【感想・ネタバレ】燕は戻ってこないのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

感情タグはまだありません

Posted by ブクログ

ネタバレ

桐野さん。
OUT読んで、強烈なボディーブローをくらい、もうたてないかもと思いつつも手を伸ばし、
グロテスク読んで、一発KO。
KOしてからなかなか立ち直れず、ようやくハピネスを読んで、耐性ができたのか、それとも内容にグロがなかったせいか、やっぱりすごいな、桐野さん大好きだと断言してしまう。
そして、今回。
うーーーーーーーーーん。すごい。好きとか嫌いとか吹っ飛ばして人物が生々しく生きてる。

とりあえず、大石ぐらが心配です。健やかに育ってほしいけど、あくまで第三者的目線でしかないところに苦しさを感じる。けど、感じたところで偽善なのかなと、もやる。

0
2024年05月23日

Posted by ブクログ

北海道の田舎町から上京し、憧れの東京で働くリキ。

思っていた状況とはとはかけ離れ、貧困生活を送りながら暮らしていた。
そんなとき同僚のテルから、お金になるからと、卵子提供の仕事を紹介される。
不安ながらも、貧困から逃れるためにクリニックへと向かうが、そこで代理母出産の話を持ち掛けられる。悩みに悩んで引き受けることになるのだが…。

単純に考えれば、子供を持つことが難しい夫婦にとっては希望の光なのだが、
じっくりと未来を見据えて考えるとやはりいろんな障害が立ちはだかるし、
代理母にもリスクは大きすぎることのほうが多い。

ただ、貧困がそうさせるのであれば、虚しさは大きい。


代理母の依頼者夫婦は、夫はプライドが高く、妻は優柔不断すぎてイライラさせられた。
リキも子供を産むということをビジネスと とらえようとしてるからか、危ない橋を渡ってしまう(ヒヤヒヤ)

しかし、ラストに意外な展開があり 少し清々しい気持ちになった。

500近いページ数なのに一気に読み終えた。

0
2024年04月25日

Posted by ブクログ

いい作品でした^_^僕は女性じゃないから子どもを産んだ、産むまでの時間がわかんないけど、お腹にいる時間は母親になるまでの時間なんですねー^_^
悠子さんも偉いなー^_^

0
2024年04月18日

Posted by ブクログ

考えさせられる作品でした。
桐野夏生さんの作品は「OUT」の印象が強く、怖くてなかなか読めていませんでした。

東京に憧れて上京しても、テレビや雑誌で見るようなオシャレなカフェや洋服を楽しむことは誰もができることではない…
貧困でどうしようもなく選ぶことになった選択。私ならどうするのだろうと終始考えながら読みました。
ここに出てくる男性はほとんどが最低でしたが、特に基の考え方が利己的で嫌でした。

最後は、私には意外な終わり方でした。読み応えがあり、おもしろかったです。

0
2024年04月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

桐野さんはほんとに人間の醜悪を書くのがうまい。一言で下品と片付ける人もいるけど、その下品さが人間を人間らしくしている。あっけらかんとしている登場人物たちも清々しく感じる。桐野さんは海外を絡めて書くことも多い印象だけど、今回は国内完結で、それも分かりやすくてよかった。

0
2024年04月11日

Posted by ブクログ

いまは小説にかかれるような題材であったとしても、この先の日本で現実に見聞きする話になりそう。基、悠子、リキ、それぞれの感情の揺れ動きが丁寧に描かれていて、それぞれの感情を味わうことができた。りりこの存在も面白かった。

0
2024年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

テーマが、良いと思った。卵子提供、代理出産。はてどんな風に描かれているのか、一気に読んだ。

リキが挑んだ自分の卵子を提供しての代理出産は、日本の不妊治療のガイドラインから外れているし現実的ではないと思ったが、一度夫婦は離婚して不妊治療をし、出産したら離婚してまた元の奥さんと再婚し、子を育てるという流れ。これはうまくいきそうな気もしたし、あるかもしれないと思った。

子供を10ヶ月お腹の中で育てるのは毎日気を揉む。それを代わりにしてもらうのはとてもじゃないけど一千万では足りない気がする。とにかく毎日命懸け。

29歳でこの決断をしたリキ、不育症で代理出産を選んだゆうこ。代理母は途中で止めることはできないんだろうなとは思うけど、ゆうこがとにかくクルクルと考えが変わるのでヒヤヒヤした。このやり方も一つの生殖だ、私の生殖と言ってみたと思えば、離婚して復縁する気はない、育てるのはできない、姑とリキと基の3人で育てて欲しいと言ってみたと思えば、赤ちゃんを見た瞬間、育てたいと変わる。
これは揺れ動く人の心をうまく表していると思うけど、人間を育てるってそういうことじゃないよと思った。赤ちゃんは皆可愛い、でもすぐ大きくなる、可愛くない時期もあるし、頭を抱える日も来る。
10ヶ月という期間はもう親になる準備段階に入ってるんじゃないのかなと思った。もし代理出産を決めたのなら、決めた時点からこころをクルクルべきではない、代理母に寄り添って自分ごとのようにしないとね。その期間、自分も一緒に親にならないといけなかった。ずーっとぐちぐち悩んでて、そんなんで子供育てられるの?と思ってしまった。

一方で基は、最初なに、自分の遺伝子を残したいみたいなこと言って何様って思っていたけど、最後、りきが産んだ子供は誰の子であろうと育てる、遺伝子鑑定もしないと言った。その時この人は妊娠中のリキと何度かぶつかりながら進んできたので基は10ヶ月の間に少しずつ親になっていたんだなと思った。

