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“敗戦”後の近未来日本。I国から帰国したばかりの〔探偵〕は新興宗教団体・別天王会での連続不審死事件の捜査協力を依頼された。姿の見えない獣が出現するというその事件は、〔探偵〕が口を閉ざす過去、行動を共にする奇妙な少年・因果と密接な関係があった――坂口安吾『安吾捕物帖』原案のアニメ「UN-GO」の劇場公開作を脚本家自身がノヴェライズした「因果論」に加え、小説版オリジナルの前日譚100枚を特別収録。
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Posted by ブクログ
TVアニメ『UN-GO』の前日譚。敗戦探偵・結城新十郎とその助手・因果に隠された過去、秘密、そして真実の物語。映画『因果論』は結局見に行けなかったため、「ノベライズが映画本編ソフトよりも先にリリース」という報を聞いて手に取ったわけだが、いやはや参った。面白すぎる。内容の奥深さ、世界観の構築、新十郎が...続きを読む抱える苦悩の巧みな書き込み。全てが渾然一体となった、強烈な知的興奮。読んでいる最中、まるで脳の錆びついた部分に上質な油を差されているかのような気持良さを感じていた。素晴らしい。新十郎はなぜ、真実を求め続けるのか。その答えはここにある。
「UN-GO」の劇場公開作を脚本家自身がノヴェライズした「因果論」、小説版のオリジナル前日譚100枚を収録。 UN-GOを知らなくても単体で読めるしっかりした作品で、アニメや映画を知っているとより楽しめると思う。 アニメも映画も見たことがないから、見てみたいかな、と期待が生まれる作品。
映画・因果論のノベライズ。映画ともちょっと違う展開もあり、映画を先に観てた私も楽しめました。 因果の淫靡な描写にドキドキですた(^艸^) あと、海勝邸デカイさにもビックリ(笑) アニメや映画では表現されてなかったこの世界の歴史も細かく書かれていて、會川昇さんはここまで構想してたのか!と驚くばかり。 ...続きを読む一気に読んでしまいました!
アニメが良くて、でも映画はみてなかったのでこの小説版はとても嬉しいです!お財布にも時間にもやさしいなぁと思っていたのですが、結局読み終わってみると、やっぱり映像化された因果論も見たいしアニメも見直したいし、むしろ原案にも手を出したいしと、欲望が広がるばかり。いい販促だなぁと感心しきりです。 特に、巻...続きを読む末の解説を読むと原案との関わりがとても面白そう。いろいろワールドを広げてからまた読み直したい作品です
坂口安吾の作品群をベースにしたアニメ「UN-GO」の前日譚にあたる本作!ifの近未来に舞台を移していながらも巧みに世相を反映させているところが安吾捕物帖に通じるところがあっていいですね。 善意の押し付けや手のひら返しになる世論などなど…現実に通じるところもあって面白かったです。安吾にとって戦争・...続きを読む戦後が思想に強い影響を与えたものであるからこそ、この作品でも戦争について触れていたのが良かったです。 久しぶりにアニメ見たくなりました…アニメよりも描写やエピソードが濃くなってるので最高でした。
「自衛軍」の海外派遣につづく戦いに敗れたパラレル・ワールドの日本を舞台にして起こった奇妙な事件の顛末をえがいた作品です。 主人公である「探偵」の結城新十郎は、「因果」と呼ばれる少年とともに行動し、不思議な力によってひとが心の奥底にかくしていた秘密を聞き出す能力を駆使して、Ⅰ国の貨物船にダイヤ泥棒が...続きを読む逃げ込んだという事件を解決にみちびきます。 その頃、東京地検特捜部検事の虎山泉(こやま・いずみ)は、多くの信者を獲得していた宗教団体「別天王会」にまつわる謎を追っていました。彼らは「ヤミヨセの獣」と呼ばれる巨大な生き物を呼び出し、信者の一部が死んでいたのですが、その獣を目撃したという人物は数多くいるのに、その正体を警察はつかむことができないでいました。泉は、巨大インターネット企業の会長を務める海勝麟六(かいしょう・りんろく)という人物に出会い、彼から「探偵」のことを教えられます。こうして、日本に帰国した「探偵」と彼女が出会い、別天王会の教祖である大野妙心にまつわる謎と、かつて「探偵」がK国で体験した事件とのつながりが明らかにされていきます。 坂口安吾が戦後日本に見た閉塞感を、パラレル・ワールドの現代日本に再現した翻案小説として、おもしろく読みました。近代以降の日本におけるミステリと、現代におけるサブカルチャーを高いレヴェルで融合した、新伝奇小説の正統な流れを汲んだ作品としても位置づけることができるように思います。
あらゆるテロ・犯罪に関して、その真相を解明するのではなく 大衆と、国家権力の都合のいいように「解釈」して発表する それを行うものが名探偵と呼ばれる時代なら 旧来的な探偵は、あらかじめそれに敗北することを決定づけられた存在だ そんな「敗戦探偵」を主人公としたTVアニメシリーズ 坂口安吾の小説を原案とす...続きを読むるものだが、さらにその劇場版作品を 再度ノベライズしたものである(ややこしい) TVシリーズの前日譚となるので、佐々風守は登場しない 誰もが笑顔の世界を夢見つつ、誰かを蹴落とし続けなければならない そんな矛盾に耐えられなかった若き日の敗戦探偵は ひとり日本を逃げ出し、東アジアの奥地に巡回 映画を上映する人となるのだ ちなみに時代は近未来、2020年代だ インターネットの時代にそんなことする馬鹿馬鹿しさを知りながら 彼はまるで優しさの伝道師 1980年代日本の、戦後民主主義の使徒として 危険地帯をかけめぐるのだった そしてあるとき「戦場で歌う会」の女に出会う 若者たちの、優しさと甘さを象徴するものとして 武田鉄矢「少年期」が愛唱される
面白かった!劇場版を見て、その記憶もずいぶん朧げになってから読んだのだけど、物語の輪郭も人物の心情もよりくっきりと鮮やかに浮かびあがってくるようだった。 最初のほうしか見ていなかったアニメ版も、この話に続く作品としてチェックしたいと思った。主人公が手にするであろう真実は何かを見極めたい。
ここからアニメに繋がる、と考えるともう一度アニメを見返したくなります。小説版だと各キャラクターの印象もかなり変わってくる気が。アニメでは泉ちゃんはもっと探偵さんに冷たいし、海勝さんを信頼しているイメージ(だったはず)ですが…何らかの心境変化があったのかな?最後まで明かされなかった本名も気になりました...続きを読む。推理を覆す謎、一筋縄では見つからない真実がこの話の見どころかなあと。優しすぎた探偵さんが痛々しくも愛おしいお話でした。
坂口安吾原案のアニメ「UN‐GO」のノベライズ。 アニメは見ていなくて、期待もしていなかったけれど、想像以上におもしろかった。敗戦後の近未来の日本を舞台にしていて、物語に違和感がない。 小説として十分に楽しめた。
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UN-GO 因果論
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