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短歌とビジネス文書の言葉は何が違う?共感してもらうためには?「生きのびる」ためではなく、「生きる」ために。いい短歌はいつも社会の網の目の外にある。読んで納得!穂村弘のやさしい短歌入門。
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Posted by ブクログ
これは素晴らしい本 あえて一貫した論理を導入することで見えてくるものがあるし、めちゃくちゃタメになった 生きると生き伸びる ここの違いは新しい視点になったし今までの自分のさまざまな価値判断の基準も、多くがここに結びつけれるような気もしてきた ここに掲載されている短歌は本当にどれも全部素晴らしく唸...続きを読むらされるし、改悪案によって最初はほんのりとだけ感じれていた良さがよりわかりやすくなる、で、このやり方は色々応用効きそうだなって思う
「社会的=コンビニ的」というように、より印象に残る言葉、おもしろい言葉をおもしろく解説していておもしろかった。 コンビニ的でないことが肯定される世界に安心感を覚えた。
ある短歌に対して改悪例を示すことで、どこがその短歌の持つ魅力だったのかを浮かび上がらせる。それは社会的価値(資本主義的的価値)からは逸脱したもの。でもだからこそ短歌にとっては必要なもの。 社会からはみ出た私が短歌に潜むもの。短歌の魅力って面白い。
歌集を何冊か大人買いしたのですが、短歌について無知な為、その頭で読んだらもったいないので、まずこの本を読んで短歌とはなにか勉強しようと思いました。 以下は、読みながら書いたメモ書きです。 ・新聞記者で詩人という人も世の中にはいる。穂村さんは総務課長で歌人。でも違う文章の使い方をする。 ・存在...続きを読むしなくても死なないもの。 ・正常の価値観とは違うもの。 ・本当に好きだと思うもの。 ・死ぬ日に覚えている思い出が一個でも多い人生がより良い人生なのではないか。 ・反コンビニ的というか反社会的。 ・「生きる」の「生きのびる」に対する非対称性。 ・社会化された訓練からもたらす改悪。短歌とは。 ・留学生の日本語。その神秘的な間違いに素敵な回路が誤作動する。 ・大事なことをわざと書かない。 ・短歌のリズム→五七五七七を崩す。 ・いいオノマトペは心に上書きされる。 ・誰が詠んでもOKですが、素敵なことを詠むと失敗します。 ・いい短歌はいつも社会の網の目の外にあって、お金では買えないものを与えてくれる。 感想 私は短歌的な発想はないごくごく普通の人なんだなあとつくづく思いました。
短歌の良さは日常の常識からのズレ。 休みの日は、会社の私ではなく私個人として、 五感を大切に、もっともっと無駄なこと、 意味の無いことにも目を向けよう。
なんとなくで感じていた詩歌の良さが分かりやすい言葉で説明されていて、とても良かった。 生きのびることと生きることは別物で、私が時折感じる社会に馴染めない感覚は私の中で大切にしていて良いんだ。
短歌の本だと思って読んだら、哲学書でした。 穂村さんのエッセイは好きなんですが、歌人穂村弘はよくわかっていなくて、だからこの本は短歌の入門書だろうと手を出さずにいたことを後悔。もっと早くに読んどけばよかった。 読みながらにやにやしてしまう瞬間はありつつ、でもかなり過激でアツイ内容でした。「生きる...続きを読む」と「生きのびる」の考察とか。 もちろん、短歌の本としても素晴らしい本でした。添削ではなく改悪例ってのがとてもわかりやすかったです。
