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ワイン、マティーニ、泡盛……酒の数だけ事件がある。恋人と婚約したばかりの女性が自殺未遂をした。真相を追う神父が何者かに襲われるが……(怒りのアイリッシュウイスキー)。茶道の師範である「私」が通うカウンター・バー。界隈で起きる事件と人間模様の行方を追う、切れ味と芳醇さを兼ね備えた連作ミステリー! 著者の作家生活40周年を記念し『マティーニに懺悔を』を原題に戻して刊行。【解説/関口苑生】
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Posted by ブクログ
わかりやすいヒーローもののミステリーとも言えますが、ちょっと私は苦手でした。 暴力をもってすべて解決するのがなんとも。 表の顔と裏の顔、二面性があるのは嫌いじゃないのですが。 なんとなく主人公を好きになれず。
古武術(我流)達人だが、お茶の師匠でもある主人公 バーでいつもの仲間とゆるく飲んでいるだけなのに もめ事が飛び込んでくる・・・ ラストはイタリアマフィアまで絡んできた
初期の大沢在昌作品と同じ匂いがした。現在の今野作品程の良い意味での丸みを感じさせる文章ではなかったが、その萌芽を感じることはできた。
一見強くない生業をしてる男がめっぽう強いシリーズ。作動とのギャップが良い。脇役たちもいいキャラを演じているので続編やスピンオフ企画があれば是非読んでみたい。もっと苦戦する場面があればなお良し。
初期の今野敏作品が実業之日本社文庫から復刊され、手に取ってみた。現在では警察小説の大家と認識されつつある今野さんだが、今読んでみると色々と興味深い。 主人公の「私」は、表の顔は茶道の師範である。だが、実はもう1つの顔があった。行き着けのカウンター・バーに集う、神父のベンソン、恋人の菫(すみれ)...続きを読む子、そして店主。そんないつもの面々には、なぜか物騒な揉め事が持ち込まれ…。 全8編、簡単に言ってしまえば、真っ直ぐな勧善懲悪物の連作短編集である。血気盛んにして正義感が強いだけに、毎度毎度危険地帯に突っ込んでいく面々。例外的展開も一部あるものの、固定フォーマットで1編当たりも短く、すいすい読めてしまう。 「私」が茶道の師範と聞いて思い出すのは、やはり初期の作品で講談社文庫から復刊された『茶室殺人伝説』である。その流派、聞いたことあるなあと思って記憶をたどると、やはりそうか。現在の警察小説には見られない格闘描写が、初期作品には多い。 組織論とかある意味面倒な要素は皆無。意地悪く言えばひねりがないかもしれないが、悪人はとことん悪人なので、ヒーローが際立ち、1編読み終える毎にてスカッとするだろう。「私」の父にはさすがに唖然としたが。短編にそんなネタをぶち込むとは…。 そういえば、講談社文庫から復刊された『奏者水滸伝』シリーズのメンバーには、遠田という茶道家がいたなあ。やはり講談社文庫から復刊された『特殊防諜班』シリーズ、同じ実業之日本社文庫から復刊された『デビュー』など、初期の作品群のテイストに通じる点は多い。 失礼ながら、本作自体にそれほど語るべき点はないが、作家今野敏の原点が感じられるという点で、貴重な作品と言えるだろう。自分自身、『ST』シリーズ、『安積班』シリーズ、『隠蔽捜査』シリーズなどから今野敏作品に入ったので、新鮮に感じられた。 最後の1編だけは、さすがにハラハラしたぞ。その辺のヤクザを相手にするのとは、訳が違う。ここで、手を回したのは…伏せておくことにする。それにしても、この面々が、揉め事に関わらず平穏に暮らせる日は、来るのだろうか。
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