

(例)不鮮明な切手、二度打ちされた硬貨など

・とりわけ危険性や不確実性の高い状況では、何かを失うかもしれないという脅威は、人間の意思決定に強力な役割を果たす。

・何が得られるかよりも、何を失うかという点から描写されていたほうが成功する。

(例)乳癌の自己診断検査をすすめるパンフレット

(例)「数量限定」戦術、「最終期限」戦術

(例)「最終時間」期限
→「独占・特別・公開、終了・間近」

・「後では手に入らないという脅しをかけて信じ込ませ、今欲しくさせることによって、取引についてあれこれ考える時間を与えない」

・心理的リアクタンス
→自由な選択が制限されたり脅かされたりすると、自由を回復しようとする欲求から、その自由(およびそれに結びつく物やサービス)を以前より強く求めるようになる。

(例)恐るべき2歳児、13〜19歳の時期

(例)ロミオとジュリエット

(例)ケネソーの銃法

(例)デイド郡のリン酸洗剤禁止法

・ほとんど例外なく、ある情報の入手を禁じられると、1層その情報を求めるようになり、その情報をより好ましく思うようになる。情報の受け手が情報を受け取ってもいないうちから、その情報を信じるようになる。

(例)大学生たちが、キャンパス内の男女共用学生寮建設に反対する演説が禁じられると知って、まだ演説を聞いてもいないのに、建設計画にますます反対するようになった。

→非主流派の政治団体にとって、もっとも効果的な戦略は、人気のない自分たちの見解を宣伝するのではなく、自分たちの考えが公的に検閲を受けるように仕向け、それから検閲を受けた話を公表するというやり方なのかも。。

(例)陪審員裁判では、提出された証拠や証言のいくつかを、裁判長が不採択と裁定し、陪審員たちにそれらを無視するように勧告することがある。

・情報の希少性さえ高ければ、それが検問を受けたものではなくても価値を置くようになる。

・希少性の情報に関するニュースそれ自体も希少なものであるという事実が、そのニュースの説得力をとりわけ高めることになる。

(例)クッキーの実験
・たくさんあったのに少なくなってしまった場合のほうが、最初から少なかった場合よりもクッキーに対する反応は明らかに好意的だった。

→革命の担い手となりやすいのは、よりよい生活の味をいささかなりとも経験した人びと。彼らが経験者、当然のものと当てにするようになった経済的・社会的改善が突然手に入りにくくなったときに、彼らは以前にも増してそれを欲するようになり、ときには武力蜂起をしてそれを確保しようとする。

(例)独立戦争、ドアーの反乱、南北戦争、

→自由ということに関して言えば、それをしばらくの間だけ与えることは、まったく与えないより危険。

(例)ゴルバチョフへのクーデター。黙って支配されることに慣れきっているソビエト人だからこれまで同様大人しく従うだろうと思われていた。しかし、非常に迅速かつ大規模な民衆蜂起が起こった。

(例)親子の関係。気まぐれに特権を与えたり約束事を押し付けたりする親は、我知らずに子どもたちに自由を与えているので、反抗を招く。

・前から希少であったものよりも、新たに手に入りにくくなったものを望ましいと感じる。

・競争相手につられて、ほかの場合なら見向きもしないような品が欲しくなり、我先にと争う。あるものの数が少なくなるだけでも、それが1層欲しくなるものだが、そこに競争が加わると、欲しいという気持ちはさらに高まる。

(例)バーゲンセール

(例)不動産のセールスマン

(例)動物集団で見られる、野蛮で見境なく食らいつく「餌の奪い合い現象」

■防衛法

・興奮そのものを重要な合図として使う。「希少性の原理が使われているかもしれない、用心しなくてはいけない」

・希少性の高いものは、それが手に入りにくいからといって、そのぶん美味しかったり、感じがよかったり、音がよかったり、乗り心地がよかったり、動きがよかったりするわけではない。

・それが欲しい理由を自問する。入手が目的なら、どれくらいの金額までなら出すつもりがあるか。主にその機能が欲しいなら、考慮の対象となっている品は、手に入りやすかろうと入りにくかろうと、それによって機能の善し悪しが変わるものではない。

(例)クッキーの実験では、少ないほうのクッキーは確かに望ましいと評価されたが、たくさんあるクッキーより美味しいとは評価されなかった。


【第8章 手っ取り早い影響力】

・人や物について何か決定を下すときに、利用可能な関連情報をすべて使ったりはせずに、全体を代表する1つの情報だけを使う。

・人間は関連する多くの事実を考慮に入れて、正しい決定を下す能力も持っている。実際、この地球で支配的な生活ができるのは、この情報処理能力がほかの種よりも優れているおかげ。しかし、この能力にも限界がある。より効率的になるために、豊富な情報を土台にした、時間をかけて行う洗練された意思決定から、より自動的で原始的な、単一の特徴だけに頼る反応へと後退することがある。