穂村弘(1962年~)氏は、札幌市生まれ、上智大学文学部卒、1986年に連作「シンジケート」で角川短歌賞次席(同年の受賞作は俵万智の『サラダ記念日』)、1990年代には加藤治郎、荻原裕幸とともに「ニューウェーブ短歌」運動を推進した、現代短歌を代表する歌人の一人。エッセイスト、絵本の翻訳家等としても活...続きを読む動している。 本書は、2013年度の慶應丸の内シティキャンパスにおける短歌の入門講座(全6回)をもとに編集され、2014年に出版、2016年に文庫化されたもの。 私は、アラ還が近づき、仲の良い友人グループの何人かがSNSで歌のやりとりを楽しんでいるのを見て、本書を手に取ったのだが(現代短歌といえば、これまで俵万智しか知らなかったが、数ヶ月前のNHK番組「趣味どきっ! 本の道しるべ」に出ていた著者に共感を覚えていたこともあった)、とても興味深く、また、著者の軽妙な語り口にしばしば笑いを誘われる、楽しい本であった。 他の短歌入門書がどのように書かれているのかはわからないが、本書はいわゆるハウツー的な書き方はされておらず、短歌とは「生き方」に結びついたものであること、それ故にどのように詠まれるべきかが自ずと導かれること、が繰り返し述べられている。そのポイントは、概ね次のようなものである。 ◆いつ誰がどんな順番で死ぬかわからない世界で、人間は、替わりの効くシステムが用意されている人生(会社における課長「代理」のような)と、一人ひとりにかけがえのない絶対的価値のある人生(家族のような)の二種類の生を二重に生きている。前者の生き方は「生きのびる」、後者の生き方は「生きる」、とも表現できる。 ◆上記を言葉で文章を書くという行為に置き換えると、前者は「新聞記事」を書くようなもの、後者は「詩・短歌」を書くようなものと言え、よって、詩や短歌は、唯一無二の言葉で表現することをめざす。 ◆短歌においては(シンプルに言うと)、社会的に価値のあるもの、正しいもの、値段の付くもの、名前のあるもの、強いもの、大きいものはNGであり、社会的に価値のないもの、換金できないもの、名前のないもの、しょうもないもの、ヘンなもの、弱いものの方がいい。 ◆「生きる」ために大事なものを測る尺度は、「忘れられないかどうか」であり、良い人生か否かを決める尺度は、死ぬ日に覚えている思い出が多いか少ないかである。 短歌の詠み方を語りながら、人の生き方をも説いた、出色の一冊と思う。(著者のエッセイもぜひ読んでみたい) (2021年2月了)
「煤」「スイス」「スターバックス」「すりガラス」「すぐむきになるきみがすきです」 社会的な尺度の裏側に佇んでいた、 もうひとつの自由で愉快な人間生活の世界に丁寧に気付かせてくれた。 普段見過ごしがちなその人その人の感性を愉しむことだったりや経験に想いを馳せることの豊かさがあった。 だから、社...続きを読む会という枠組みを取っ払った中での、 その人固有の人間性だったり、 身の回りのひとときの記憶に 近づいてみて、大切に見つめていければなぁと思えた。 また、二重の世界で生きることを、ただ息苦しく感じるんじゃなくて、その間で揺れる心があることが人間生活の贅沢だったりするのかも。 そう考えると、日々なんとなく気が抜けてほんの少し前向きになれる。 あと、「生き延びる」・「生きる」という考え方のように自分の身の回りにおける立ち位置を言語化して意識下におくことや積極的にスタンスを立てるようなことは、 ほかのたくさんのものに応用できることだと思うし、 新しい視点を授けてくれる頭のつかい方だとも思った。
優しく読みやすい文体で書かれている。講演をもとにした本らしい。 "生きる"と"生きのびる"の対比がなるほどと思った。 対比と言っても、相反するものの二項対立ではないことを覚えておきたい。画家、作家、芸人などの生きるためにやってることで生きのびている人もいる。...続きを読む自分で企業する人もそうだと思う。 自分にはええかっこしいな部分がある。これは生きのびるためのスタンスだと思う。これで得した部分もあると思うが、反面、どうも素直になれない自分もいる。素直になることは、この本で述べられている、生きるということでもあるような気がする。紹介されている短歌はその人がどう思ったかが、ありのまま伝わって来るようだった。良い短歌は素直な短歌でもあると思った。
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