最後、りきは一人連れていった。
わたしにはできない、2人子供がいてどっちかを選ぶなんて。でもあの終わり方は一番良いと思った。それしかないような気がした。

0
2024年05月25日

Posted by ブクログ

子供ができない人。
子供だけ産む人。
育てるだけの人。
等々。。。。
様々な人の様々な考えや行動を考えさせられますし,思いを感じることが出来ます。
さらには今後はどうなるのだろう社会は。。。と考えてしまいました。。。

0
2024年05月24日

Posted by ブクログ

テーマは代理母出産。
倫理的な問題や精神的な深刻さよりも、依頼する側・受ける側のそれぞれの気持ちの変化や身勝手さが人間らしい。身体と心は切り離せないから、性や出産をビジネスにするのはホント難しい。

0
2024年05月19日

Posted by ブクログ

女性の貧困、卵子提供、代理出産、生殖医療ビジネス。
子供が欲しいが望めない夫婦
貧困から抜け出すために代理母を引き受ける女性
登場人物たち皆が自分勝手で傲慢で。言っていることがコロコロ変わる。それぞれの葛藤や苦しみが渦巻く。だがそれが人間。簡単に割り切れるものでもなく、揺るぎない思いを貫くことなんてなかなか出来ない。
人間はモノにはなれない。

0
2024年05月13日

Posted by ブクログ

さすがに、すでに定評のある作家の作品は、乾いた文章の連なりにも関わらず、全体としては、湿度と厚みと生々しさを感じとれるような、重みのある読後感を残す。
ストーリーの面では、結末には、やや違和感を感じた。いろいろな終わり方が予想されたが、それを採ったか・・、と。この結末を選ぶということは、主人公にとっては、仕返し・・とはいかないまでも、自らが払った重い犠牲や負担に対して、きっちりと代償を要求する、というのがメインテーマになるのかな。

0
2024年05月11日

Posted by ブクログ

GWの最後に一気読み。相変わらず人間の昏いところ、自己本位、いい加減さをジワジワと炙り出して、おそろしい。桐野夏生ワールドに、またしても『してやられた』感あり。もう少し先が知りたいところ。

0
2024年05月06日

Posted by ブクログ

設定があまりなくて、とても面白そうだったので、本作を手に取りました。手に取った時は、出産後の話がメインに書かれているのかなと思ってましたが、実際は出産前の葛藤が描かれており、そこに人間らしさが見られ、個人的には面白かったかなと思います。

本作のテーマは「代理母出産」。妊娠が出来ない女性の代わりに人工授精等で出産するというもの。本作の主人公は、困窮した生活から逃れるため、バイト感覚で代理母出産を引き受けます。本作では、その代理母出産の決断から受精、妊娠、そして出産の過程が描かれます。

代理母出産というテーマを通して改めて、通常の出産に向き合うことができる作品であるように思いました。特に、妊娠に必要な性行為やパートナーとの関係性、身体的な痛みを伴って産まれた子どもへの愛情など、各フェーズごとに主人公が自分の感情と向き合う姿が印象に残りました。

男性の自分では絶対に出来ない、こうした未知の領域を疑似体験できるのが、読書の良いところだなと改めて思いました。

0
2024年05月04日

Posted by ブクログ

NHKドラマ化の帯を見て購入。

悠子さん…勝手すぎないかい?

貧困、代理母、契約、題材的には面白く、内容もスラスラ読める1冊。

0
2024年05月02日

Posted by ブクログ

立場によって感じ方が違うかもしれない。
最後の場面は子供のことを考えると、少し戸惑う。
リキの言動はリアルだと感じた。リキとテルの対比も良い。
考えてみると登場人物全てが勝手気ままな自己都合で動いているのかもしれないが、案外自分もそうだなと思う。

0
2024年04月29日

Posted by ブクログ

NHKでドラマ化と知り、読んでみました。
文庫では結構厚い本ですが、あっという間に読み終わりました。草桶夫婦、とくに悠子の気持ちはわからなくもないけど、あまりにもころころ考えが変わりすぎて、共感できず…一方、りりこがかなり個性の強いキャラなのに、最後の方は一番リキに寄り添ってて、最初と最後の印象が大きく変わった人物でした。
これを映画化じゃなく、地上波でドラマ化ってどうやるんだろうと、興味津々です。
久々の桐野夏生作品を読みましたが、やっぱりすごかった。

0
2024年04月25日

Posted by ブクログ

北海道から憧れの東京へ出てきたものの、非正規雇用の生活で困窮し「代理母」をすることになった29才のリキ。
自分の遺伝子を残したいと、不妊症の妻と共に代理出産を求める43才のバレエ教室を経営する基と妻悠子。
人工授精、妊娠、出産と進むうちに乱れる三人三様の思い。
生まれた子供は誰のものなのか?
子供とは誰かの物なのか⁈
私は愛のある出産や子育てを体験できたが、そうではない人たちも実際にいるんだろうなぁ、としみじみと思いました。
そしてそんな出産、子育てで育った子供達はどんな出産をしていくのか?

0
2024年04月12日

Posted by ブクログ

代理母になることを選択したリキ
彼女の考えや行動が10代の子なら、まだわからなくもないけれど…

責任感の無さにイライラがとまらない。
もちろん、迷いがあったり孤独を感じたり共感する部分が無いわけじゃないけど、ビジネスとして捉えて命を産み落とす選択をした以上、せめてその期間は…
実際の夫婦で浮気をして、夫の子ではないかもしれない。という話とはまた別だと思うのだけれど。

最初は悠子の気持ちが、とてもよくわかったけど。
彼女も、基も、とても自分本位。子供たちの幸せを願います。

0
2024年04月19日

「小説」ランキング