→返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性

・情報を完全に分析する気がなかったり、そうしようにも時間やエネルギー、認知的資源がなかったりする場合に、手がかりだけを使う傾向が強まる。

・急いでいるとき、ストレスを感じているとき、確信が持てないとき、関心が持てないとき、注意散漫になっているとき、あるいは疲れているとき、利用可能な情報にあまり注意を払わない。

→洗練された心的装置によって人間は1つの種としてこの世に君臨してきたが、まさにその心的装置が、あまりに複雑で変化の早い、情報過多の環境を作り出し、その結果、私たちは遠い昔に乗り越えてきたはずの、動物めいたやり方でこの環境を扱わざるを得なくなっている。

・下等動物には、外部の環境の複雑さと豊かさを十分に処理できるだけの心的装置が備わっていないが、人間も今後ますます、そうした下等動物と同じ立場に立たされるだろう。認知能力がもともとある程度欠けている下等動物と違って、人間の場合は、複雑な世界を急速に構築することによって、自ら欠陥を作り出してきた。

・決定を下すときに、状況全体を十分に考慮して分析する場面が減っている。「情報が多すぎて何も決められない状態」に陥ると、その状況のなかにある単一の、たいていは信頼できる特徴に注目するようになる。

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2024年04月22日

Posted by ブクログ

★5つじゃ足りません。マーケティングや行動心理学の古典にして超名作。しかも面白い。
販売やマーケティングの本は実に沢山あるけど、ほとんどのものはこの「影響力の武器」を希釈したように見える。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

この本を読み、売上を上げることに、悩まなくなりました。
最高の神本の一冊と断言できます。
音声版、著者のセミナーデータも入手して聞きました。

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2024年02月10日

Posted by ブクログ

ちょっと長くて読むのに集中力が必要な本なので疲れましたが、内容はとても良かった。

「影響力の武器」はマーケティングを仕事にしている方にとっては必須の本というイメージがあると思いますが、意外とそんなわけでもなく店舗販売などをしているのであれば当てはまるとは思いますが、集団の中で影響力を及ぼす方法などもたくさん書かれていて個人的にはそちらの方が面白かった。

また、本要約チャネルなどでもたくさん紹介されていますが、この本は社会心理学の本として普通に面白く、たくさんの研究や事例などが紹介されているので、紹介チャネルで済まさずに、自分で本を読む価値は高いと思います。

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2023年12月24日

Posted by ブクログ

営業、マーケティング向き。
返報性、権威などモノを売るとき買うとき、お金を使うとき使わせられる時、どんな反応が心理として起こるのか分かる

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2023年12月21日

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必読書。読むと読まないとではコミュニケーションに差が出そう。もっと早く読みたかった。

影響力の武器:
七面鳥の母鳥はヒナの鳴き声に反応してヒナを守る。天敵のイタチの剥製を近づけると攻撃するが、剥製の中からヒナ鳥の声を流すと抱き込み、声を止めると攻撃する。
このように本能的に反応してしまう自動的な動作パターンが人間にもある。
その影響力の武器を知っていると相手を操れてしまう。
例えば2番目に提示されるものが1番とかなり違う場合、それが想像以上に違うと感じる傾向がある(悪いもの→良いものの順に紹介すると、良いものをより良く感じる)


①返報性
・何かをされたら恩義を感じ、自分も同程度のものを返さないとと感じる。良いことも悪いことも
、相手への好感度とは無関係に。
・相手が譲歩したら自分も譲歩しないとと感じる→依頼側は依頼を拒否させた後に譲歩すると、2回依頼を通すチャンスがある。特に最初の依頼が確実に拒否されるくらい大きいと、譲歩後の依頼が通りやすい(譲歩的要請法)。
・譲歩された側は譲歩を受け入れると、自分が合意を取りまとめたと錯覚するため、責任感と満足感を感じる。

