【感想・ネタバレ】同心亀無剣之介 殺される町のレビュー

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Posted by ブクログ

久々の「同心亀無剣之介シリーズ」最新刊!!!!!
あのヌーボーとした癖毛がひどく、諦めない捜査法から『ちぢれすっぽん』と、身もふたもないようなあだ名を付けられ、江戸町民に浸透しているシングルファーザー。
隣にはやり手と評価が高いが、実のところいつもトンチンカンな迷推理で困らせる与力の松田兄妹が住んでいる。まだ幼い娘、おみちの世話をしてくれるのは松田の妹、志保。

このキャラクターを十二分に生き生きと物語をつくているのが、我らが「風野真知雄」先生。

今回も、いろいろなシチュエーションの事件を解決する。

ヌーボーとしたヒーロー健在の新刊だ。

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2022年07月22日

Posted by ブクログ

安定の面白さ。中年の悲哀とくたびれ感を纏った、冴えない風貌の同心。だが、推理力、剣術ともに天下一品。そんな同心が難事件を解決して行くのが痛快。等身大のヒーローに親しみと爽快感を覚える。

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2022年05月05日

Posted by ブクログ

時代物には珍しい倒叙ミステリー。
ただこの手の作品にはよくある、探偵は一見冴えないキャラクター。
縮れた髪の毛と名前から『ちぢれすっぽん』という酷いあだ名を付けられている臨時廻り同心・亀無剣之介。
だが名前の通り剣の腕と推理力は卓越している。
シリーズ第六作は三編。

人気の手妻師が瓦版屋を、有名料理屋の主が土地を買い占めようとした豪農を、堅物の駕籠かきが相棒を殺したそれぞれの事件を解き明かす。
倒叙方式なので犯人はあらかじめ分かっているが、明かされていない部分もある。どうやって殺したのかやその動機など。そこを亀無と一緒にこちらも考えていく楽しみがある。

亀無の立ち位置は何とも掴みどころがない。
出世欲があるわけではないし、罪を犯した者を許さないという強い正義感があるわけでもない。
最終話には彼の心の内が明かされている。

『真面目に、こつこつと、いじましく、おどおどしながら、派手なこともせず、なにが楽しみなのか自分でもわからないまま無事が一番と生きてきた』
『下手人をひとりあげても喜びがこみあげたことなどあっただろうか。いつも徒労のような気がする。殺すのも徒労。捕まえるのも徒労』

だが犯人の巧妙な計画を暴くためなら必死に頭を働かせているし、巧妙な犯人にお前がやったのだと突きつけるためには多少のはったりや罠も仕掛けている。
敢えて言うならば、最終話にあるように詰み将棋のような感じなのだろうか。

相変わらず隣人で与力の松田重蔵が面白い。頭が良すぎて毎回『珍推理』を亀無に押し付けている。
だがそれがちょっとしたヒントになることもあるから馬鹿に出来ない。
松田の妹・志保との関係も全く変わらない。傍から見れば両想いだろうに、亀無には一歩進む勇気がない。亡き妻との間に生まれた娘・おみちもすっかり馴染んでいるし、隣家で行き来もしょっちゅうだし、このままで良いのかも知れない。

※シリーズ作品一覧
★はレビュー投稿あり
①「わかれの花」
②「消えた女」
③「恨み猫」
④「きつね火」
⑤「やぶ医者殺し」★
⑥ 本作 ★

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2022年06月16日

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