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東京近郊に広大な敷地を持つ百目鬼家は、大正期の女流作家、百目一葉を世に出した旧家。その息子夫妻が屋敷内で刺殺され、遺産の整理と鑑定を請け負ったSYアート&リサーチの小川と真鍋、アルバイトの永田は新たな殺人に遭遇する。古い河童の絵と謎めいた文の意味するものは。Xシリーズ、待望の第4作!
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Posted by ブクログ
いつもの真鍋と小川さん(時々椙田さん)に永田さんが加わって、会話がより面白く感じた。 小川さんと友達になりたい気持ちが膨らんでいく、、、。 椙田さんはやっぱりまだそういった活動をしていたのだな、というのがわかってなんだか安心した。 紫子さんはどうしてるのかな、と思った。
Xシリーズの文庫は、帯が太めで、紙がざらりとした質感で好きです。本編を読む前に、表紙の絵と、帯の質感を楽しんで、それから中に入っている栞の詩を読むのが好きです。SMシリーズからずっとそうしてきているので、森先生の講談社文庫の小説を読むときの、一種の儀式のようにも思ったりします。 Xシリーズの1巻目...続きを読むを読んだときは、えらくあっさりしているな、いやSMシリーズもVシリーズもあっさりしていたけれど、と思ったものでしたが、だんだんと色が変わってきました。タマムシ色というか、ある角度から見ると驚くほど透明で、またある角度から見ると濁っているように思うほど濃厚で、毎回それを体験しては、ううむさすが!と唸っています。 猫目トーチカさんが解説の部分でもおっしゃっていますが、これまで森先生が培ってきた読者との「信頼関係」をあますところなく使っていて、特にエピローグの会話は鳥肌ものです。たぶんXシリーズから入るひとにも理解できるような造りにはなっていると思うのですが、SM・Vシリーズを体験してきていると、まるで走馬灯のように、つまり自分自身が経験してきたように、あああのときの事件の、あのときの彼の行動はつまり…と、ふいに過去の体験が現実に繋がって意味をなす瞬間を感じます。 どかんと突き飛ばされるような衝撃ではなくて、どちらかといえば、あと数時間遅れてこの場所に来ていたら、私も事故に巻き込まれていたのかも…とうすら寒くなるような、そんな衝撃がじわじわと心を侵食するのが、恐ろしくもあり楽しくもあり。
秘密めいた家族、広くてなにがあるのかわからないお屋敷。大好きなミステリーの舞台だったが今回だけは人物に引き寄せられました。一葉が一番惹き付けられたかな。それにしてもレギュラー陣に謎が多すぎる。
面白かった。 探偵役としては頼りないけど、小川さんは今までに読んだシリーズの中で一番魅力的な人物だな、、、。
東京近郊に広大な敷地を持つ旧家・百目鬼家の屋敷内で老夫婦が刺殺される事件が起きる。老夫婦の遺の整理と鑑定を請け負ったSYアート&リサーチの面々は新たな事件に遭遇する。Xシリーズ第4作。 SYアート&リサーチに新たなメンバーが入り、少しにぎやかになります。森博嗣作品は刊行順に読むと、...続きを読む登場人物の関係や動きがわかりやすくなります。
再読。Xシリーズ4作品目。お金持ちのお屋敷で起こった殺人事件……ではなく、そこの遺産整理をする小川さん達。近作の「歌の終わりは海」に少し似ているように感じた。以前読んだ時よりしんみり。再読っていいもんだな。
森博嗣ミステリイ、Xシリーズ。探偵が「どーん」と解決みたいな派手さはないけど、小川さん、永田さん、真鍋君のやりとりが面白い。 犯行の動機や、表紙の意味など、感慨深いところも多い。面白かったっす。
森博嗣Xシリーズ第4弾 樋口一葉と河童の関係がどうもよくわからないが、ストーリーは面白かった。今回は、前3作と少し展開が違っているのが印象的で、椙田の出番がかなり多かったと感じた。今回のメインの登場人物である一葉が、小川と同じような年齢で、親近感を持っていたためか、小川の心理描写が多く、なかなか胸...続きを読むにグッとくるものがあった。 真鍋と同級生の永田とのやりとりも面白い。やはりこのシリーズもミステリーというより、物語中の人間模様が魅力的なのではないだろうか。真鍋くんと永田さん、いい雰囲気。真鍋くんの、早とちりして恥をかくのはちょっと、という気持ちに共感する。 この事件の結末は結構意外に思ったが、椙田はわかっていたのだろうか。最後はやはり、以前のシリーズを読んでいると、おまけの楽しみが付いてくるといったかんじだろうか。 解説が漫画家の猫目トーチカさんで、漫画の入った解説というのはちょっと新鮮だった。この人の真鍋くんと永田さんはこういうイメージなのか。
『常軌を逸した短絡的な判断だが、自分の命よりも大切なものを守ろうとした。』 Xシリーズ第4弾。タイトルからエピローグまで、首尾一貫してリーズニングの連鎖で描写されている。森作品の大部分は、ファクトベースで話を展開してこの辺りの解釈をオープンにする傾向が強いため中々新鮮。 「血」というコンディショ...続きを読むンは、「性」というそれと、非常に類似した性質を有する。いずれも「命」とともに授かるものであり、「生」に多大なる影響を与えうる。これらが「命」よりも大事なものになってしまったとき、できることは「生命」を断ち切ることだけ。なんとも皮肉な話である。
血筋が起こした切ない一家騒動。 秘密を知ったが最後という怖ろしさがあるのに、儚くて美しくて、切ない。
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