②コミットメントと一貫性
・一度ある立場を取ると自分の決断を正当化するため一貫した行動をとりたくなる。
・立場を公言(コミットメント)させることが大事。公言を目に見える形にすると公衆の目が気になり一貫した行動をとる。
・現状と異なるコミットメントをさせたいときは小さいことから公言させ、段々強めていくと自然と自己イメージを変えるため、自分でも気づかず立場を変えてしまう(段階的要請法)。
・人の感情は言葉より行動に現れるが、自分自身のイメージも自分の行動から判断している。
・自分が外部からの圧力(報酬や脅し)なくある行為を選択したと考える時に、その行為が自分の責任だと認めるようになる。子供のしつけにも外部からの圧力を感じさせず自分が進んで行動したと思わせるのが大切。
・最初に承諾した条件が取り除かれても自分の決断は変えにくい(承諾先取り法)。悪い条件しか提示できない場合も、先に小さなイエスを取り付ければ不利な選択で人を満足させられる。

③社会的証明
・ある行動をする人が多いほどそれが正しい行動だと判断しやすい。例:テレビの笑い声、予め入れられたチップ
・自分に確信が持てない時や状況が不確かな時、他者の行動を参考にし、それが正しいと判断しやすい。
・しかしそのような状況の時は他者も不確かな中行動しており、集団的無知が発生しやすい。
・助けが必要な人がいる時、目撃者が自分一人なら助けるが、周りに人が大勢いると誰かがやるだろうと無視しがち。
・特に自分と似た人の行動に従いがち。
・群れの心理を操るには、数人を自分の望む方向に向ければ、残りの人は機械的にその数人に従う。

④好意
・接触回数が多く馴染みがあると感じると好意を抱きやすい
・協力すると好意を抱きやすい
・似ている場合や褒められた場合も好意を抱きやすい
・身体的魅力が高い人に自動的に好意を持つ(ハロー(後光)効果)
・良い出来事と関連がある人には良い感情を、悪い出来事と関連がある人には悪い感情を抱きやすい(連合の原理)
・自分が事象の原因でない場合も、その事象が良い場合は自分と結び付け、悪い場合は切り離そうとする(ファンのチームが勝てば「我々の勝利」、負ければ「彼らの敗北」)
・一緒に食事した人には良い感情を抱きやすい(ランチョン・テクニック)

⑤権威
・権威者から命令されると無条件に服従しやすい。小さい頃からの社会的なしつけの影響(親や先生に従う)
・権威者のシンボル(制服など)に反応しやすい
・防衛するには権威者は本当に専門家か?誠実か?を問う

⑥希少性
・手に入らないと欲しくなる(数量限定、期間限定)(希少性の原理)
・物にも情報にも希少性を感じる
・新たに生じる希少性には、より力がある(沢山あったものが数少なくなる。一度手に入れた自由が制限される)

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2023年10月26日

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ビジネス書の名著としてよく見かける一冊。
「人はこうしたときに心が動くよ」ということを7つに分けて書かれている。
見た目は分厚くて気後れするけど、読み始めると面白くてつい読んでしまった。
著者の体験談が多く書かれていて、説得力がある。
人に何かして欲しいなら、まずは自分から。

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2023年10月15日

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相手からされたことに無意識のうちに行動する内容を教えてくれる本。
読めば必ず確かにと思える内容であり、読む事で気をつける事が増える。

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2023年10月11日

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返報性や希少性など人間の思考・行動について、どうしてそのような行動をとるのかを心理学の観点で学ぶことができます。

ページ数が多く読むのが大変ですが、本書で紹介している思考・行動と自分の生活と照らし合わせ、「あるある」と思いながらとても面白く読むことができました。

個人的に、"他人から何かを与えられたら、それ以上のお返しをしなければならない"と考える返報性については、自身の生活の中でも心当たりがあり、思わず「ふむふむ」と納得してしまいました。

情報が溢れ返る現代社会において身を守る術として、本書で学んだことを活用したいと思います。

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2023年09月02日

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人が物事を判断する際に、何にどのように影響を受けるかをまとめている一冊。
セールスや恋愛、交渉事などにおいて、これらの法則がいかに組み込まれているか認識されられる。

①返報性②コミットメントと一貫性③社会的証明④好意⑤権威⑥希少性

マーケティングや説得術、人を動かす本は沢山出ているが、本書一冊を読み込めば基本となる考えは理解出来るであろう。
また、分厚い本ながらも、実例も多く解説しており、読みやすい点も良いと思う。

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2023年05月25日

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・影響力の武器
参与観察
→自分が何者であるか、どういう意図を持っているのかを隠したまま、関心を持っている環境に潜入して観察すること。
結論は、人間をイエスと言わせる手段はたくさんあるように思えるが、まとめると以下6つの要素が強く作用する。
①返報性の原理
②コミットメントと一貫性
③社会的証明
好意
⑤権威
⑥希少性

