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歴史は輪廻する――混迷極まる政治。相次ぐ災害。そして戦争へ。日本が歴史的転換を果たす動乱の十年間を描いた、空前のエンターテインメント巨編を、語りの魔術師・古川日出男の完全訳で。 解題=佐伯真一 解説=池澤夏樹 月報=高畑勲・安田登
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Posted by ブクログ
古川日出男さんのリズミカルな短いフレーズがなんとも心地良い。古典を全文読むのは初めてで感動。 2924-007
「平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集)」(古川日出男 訳)を読んだ。 ええ読みましたとも。 訳者あとがきまで含めて880頁。 原文は『祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、云々』のところぐらいしか知らないけれど、この古川日出男さんの訳文は見事だと思うな。 まさに琵琶の...続きを読む音に合わせて歌うような語りかけるようなリズムだものな。 畳みかける饒舌さが良いです。 単なる英雄譚ではなく人の弱さを余さず語るところが平家物語の真髄か。 しかしまあ誰も彼もよく泣くのね。 『赤地の錦の直垂に紫裾濃の鎧を着て』とか『赤地の錦の直垂にに唐綾威 の鎧を着て』とか『朽葉色の綾の直垂。その上に赤革威の鎧』とか誰も彼もオシャレだしね。 あー面白かった。 今このときの『安◯派』の凋落ぶりを見るにつけてもまさにまさにおごれる人も久しからずということでございますでしょうか。嗚呼!
2022年1月からアニメ「平家物語」と大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が始まらなければ、私はこの本を読もうと思わなかったかもしれない。とはいえ抄訳版の『平家物語』(角川ソフィア文庫)を持っているくらいには好きで、だが本書の情感の深さは抄訳版とは比べものにならないほど違った。 小松殿こと平重盛の清...続きを読む廉でどっしりとしたたたずまいへの敬意がそこかしこから感じられる。その嫡男で富士川の戦いや俱利伽羅峠の戦いに敗れ、断ちがたい妻子への思いに苦しみながら入水する維盛への温かい眼差し。その訃報を聞いた弟・資盛の嘆き。世を儚んで兄より先に逝った清経の絶望。アニメはこの本を原作としているが、重盛の子どもたちを軸に描いた理由がよくわかる。 文体は「琵琶法師による語り聞かせ」であることを重視し、短く、わかりやすい。だから圧倒的に読みやすい。合戦の場面では琵琶の数を増やし、合いの手を入れ、躍動感に溢れていて、まるで演芸場で実際に琵琶語りを聞いているような臨場感さえある。武士の直垂や甲冑の色まで細やかに描写されているから、情景が鮮やかに浮かぶ。その背景となる平安時代の自然もさぞ美しかっただろう。 特に一の谷の戦いから壇ノ浦にかけて、平家の武将が次々と討ち死に・自害していく様は圧巻で、哀切極まりない一人一人の死に様が胸に迫り、いつまでも読み終わりたくないと思うほど世界観に浸れた。 殺し、殺される男と生き延びて後世を弔う女という2つの視点が強調され、”男”の物語は維盛の嫡子・六代御前の処刑で終わる。”女”の物語は清盛の娘で安徳天皇の母・建礼門院が最後を担い、この世の栄華も苦難も全て見たと語り静かにその人生を終えていく。「穢土から浄土へ。」その一文に尽きる。一貫して鎮魂と祈りを込めた物語なのだ。 これほど長大な古典文学を飽きずに読ませるすばらしい現代語訳をして下さった古川日出男さん、二段組みにせず読みやすい文字の大きさを保ちながら四六判ハードカバー・厚さ4.5㎝の美しい装丁に仕上げた出版社やブックデザイナー、製本所など関係各所の見事な仕事ぶりにも深く感じ入っている。
初めて平家物語を読みました。 長い!!! 800Pはなかなか読み応えのある内容でした。 読み終わったことに満足しました。
なかなか苦労して読んだ。感じたことを記す。仏教にまつわる話、表現がかなり多い。俊寛が哀れすぎる。配流の島に行ったことがあるだけに、その思いは募る。俊寛のみ許されず、配流の島で亡くなった。源氏挙兵のくだりは興味深い。平家たちの「聞き逃げ」は遊女たちに笑われた。私も笑った。清盛は意外に早いところで亡くな...続きを読むった。平家も源氏に勝つ戦いもある。悲恋もある。間違いなく名作である。
生者が、死者が、怨霊が、物怪が、語る平家の没落の物語。明確な作者が存在せず、無数の琵琶法師たちにより形成された本作は、このようなポリフォニックな無数の声により形成された稀代のエンターテイメント作品である。 本書は古川日出男による平家物語という古典の現代語訳である。その訳文は死者の世界にいる無数の琵...続きを読む琶法師たちとの一種の霊的な結びつきにより示されたのではないか、と思うくらうの完成度を誇る。それは何よりも、この物語が、恋愛、戦争、政治紛争、災害、物の怪への恐怖、家族との情愛など、人間が生きる上での様々な要素を余すことなく盛り込んだ一大エンターテイメントであるということを完膚に伝えることに成功している。 正直に言って最初のページを繰る手が重かった本作であるが、やはり歴史を経た弩級のエンターテイメント作品の面白さというのは途轍もない重力がある。池澤夏樹監修の日本文学全集の中の一冊であるが、この平家物語の役者に古川日出男を選んだ同氏の慧眼に感謝したい。
ついに読み終わりました。 読みやすかったし読み応えあった。 複数の語り部がいる複雑さを見事に表し、琵琶のリズムを巧みに躍らした文章だった。 悲哀に満ち満ちた、敗者、弱者に寄り添う物語。 何百年も時を隔てたその物語の登場人物に感情移入出来ることが素晴らしく、時を超えた読書だった。
読み終わった達成感がすごい。 飽き性で、書き下し文で読むの辛い…とか思ってたので、口語訳・しかも琵琶法師の語り口調で書かれていたのは、語調に引っ張られるようにぐいぐい読めて楽しかった。 それにしても、平家のことよく知らなかったけれど、平清盛ってあんなに破天荒な人だったんだァ…と今更衝撃。
完訳というのは素晴らしい。900頁近くある大作だけれど、読みやすく一気に読んだ。 それにしても、断片的な知識というのは勘違いが多いということをあらためて思い知られた。こうして物語を通読してみると、切れ切れのエピソード同志の因果関係が理解できて、頭の中がすっきりする。
声が幾つもの鳴り響いている。『平家物語』は単一の語り部ではなく複数語り部が物語を継ぎ足した、だから声は幾つもある。 異なるvoiceの集合体だ。だからこれはミックスされた物語としてある、古川さんの作品を読んだ人ならわかるだろうが、古川日出男という作家は幾つもの声を、voiceが鳴る小説を書いてきた。...続きを読むそして、DJのように繋ぎミックスしている。だからこそ、『平家物語』が古川日出男訳で新しく形になることは極めて正しいと読みながら思う。 幾つもの声が鳴り響いている。諸行無常、あらゆる存在は形をとどめないのだと告げる響き。
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