七面鳥の母鳥の話。
七面鳥の母鳥はヒナを大切に扱う。ただひなが泣いた時だけ自分の羽で守る。ある時七面鳥の天敵であるイタチを用意したら、最初はイタチに攻撃耐性を取っていた。イタチからヒナの鳴き声を鳴らすと、イタチでさえも羽の下に覆い被せた。即ち七面鳥の母鳥は音に反応している事がわかった。
いわばロボットと同じ。
これを固定的動作パターンと呼ぶ。

人間行動の原理の一つに
理由を添えると頼み事が成功しやすくなる。
というデータが出ている。

高いもの=いいものという人間の頭の中に刷り込みがある。逆も然り。
ただほど高いものはない。

コントラストの原理。
最初に凄いものを見せて、2回目にしょうもないものを見せるとする。
しょうもないものを最初に見せるだけよりも、比較してしょうもないものを見せた方がよりしょうもないものだと見えてしまうこと。
同じものであっても、起こった事象の前の出来事次第で、感じ方が全く違うこと。
高いものを先に見せて、後で安いものを見せると、安いものを比較する対象はその前に見せられた高いもの。財布の紐が緩む瞬間。
当て物、中物、決め物みたいな感じ。
車のディーラーも同じ。高い買い物したら財布の紐が一気に緩むから、オプションつけるのイージーになる。

レビュー書いてくれたら5%オフ。よりも
5%オフをプレゼント。もしよかったらレビュー書いて。
の方が返報性の原理からすると、自分の頼んでいたことが通りやすくなるため、レビュー数が増える。
逆の立場からすると
「あなたは賄賂を受け取ってはならない。賄賂は目のあいている者の目を見えなくし、正しい人の言い分を歪めるからである」

人は、恩義を受けたままでいると、何か落ち着かない気持ちになるようにできている。
この状況を逆手に取れれば、マーケティングセンスが一気に上がりそう
恩を着せられ続けている人は、社会的に嫌われる。
誰しも嫌われたくないから、恩を返そうとする。

拒否したら譲歩
大きな要求をして、断られる(こちら側も譲歩)→次にホントにお願いしたい内容を要求(一度こちらが譲歩したことにより、相手も譲歩しないといけない気分になり、受け入れられる)
クロスセルも容量は同じ

本当に寛大な人か返報性の原理を悪用する人かの見極めは、最初の段階で見極めは極めて困難。
先に相手から親切を受けた場合、返報性の原理に従うと恩を返すべきである。
ただ相手が必要以上に見返りを求めてきたり、計画的に親切をしていたことが判明したときには、その行為に見合ったやり方で返報すればいい。

知識や教訓を先に教えておいて、最後にアップセル。
コンサルやるとなった場合、先にある程度の情報を教えておいて、そこから今の状況だったら最後にこれ買っておいた方がいいかもね。に落とし込む。最悪、リスト頂戴で譲歩したら成約率UP。

人はとある決断をした場合、それに見合った(一貫した)行動をとるように圧力がかかる。
自分を正当化する。よく言われるのが「人は感情でものを買い、論理で正当化する」この部分。

親の一貫性を利用したセールス
・おもちゃ屋さんでクリスマスが終わった途端に売り上げが減少する問題。
これらを解決するために親の一貫性を利用した。
内容は、クリスマスの前月からCMでとあるAというおもちゃのCMを流す。
すると、親子でAというおもちゃを買う約束をする。
実際おもちゃを買いに行くとAは品薄でBというおもちゃを代替品として購入。
クリスマス終了後にAのCMをばんばん打つ。
すると子供がそれをみて、またほしい約束したじゃんと吠え出す。
1月~2月に店頭に足を運ぶとAの在庫はたんまりある。
するとクリスマスは代替え品で売り上げを伸ばし、1月~2月も売り上げを維持できる。
親の一貫性(子供に嘘を付けない)に付け込んだマーケティング手法。

返報性の原理で出てきた「拒否→譲渡→承諾」これは大きな要求をして、無理だよね~と譲って、ならこれは?と小さなハードルのものを要求する。
コミットメントと一貫性では、小さなものを受け入れさせることで(コミットメント)、次に依頼された一個上のステージの要求も受け入れなければならない状況を作る(一貫性も利用)
一個前の依頼の内容が、「人の道をただす」いわば道徳的な内容であれば、その後に依頼する大きな内容(道徳的であれば)依頼は通りやすい。
道徳的な部分にコミットメントしている&一貫性のある行動をとりたがる

一度コミットメントし、行動にまで移してしまったら(移させることができたら)
一貫性をもった行動をその後取るから、コミットメントと小さな行動がカギを握る。

コミットメント(洗脳)することで、相手の今後の行動をとある方向に導くことができる。

コミットメントの方法は、紙に書かせること。
書かせた内容を公表することで、他の洗脳が決まっていない人々も洗脳させることができる。
昔、クーリングオフという法律ができたての頃、お客様に契約書を書かせることで、クーリングオフ制度を利用する人が限りなく減ったとか。

人は判断をひとたび公表させてしまうと、その判断を変えることは難しくなる(一貫性)

煙草をやめたい人がいたとする。
その人が、良く思われたいと思う人5人をピックアップして、5人に対して手紙で煙草を吸わないと書く。すると嫌われたくない一心で吸わなくなる&これも結局一貫性。

新聞などがそうだが、あえて値段を公表しないことで
「値段を調べさせる」という行動をとらせる←コミットメント
何度も書いた通り、一度コミットメントさせてしまうと、あとは簡単。

コミットメントにも濃淡あり、濃ゆく深くコミットメントした場合、緩いコミットメントした人よりも、所属組織への信頼や面白みが倍増している。

社会的証明
人は状況がわからない時の方が、万人の意見を採用する。

好意
シンプルにツラのいい人は強い。(カラー効果)
自分に似ている人には興味を持ちやすい。共感の重要性。
ザイオンス効果。
イメージ効果。(広告使ってる人によって商品のイメージが変わる)

権威感
肩書き、服装、車、装飾品

希少性
数量限定、期間限定、最新のもの、競争してじゃないと取れないもの。

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2023年04月19日

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ネタバレ

人を動かすための心理トリガー6つを学べる名著。
改めて人を動かす、動く部分を言語化した内容

あとで内容見返すためにも要約っぽく書きますと

①返報性
→まさにギバーとテイカー思想の話にもなるかと。
まさに昔の言葉で言う仁義かな?
人は与えられるとお返しをしなければならないと無意識に思う、という話で心理トリガーとして基本中の基本

②(コミットメントと)一貫性
→宣言したらそれをやめられなくなるというもので、自分に都合がいい情報を取りに行くという性質で、例えば、最初から細かい話をせずにワクワクさせる→ではやります→ここから細かい話をしていく(後出し)、そうすると本来やりますの前に聞いてれば契約してなかったのに、、、というもの。
小さなyesの積み重ねもこれに該当

③権威
→錯覚資産とほぼ同義。なのでこちらは略

④社会的証明
→売れてるもの(行列など含む)が美味しく見えたり、数字がいいと報道されてるものは体験してみようとなる。
まさに先日幸福の科学の映画のサクラ話なんかはここに該当(自分だけがわかればいいシリーズなので恐縮ですが)

⑤希少性
→残りわずかです。限定です。など今しか買えないに人は動くというもの。

⑥好意
→好きな人に言われると、本来そうじゃない人に言われてることであれば否定できても、同意してしまうというもの。

上記の6点、改めて普段の生活の中に紛れてますよね。
40年くらい前のビジネス書の鉄板なので、やはり伸びてる会社や普及してるサービス、できるビジネスマンはやってるなぁ、と。

今後の自分の仕事にも取り込まなければ、と思えた本でした。

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2023年03月05日

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日常で使われているテクニック満載。なんとなく知っているものの言語化されると納得感がある。実例が散りばめられ理解が深まる。ただ、長い実例は読み飛ばしもあり。私は一貫性とコミットメントの原則は知らなかったので重点的読み込んだ。自身の日常生活でどう使うか想像力がかなり試される。一個一個の原則で本が書けそうなくらいの内容がまとまっておりかなりの良書。

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2023年02月23日

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ネタバレ

こんなにも簡単に人間は動かされてしまうということを学んだ。まず、人間には固定動作パターンがある。 これは、「カチ・サー」と表記されていた。
①返報性…誰でも親切や贈り物、招待などを受けるとそうした恩恵を与えてくれた人に対してお返しをしたくなる。 これは自分自身とても感じていることであった。私はよく相手に何かもらったらそれ以上の物を返さなければならないと考えがちであった。本書にも書かれていた通り、「不公平な交換」を引き起こすとはこういうことだと実感した。

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2022年08月17日

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●分厚い本ですが、読み始めると止まらなくなる面白さでした!社会心理学に興味がある人にオススメです。

●私たちが影響を受ける要因は、「返報性」「コミットメントと一貫性」「社会的証明」「好意」「権威」「希少性」の6つ。どれも心当たりがあるものばかりです。

●これらの要因を使って儲けよう♪って話かと思いきや、その逆で、これらを悪用する人に反逆しよう!っていう話でした。なので、各要因の防衛法が書かれています。

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2022年08月09日

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面白かった!
この本は一つの題に対して、沢山の事例が書かれているから理解度もかなり高まる。また読み返そうと思えた良書でした!!

また、もっと心理学について学びたいなとも思った!

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2022年08月06日

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サービスのUX設計のために、行動経済学を学ぼうと読んだ一冊です。
返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性という私たち人間が影響力を受ける場面をわかりやすく解説してくれています。
何かを仕掛ける側として、商品の売り方、お願いの仕方、サービスの設計の仕方などあらゆる場面で活かせる知識を得られたと思います。
一方で、一消費者として世の中には心理学上の原理が存在するということを知れたのがよかった。自分が置かれている局面や、自分の判断がどういった原理に基づいているかということを認識し、冷静な判断ができるように心がけたい

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2023年12月23日

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肌感覚として、感じていたような傾向をしっかりと言語化してくれている一冊でした。
「影響力の武器」を意識しつつ、生きてくことで少しは、人に左右されずに自分の人生を歩むことができることができるのかなと思います。

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2024年02月23日

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人を心理的に動かすことの原理について知ることができる。

【概要】
●人間の自動的反応(カチッ・サー)という習性
●プロが相手にイエスと言わせる6つの原理
 返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性

【感想】
●心理学的な観点から人がイエスと言ってしまう習性を説明しているので説得力がある。
●自分が置かれている環境と照らし合わせつつ読むと、なるほどと思える部分が多いが、このとおりにはならないだろうと思える部分もある。それは著者がアメリカ人であり読み手が日本人だからかもしれない。
●そう考えると、日本人向けの「影響力の武器」があっても面白いかもしれない。

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2023年08月18日

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ネタバレ

人の習性や本質から見た、世の中の商売を分析した本。
ついついモノを買ってしまったりしてしまう原因がわかる一冊。
商売や営業をする人、人間関係に悩む人、余計なものを買いたくない人などは一度は読んだ方がいいと思う。
特に、返報性、コミットメントはたしかに!とうなる部分が多かった。
知っているだけで余計な出費は減りそう。

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2023年06月21日

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言い回しや事例がいかにも洋風って感じで馴染みがあまりないテイストだったが、分厚さといろんな実験のおかげで深く影響力の武器とその恐ろしさについて学んだ。面白かったところを何点か。

・理由をつけると頼み事が成功しやすくなる。「〜ので」
・コントラストの原理:二番目に提示されるものが最初と大きく異なる場合、実際以上に異なってると思ってしまう。
・「返報性の原理」より、余計なお世話をされた場合でも恩義の感情が生まれてしまうこと。親切を受けたままだとモヤモヤが残ること。あえて大きく出て拒否させた後に譲歩が効果抜群。
・「一貫性の原理」より、一度決定を下したり、ある立場をとる(コミット)と内外から圧力がかかる。たとえ決まり文句的な言葉でも、発せばそれに沿おうとする(元気でやってますなどの社交辞令とか)。望むような形に相手の自己イメージを変えることができれば、その人は新たな自己イメージと一貫したあらゆる範囲の要求を自然と受け入れるようになる。一貫性が働くには、行動を含む、公表される、努力を要する、自分の意志で選ぶ(そのように思わせるよう誘導する)こと。
・「社会的証明」より、多くの人がそう考えていれば、それが十分な証拠になってしまうこと。その状況に馴染みがなければないほど。類似性という声質もある。自分と似た人の行動を真似がち。逆に言ってしまえば、みんなが同じ意見の時は、問題に敏感になるべき。また、一人がある行動を取ることにより、その集団も突き動かされていくのではないか。
・「好意」より、セールスマンはまず、私たちが彼らを好きになるようにしむけ、公正な価格とこの人から買いたいと思わせる人格で勝負する。ハロー効果とは、ある人が望ましい特徴を一つ持っていることによって、その人に対する他者の見方が大きく影響を受けること(外見がいい人は、親切、誠実、知性があると自動的に捉えられがち)。外見が魅力的な人は被援助力や説得力が備わる。自分に似ている(性格、経歴、ライフスタイルなど)人を好む。人はおめでたいほどお世辞に弱い。馴染みのあるなしが知らぬ間に人の好みに影響を与える。協力が好意形成に絶大な影響。
・「権威」より、肩書き、服装、装飾品を権威のシンボルとすると、他の人々からの承諾が格段に得やすくなる。
・「希少性」より、手に入りにくくなると、その機会がより貴重なものに思えてくる。それは人間が、自由な選択が制限されたり脅かされることに対する反発心に起因する。

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2023年06月12日

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返報性の原理、コミットメントと一貫性、好意、社会的証明、権威など人に影響力を与える仕組みについて。
丸め込まれそうになった時、このような罠にはまっていないか振り返ると良いと思った。

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2023年05月14日

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社会や世の中の仕組みや裏側がちょっぴり分かったような気になれる本。
心理学に興味ある人や、相手との駆け引きが好きな人にはおすすめしたい。
何度も読み返したい本。
知らない幸せ(知らぬが仏)って考えもあるので、心理学に興味ない人は読まなくていいかな。

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2023年04月02日

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1 どんな本?
「何故人は承諾してしまうのか?」を学術的な観点
から説明してくれる本。分かっちゃいたけど深く考
えて無かった事にフォーカスした本。

2 何で読んだの?
(1) 今年の最後の課題図書。名著で終わりたい。
(2) 単純に人間の行動原理と仕組みを学びたい
(3) 上手に世渡りして行く一歩目

3 構 成
8章構成445頁
まえがきで本書に至る経緯から始まり、8章で本書
のまとめと設問で終わる。各章影響力の説明、防衛
方法、設問という順の構成になっていて理解度の確
認や復習が出来て学びにとても役立つ。

4 著者の問題提起
何故人は動かされるのか?(承諾するのか?)

5 命題に至った理由
長年カモの地位に甘んじていた著者が承諾の研究
に興味を持った事から。

6 著者の解
六つの原理が承諾を引き出している。それは人類
が獲得した省エネの素晴らしい機能だが悪用する者
もいる。理解すれば詐欺師達から自己防衛できる。

7 重要な語句・文
(1) 返報性の法則(お返し)
ア 強力であり、望まない行為をして貰っても働
く。 不公平な場合もあるが持続的な人間関係を
築く強力な機能
イ ドアインザフェイス(拒否したら譲歩法)
ウ 計略だと思ったら恩ではない。(防衛法)
エ ノブレスオブリージェ(位の高い者は多くを
要求される)
(2) コミットメント一貫性(ポジションの表明)
社会的な評価、低燃費、日常生活に便
ア 承諾先取り法⇄自分を支える柱を築かせる。
イ 要素
積極的コミットメント(行動)、社会的評
(目)、辛い思い(労力)、公共の利益
ウ 防衛法は感情にフォーカスする事
(6) 社会的証明(みんながやってる)
ア 類似と不確実(要素)
イ ウェルテル効果(類似する他者に正解を感じ
る効果)
ウ 他者や集団の意見だけで無く自分の考えをプ
ラスする事(防衛法)
(7) 好 意(この人から買いたい)
ア ハロー効果
一つの長所でその人の評価が良くなる事
イ 共同作業で好意は上がる。(競争は逆効果)
ウ 防衛法は好意と行為が関係無い事をする事。
(8) 権 威(だって権威が言ってるから)
ア 権威が及ぼす影響を皆軽く見ている。
イ 要 素
肩書き、服装、装飾品(車も)
ウ 本当に専門家か?と問う。(防衛法)
(9) 希少性(今逃したら・・・)
ア 心理的リアクタンス
持っていた権利が無くなりそうになると出る
心理的抵抗。大分強力。
イ 禁じられた情報を信じる、好む傾向にある。
ウ 防衛法は希少性を除いた価値、実力にフォー
カスする事。

8 感 想
解っちゃいるけど深く考えたことの無い内容だっ
た。
刺さったのはハロー効果助かっている事が多々あ
る。
深く知りたい事は防衛法を使う時に意識的になる
方法。気付かないうちに騙されそう。
人に勧めるなら権威の影響を舐めてる事。権威っ
てすげー。
タイトルの影響力の武器は分かりづらいので私な
ら承諾の要素にする。
各章冒頭に写真で章を表現していて設問でしっか
り回収しているのが秀逸

9 TODO
(1) 長所を磨く。(体力、計画、訓練)
(2) 外見を大事にする。(服装)
(3) 手伝って共同作業にする。
(4) 辛い時ノブレスオブリージェを想う。
(5) 物は実力主義。機能美を。(デザインも機能)
(6) お願いはドアインザフェイス

10 問 い
何でやるの?(買うの?)
11 答 え
楽だから。(考えたく無い)

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2022年12月29日

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どうやって人に影響力を与えるか、臨床結果から学術的に列挙されている。下手なハウツー本とは違って説得力がある。

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2022年10月16日

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■前提
著者は、アメリカの社会心理学者でアリゾナ州立大学教授。心理学とマーケティングを教えている。この本も、マーケティング的な要素を心理学的に丁寧に説明してくれる。特に社会実験の引用(403件!)にとどまらず、実際にセールスマンや募金活動。広告主など承諾勧誘のプロの世界に潜入し、彼らのテクニックや方略から「人間の承諾」のメカニズムを解明している点も納得度が大きい。

本書ではそういった人間の心理を巧みに利用する悪い人たちに「騙されない」ために、心理学を知るべきだ、と言っているが、若干ネガティブアプローチであると思う。どちらかというと、こういう心理的操作があるのかと知り、うまくビジネスに落とし込んでいくほうが、価値があると思う。

■学んだこと
扱われている6つの原理は、人の進化の過程で獲得してきた心の仕組みに基づいている。そのため、誰かが意図的にこの仕組みに働きかけると、自動的に受けてのスイッチが入ってしまい、頭で考える前に反応してしまう…時には望んでいないのに「イエス」と言ってしまうことになる。

*マーケティングにも、マネジメントにも、子育てにも、あらゆる人が関わっていることに関しては、この6つの原理は使える。*

現代はあらゆる選択肢が増えた時代。ビッグデータによって自身の思考行動も把握されやすくなっている時代。その中で、意思決定が過去とは違い、明らかに大きくスピード感を持って行われなくてはいけない時代になっている。なので、普段信頼性の高い単一の情報だけで決めるということになりがちである。
*自分は、ただ「反応」しているだけではないか、再度自分に問いかけたくなる一冊。*

<6つの人間行動をつかさどる心理原理>

・返報性:「受けた恩は、返したくなる」という人間の心理。例)試食したら買ってしまう

・コミットメントと一貫性
例)アンケートで「今後ボランティアをやりたいと思う」と答えた人ほど、実際にボランティアを依頼された際に参加する傾向がある。※あくまで強制ではなく自分の意志
・社会的証明
例)取引会社の公表→多くの企業と取引していることから、信頼性やサービスの安定感を創出

・好意
例)好きな営業マンから買いたい

・権威
例)有識者、専門家の推奨付き物件

・希少性
例)季節限定商品

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2022年07月09日

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 鮮やかなブルーのカバーとタイトルが印象的で、本屋に積まれていることも多く目立っていたことから購入、読んでみた。
 人の態度や行動を変化させる心理的な力、特に相手にイエスと言わせる武器として、著者は6つの心理学の原理があるという。すなわち、①返報性(恩恵を受けた人に対して将来お返しをせずにはいられないという気持ちになること)、②一貫性(ひとたび決定を下したりある立場を取ると、そのコミットメントと一貫した行動を取るように圧力がかかること)、③社会的証明(特定の状況で、ある行動を遂行する人が多いほど、それが正しい行動だと判断すること)、④好意(人は自分が好意を感じている人に対してイエスと言う傾向があること)、⑤権威、⑥希少性である。
 こうした原理は、社会的動物である人間が効率的かつ円滑に社会生活を営む上で必要であるからこそ根付いているものであり、これらのルールに従えば多くの場合、人は合理的な行動ができる。しかし、そうしたルールをうまく利用、場合によっては悪用したテクニック、方策を用いて、セールスマンや募金勧誘者、広告主などの承諾勧誘のプロは、人を「承諾」に導いている。ではそうしたプロに対してどう対応したならば良いのか、著者はそれぞれについて防衛法を伝授してくれる。

 本書では、いかにもアメリカらしい様々な実験に基づく社会心理学的な知見や、著者自らがプロの世界に潜入した体験、読者からのレポートなど豊富な素材を元に具体的に説明がされており、参考になるところも多いし、大変面白く読むことができた。

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2023年10月16日

Posted by ブクログ

本書では、人が相手の意見を承認し行動する際の思考パターンが6つ紹介されている。

自分で冷静に判断したと思っていても、じつはバイアスだったなんて・・・。
営業とか勧誘とか、この6つの手法でカモにされてきたわと、再確認。

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2023年08月13日

Posted by ブクログ

承諾誘導のテクニックは次の六つに分けられる。
返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性。
返報性とは、与えられたものは返さなきゃいけない。
一貫性とは、一度コミットし始めたものはやり抜きたい。
社会的証明とは、他の人が絶賛してるから良いものだろう。
好意とは、好きな人が言ってることは正しい。
権威は、お偉いさんが言ってるから正しいのだろう。
希少性は、数少ないから大事なものだろう。

これら六つは実生活でもセールの場面でよく見受けられるテクニックなので、それを分かった上で見ていると楽しい。

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2023年01月01日

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